労働者派遣事業
人材派遣の仕組みは、人材派遣会社が派遣で働きたい人に登録してもらい、派遣スタッフを活用したい企業(派遣先企業)に「派遣契約」基づいて派遣し、派遣先企業から派遣料を受取り、派遣スタッフには賃金を支払うものです。
派遣スタッフは、登録制のため身分が不安定になりがちです。派遣スタッフの身分を守るためには、人材派遣会社の経営が継続されることが最低限必要です。
そこで、人材派遣会社の運営には、許可要件を設定した許可制になっているのです。
「労働者派遣事業」の許可要件は、次の通りです。
○財産的許可要件
一事業所当たり 基準資産額 1000万円以上
基準資産額が負債総額の7分の1より大きな金額であること
現金・預金の額が800万円以上であること
○事務所の要件
20平米以上であること
○事業主の要件
欠格要件(禁固刑又は一定の労働法違反で罰金刑以上に処せられて5年を経過しない)に該当しない事
住所が特定していること
○派遣元責任者の要件
3年以上の雇用管理の経験が必要
派遣元責任者講習を受講する(日本人材派遣協会などが実施する講習を受講する。)
欠格要件に該当しない事(欠格要件は、事業主と同じ)
○教育訓練に関する要件
派遣スタッフに対する教育計画を立てる。
○個人情報管理体制に関する要件
「個人情報適正管理規程」を定める
○「専ら派遣」を行わない事
特定の会社や業務に対してだけ派遣をしてはならない。
○有料職業紹介事業との兼業の要件
兼業する場合は、それぞれの事業に明確な区分を設けて実施すること。
これらの許可要件を満たしたうえで、必要書類を準備して申請します。
申請に必用な書類は、次の通りです。
1.定款
コピーして、末尾に日付と会社の記名押印をします。
事業目的に「有料職業紹介事業」が入っていること。
2.履歴事項全部証明書
交付されてから、3か月以内のもの
3.役員全員の住民票(省略事項のないもの)
職業紹介責任者を兼ねる場合は、1通でよい
本籍が記載された省略事項のないもの
4.役員全員の履歴書
書式は自由。自筆でない場合は、押印する。
記入事項は、氏名、ふりがな、生年月日、年齢、性別、住所、電話番号、学歴職歴、作成年月日です。
学歴は最終学歴のみで足ります。
職歴の後に、賞罰の有無を記入する。
職業紹介責任者を兼ねる場合は、1通でよい
5.貸借対照表
新設法人の場合は、設立時の貸借対照表を添付する。
6.法人税の納税証明書(別表1および4)
7.法人税の納税証明書(その2所得金額用)
8.事業所の使用権を証明する書類(賃貸借契約書)
賃貸借契約書のコピー
床面積が20平米以上で、レイアウトと一致していること
使用目的が記載されていることを確認
9.事業所のレイアウト(平面図)
作成は、手書きでもパソコンでもOKでA4で作成。
入口や間仕切りの位置がわかる事務所の全体像に、面積がわかるように寸法を記入し机やテーブル、書庫やロッカー、パソコン、電話などの位置を書き入れる。
来客スペースと個人情報を管理するスペースを適切に分ける。
余白部分に会社の記名押印をする。
10.派遣元責任者の住民票(省略事項のないもの)
11.派遣元紹介責任者の履歴書
12.派遣元責任者講習受講証明書のコピー
13.個人情報適正管理規程