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コラム

【長期運転資金について(前編)】

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前回に引き続き、資金使途ごとの借り方についてお話したいと思います。

では早速本題に入りましょう。

今回は長期運転資金です。

まずはおさらいを。(2019.6.29投稿のコラムをご参照)
長期運転資金 = 売上に連動しにくい固定費や人材登用などの投資的支出に充当され、長い期間をかけて借金を償却していくイメージです。

毎度のことながら、わかりにくいですね。

前回の経常運転資金とは違い、受注にひも付されている材料費や人件費ではなく、家賃や事務員さんの人件費、広告費、光熱費など、下手したら受注が無くてもかかる費用に使う資金と考えてください。決算書の販売費及び一般管理費のところに載っている費用です。
これに加えて、新事業の広告を大きく打ちたい、システムを開発したい、業務拡大に際し人材を採用したい、新人の研修費に充てたいなど、短期間で回収できない投資的な支出も対象です。

日本の中小企業の多くは運転資金を「長期運転資金」として借りています。
中小企業は日本政策金融公庫や保証協会付融資を借りているケースが多く、それらの融資制度のラインナップは長期借入に大きく偏っているためです。
近年、保証協会で短期借入(前回話した経常運転資金として、利払いのみ)が拡充され、使い勝手は飛躍的に向上しましたが、、、。

依然、日本政策金融公庫は長期借入のみですし、民間金融機関の担当者もノウハウと経験の少なさから長期借入を提案しがちです。つまり、言いなりで借りてしまうと長期借入になりがちです。

さて、長期運転資金として借りることに対して、私が少し否定的なのを感じませんか?
そう、私は「何でもかんでも長期運転資金で借りるのはナンセンス」だと考えています。
ポイントなは「何でもかんでも」です。

長期運転資金での借入は当然に毎月の元本返済が伴います。
1,000万円を7年で借りれば、毎月12万円の元本返済です。
当たり前の話ですが、借金は返済しないと減りません。
しかし、自社の状況を振り返ってみてください。
「毎月返済しているけれど、新たに借りなおしているから結局のところ借金は減ってない!」「あんなに毎月の返済がつらいのに!」
という状況になっていませんか?
というより、そんな企業様の方が圧倒的に多いはずです。

そこに何でもかんでも長期運転資金で借りる最大のデメリットがあるのです。

では、事例で見てみましょう。

A社は創業時に1,000万円を7年返済で借りました。
2年目も1,000万円を7年返済で借りました。
3年目も1,000万円を7年返済で借りました。
4年目も1,000万円を7年返済で借りました。
5年目も1,000万円を7年返済で借りました。
業容が拡大し、金融機関も貸してくれる、素晴らしい状況です。

では実際、どんな状況になっているでしょうか?
それぞれの借入は毎月12万円の元本返済があります。
5年目の決算時には残債は5本の合計で2,840万円(内訳は1本目:280万円、2本目:424万円、3本目:568万円、4本目:712万円、5本目:856万円)となっています。
これに対し、年間返済額は12万円×12ヶ月×5本=720万円となります。
結果として2,840万円に対し、年間720万円の返済ですから、事実上4年で完済する状況になっています。
なかなか強気の返済期間ですよね。結局、返済がつらいので翌年もまた1,000万円借りたりします。
これが「あんなに毎月返しているのに、結局借金は減らない」という実感の正体です。

人は苦しい状況に置かれると、なかなか前を向くことは出来ません。
毎月の返済が重いと新たな事業へのチャレンジや思い切った設備投資は出来なくなってしまいます。
「手元に資金はあるけれど、これは返済のための取っておかないと。」
なんて、本末転倒ですよね。
金融機関も当初は「事業のために前向きに使って欲しい」と貸しているはずなのに、いつの間にか返済のためのお金を貸している状況です。

以上のように「何でもかんでも」長期運転資金で借りてしまうと、事業自体が窒息するような状態になります。
前向きな経営判断が非常にしづらくなるんですよね。
ですので、私自身は「何でもかんでも」長期運転資金で借りるのは否定的なのです。

V-Spiritsグループは経営者が経営に専念できる環境を提供するグループです。
「借り方」が下手なだけで、前向きな経営判断ができないなんて状況を放ってはおけません。

「借り方」のメンテナンスについては無料相談で対応が可能です。

ご関心のある方は是非お気軽にご相談ください。

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