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コラム

専門家がわかりやすく解説|借入時に金融機関と締結する【銀行取引約定書】とは?

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金融機関から借入をする際には、さまざまな契約書を交わします。なかでも最初に締結する契約書、それが「約定書」です。銀行であれば「銀行取引約定書」、信用金庫であれば「信用金庫取引約定書」、信用組合であれば「信用組合取引約定書」となります。

この記事では、この銀行取引約定書の役割や内容、要点などについて、わかりやすく解説します。
万が一、融資を受ける際に、金融機関から説明を受けられなかった方は、当記事で契約内容を再確認してみてください。

 

【目次】
そもそも「約定書」とは?なぜ必要?
約定書の8つの項目
 (1)適用範囲
 (2)利息・遅延損害金など
 (3)担保
 (4)期限の利益の喪失【最重要】
   ※融資残高の一括返済を要求される
 (5)相殺
 (6)報告・調査など
 (7)反社会的勢力の排除
 (8)届出自工
金融機関と締結する、その他の契約書
 ・金銭消費貸借証書
 ・抵当権設定契約書
まとめ
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そもそも「約定書」とは?なぜ必要?

約定書(やくじょうしょ)とは、商業上の「基本契約書」のことです。金融機関と新たに融資取引をするための、もっとも基本的なルールが記載してあります。
サッカーで言えば「ゴールキーパー以外は手を使ってはいけない」「ゴールに入れば1点」といった、どの大会でも変わらないルールをお互いに確認するといった感覚です。
では、その中身はどのような内容になっているのでしょうか?

 


約定書の8つの項目

各金融機関によって若干の違いはありますが、基本的に以下の8つの項目で構成されています。

◾適用範囲
◾利息・遅延損害金など
◾担保
★期限の利益の喪失【最重要】
◾相殺
◾報告・調査など
◾反社会的勢力の配所
◾届出事項の変更

 


(1)適用範囲

これはどの「基本契約書」にも記載のある文面です。
金融機関が想定している融資契約(手形貸付、手形割引、電子記録債権貸付、電子記録債権割引、証書貸付、当座貸越、支払承諾、外国為替、デリバティブ取引など)を、本契約の適用範囲とします、という条文です。
また、契約当事者としての甲乙や、第三者の範囲なども書かれています。

 


(2)利息・遅延損害金など

借入の利息や遅延損害金(いわゆる延滞利息)について、基本的な取り決めが示されています。「遅延損害金を何%に定めるのか」「利息は日割りなのか、月割なのか」などが記載されています。

 


(3)担保

『すでに差し入れている(提供している)担保の評価が目減りした場合や、債務者の財務内容・業況が悪化した場合には、追加で担保や保証人を差し入れる』という文面が記載されていることがあります。
じつは、金融機関と取引を始めるはじめの段階から、この文面に同意させられているのです。冷静に考えれば、結構怖い条文ですね。(実効性があるかは別として…)

 


(4)期限の利益の喪失【最重要】

「銀行取引約定書」において、この項目が最も大事になります。
融資を担当した銀行員がこの項目すら説明してくれなかったら、少なくとも説明責任を果たしていないのではないかと私は思います。

 


※融資残高の一括返済を要求される

「期限の利益の損失」とは、ざっくり言ってしまえば、「この条件に当てはまったら、一括で返済してくださいね」という条文です。
5年返済で借入をしたとしても、この条件に該当したら一括での返済を求められます。
そのため、この項目を軽視していると、いつの間にか条件に該当してしまい、「一括返済」を余儀なくされるケースもありえます。
そうなってしまうと、資金繰りに重大な影響を及ぼすことは言うまでもありません。

「期限の利益の損失」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【金融機関と締結する契約書(期限の利益の喪失)】

 


(5)相殺

上記の「期限の利益の喪失」に関連する内容です。『条件に該当した場合は、金融機関はその債務者の借入金と預金・出資金を「相殺」することができる』というルールです。
具体的には、届出をしている住所に相殺通知が送られ、その後一定期間を置いて、預金残高・出資金と借入金(及び利息・遅延損害金)が相殺されます。

 


(6)報告・調査など

金融機関に対し、財務状況(決算書や確定申告書など)を定期的に提出することを求める条文です。期中であっても、財務状況や経営状況に重大な変化があった場合には報告するように求める場合もあります。
この段階で「自発的に決算書類や状況の変化を報告する」ように約束させられていると考えてください。経営者の中には、「決算書類は融資を受けるときにだけ提出するもの」と考える方もいらっしゃいますが、定時報告の義務を負っているかどうかを確認してみてください。

また、提出した決算書類に「重大な虚偽」があると認められた場合は、上記の「期限の利益の喪失」に該当する危険性が極めて高いです。

 


(7)反社会的勢力の排除

こちらの文言は、今となってはあらゆる契約書に記載されています。契約締結時だけではなく、締結後にこの条文に該当した場合でも適用されます。
該当した場合は、上記の「期限の利益の喪失」条文や、「預金取引約款」などに基づき、取引の解消を求められます。

現在の金融機関は。定期的(1年や6ヶ月に一度)に反社会的勢力に該当するかのチェックをしていることが多く、「言わなければバレない」と軽視するのは危険です。

 


(8)届出事項の変更

債務者や保証人の氏名、住所、商号、本社登記地、各種印鑑などに変更があった場合には、すぐに金融機関に「変更の届出」をするように求めています。
届出を怠ると、やや拡大解釈になりますが、「期限の利益の喪失」に繋がるケースも考えられます。
もし変更があった際には、まずは口頭で申し出をし、金融機関の手続きに基づいた変更届出をおこないましょう。

 


金融機関と締結する、その他の契約書


・金銭消費貸借証書

金融機関が「あなたに融資しますので、この条件で返済してくださいね」という内容です。銀行取引約定書とは異なり、その時その時で可変的な細かい条件を最初に決めておくというものです。

こちらの記事で詳しく解説しています。
【金融機関と締結する契約書(金銭消費貸借証書)】 

 


・抵当権設定契約書

創業融資などで無担保での融資を受けている場合は、基本的には締結しません。文字通りですが、金融機関が「抵当権」を担保物件に「設定」するための契約書であり、つまりは不動産担保を取りますよ、という契約です。

こちらの記事で詳しく解説しています。
【金融機関と締結する契約書(抵当権設定契約書)】

 


まとめ

契約書の内容について、どこまで細かく説明してくれるかは、金融機関の担当者によってさまざまです。銀行員側に「説明責任」があるといっても、署名・押印した以上、契約書には責任が伴います。「聞いてない」「憶えていない」は、基本的に通じません。
契約書というのは、小さな字で小難しく書いてあることが多いため、つい軽視してしまいがちです。しかし、自分を守る意味でも「契約をしっかりと把握する」必要があるでしょう。
内容の把握に自信がない方は、いますぐに確認をしてください。


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