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コラム

ベーカリーのオーブン導入で使える補助金と見落としやすい4つの壁

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ベーカリーのオーブン補助金、従業員規模で使える金額が変わる理由

焼成機の更新や増設を検討しているベーカリーの方に向けて、実際に使える補助金の制度名と、申請前に知っておきたい注意点をまとめます。パン屋は従業員数が少ない事業者が多く、この規模の小ささが原因で、想定していた上限額に届かなかったり、対象外と判定されたりする場面が起きやすくなっています。

ベーカリーのオーブン導入で候補になる補助金は4つ

オーブンの更新・増設で候補になる補助金は、主に中小企業省力化投資補助金(一般型)、中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)、小規模事業者持続化補助金、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠の4制度です。

このうち新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠は、2026年度に「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」が統合してできた制度です。革新的新製品・サービス枠の補助上限は最大3,500万円と紹介されることがありますが、これは従業員51人以上かつ大幅賃上げ特例を満たした場合の最大値です。実際の上限は従業員規模ごとに決まっており、1〜5人の事業者では750万円(大幅賃上げ特例適用時でも850万円)が上限になります。パン屋・ベーカリーは従業員5人前後の店舗が多いため、見出しで見た金額と申請時の上限額が一致しないケースがよく出てきます。

ここから先は制度の一覧比較ではなく、ベーカリーが実際につまずきやすい4つの落とし穴を順番に見ていきます。

落とし穴1:補助下限額に届かない

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠には補助下限額があり、100万円未満の事業計画は対象になりません。オーブン1台の入れ替えだけを想定していると、周辺設備や工事費を含めても下限に届かないことがあります。反対に小規模事業者持続化補助金は上限が基本50万円で、インボイス特例・賃金引上げ特例を両方満たした場合でも最大250万円までです。投資額と、それぞれの制度の下限・上限の差を先に見比べておくと、どの制度が現実的かが見えてきます。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

審査する側にいたころ、相談の場で「ものづくり補助金を使いたい」と言われることがよくありました。2026年度からは制度が統合され、正式名称は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金です。呼び方が古いままだと、公募要領のページ自体を探し当てられないことがあります。

落とし穴2:従業員規模別の上限で想定より少なくなる

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠の上限は、6〜20人で1,000万円、21〜50人で1,500万円、51人以上で2,500万円(大幅賃上げ特例適用時は各850万円・1,250万円・2,500万円・3,500万円)と、従業員規模ごとに段階が分かれています。人数の少ないベーカリーほど上限は低い区分に入る仕組みです。

小規模事業者持続化補助金にも規模による線引きがあります。対象となる小規模事業者は、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)が常時使用する従業員5人以下、製造業その他が20人以下と、業種区分によって基準が変わります。ベーカリーは店頭でパンを販売する小売の側面と、厨房でパンを製造する製造の側面の両方を持つため、どちらの業種区分で判定されるかによって、対象となる従業員数の上限そのものが変わってきます。申請前に自社がどちらの業種区分にあたるか、商工会・商工会議所の窓口で確認しておく段取りが要ります。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

落とし穴3:同等品への単純更新は対象外になりやすい

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、対象になる設備を「オーダーメイド性のある設備」に限定しています。単価50万円(税抜)以上の機械装置を最低1つ導入するという条件を満たしていても、汎用のオーブンを単体で入れ替えるだけの計画は対象外です。この制度は3〜5年の事業計画で労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画も条件になっており、賃上げ目標を掲げたうえで未達だった場合は、達成率に応じて返還が発生しうる仕組みです。オーダーメイド性の証明と賃上げ計画の両方を、投資規模の小さいベーカリーが単独で組み立てるのは負担が大きくなりやすい部分です。対象になるのは、複数の汎用設備を組み合わせてより高い省力化効果を生み出す場合や、事業者の導入環境に応じて周辺機器や搭載機能の構成が変わる場合です。今まで使っていたオーブンと似た機種にそのまま入れ替えるだけの計画では、この条件を満たしにくくなります。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠も同様に、新製品・新サービスの開発を伴わない単なる設備導入や、既存製品の生産プロセス改善だけを目的とした投資は対象外と定められています。オーブンを新しくして今までと同じ商品を焼くだけの計画では、この枠の対象になりません。

一方、中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)は、公的に登録されたカタログの中から省力化製品を選んで導入する制度です。中小企業等が販売事業者と共同で申請することが前提で、単独での申請は原則できません。カタログに載っていないオーブンをメーカーから直接購入する計画は、この制度の対象にならない点も見落としやすいところです。加えて、導入後は労働生産性を年平均3.0%以上向上させる計画の達成状況を複数年度にわたって報告する義務があり、未達の場合は減額の対象になります。単年度で効果を出し切りたい計画とは、報告の負担という面でも相性が異なります。

落とし穴4:対象外になる経費・交付決定前の発注

どの制度にも共通しているのが、交付決定日より前に行った発注・契約・購入は対象外という規定です。オーブンは特注に近いものだと納期が数か月かかることもあり、審査結果を待たずに先に発注してしまうと、その分の経費は補助を受けられません。

小規模事業者持続化補助金では、単価50万円(税抜)超の機械装置等を購入する場合、2者以上の相見積りが必要です。支払いも銀行振込が原則で、1取引10万円超(税抜)の現金払いは認められません。中小企業省力化投資補助金(一般型)でも、設備投資は単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れることが条件になっており、見積り・契約の段取りを審査結果より先に進めないよう管理しておく必要があります。

申請前に確認しておきたいポイント

ベーカリーのオーブン導入で補助金を検討する場合、制度名や上限額の大きさだけで選ぶと、実際の従業員規模や投資計画の内容によって対象外になったり、想定より低い上限に当てはまったりします。自社の従業員数がどの区分に入るか、投資計画がオーダーメイド性や新製品開発といった各制度の条件を満たしているか、発注のタイミングが交付決定後になっているかを、制度ごとに順番に確認しておくと、遠回りをせずに済みます。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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