今回は、【事業融資における団体信用生命保険】について解説していきます。
団体信用生命保険(団信)はマイホームを購入したことある方でしたら1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
住宅ローン借主に万が一の事が起こった場合に、保険金で住宅ローン残高を返済する保険になっています。
あまり知られていませんが、住宅ローンに限らず事業融資にも団信は存在します。
事業融資における団信を以下6点に分けて説明していきます。
①個人事業主の場合は債務者本人、もしくは法人の連帯保証人(基本代表者)しか加入できない
個人事業主の場合の本人が加入するパターンはイメージが付きやすいかと思います。
事業自体が本人の資質によるところが大きく、本人が死亡された場合に事業を引き継げる方がいないため団信での保障が必要になります。
一方で、法人の場合は「連帯保証人」がいることが前提となっています。
②加入してもしなくても、審査結果に影響はない
事業融資での審査は「その事業できちんと返済できるか」によって審査されます。
ですので、被保険者が死亡した場合の保険金を当てにした審査はしていません。
団信はあくまで社長(連帯保証人)や本人の家族への生活保障という部分が大きいです。
③銀行の担当者が案内してくれないことが多い
銀行の審査と直接関係ない為なのか、はたまた担当者の知識不足なのか定かではありませんが、融資担当者から団信の案内をされないことが多々あります。
社長の家族の生活保障のために加入する保険なので、案内されなくても希望があれば自身で加入する希望を伝えましょう。
また、借りてしまってから事後的に保険に加入するのは基本的には難しく、申込時点から借りる前までには申し出をして加入手続きを済ませましょう。
④住宅ローン団信とは違い、保障内容は最低限
住宅ローンを組む際の団信は、「三大疾病」や「八大疾病」になった場合にローン残高と相殺するような手厚い団信が多いです。
しかし、事業用の団信は以下のような最低限の保障しかされていないのが一般的です。
(1)債務者本人(ないし連帯保証人)が死亡した際
(2)債務者本人(ないし連帯保証人)が高度障害となった際
※高度障害とは両目を失明、言語・咀嚼機能を失う、常時介護が必要、四股の内2つを失うなどのかなり高度な障害
⑤保険料は比較的安い
保険料は借りている金額の0.25%前後に設定されているようです。(年度によって変動あり)
公庫の場合は、1,000万円借りて、初年度は約26,000円、次年度は約22,000円と徐々に下がっていき、7年返済で合計約10万円の保険料となるようです。
民間の生命保険を1,000万円分加入するよりは安価になるケースの方が多いようです。
⑥他の死亡保険とは支払方法が違う
他の死亡保険は契約時に決めた死亡保険金を保険金受取人が受け取ります。
しかし、団信は借入と相殺する性格のため、借りている銀行に直接払われます。
死亡した時点での借入額と同額を直接相殺します。
ですので、ご家族や会社の口座を経由することがありません。
私自身も法人融資営業を行っておりましたが、事業融資における団信加入率はとても低かったです。
しかし、知らないよりは知っている方が遥かに有利な情報ですのでお伝え致しました。
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