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コラム

創業計画書 手書きはOK?注意点と効率的な書き方のコツ

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創業融資の申込みで提出する創業計画書は、手書きで作成しても問題ないのか迷う方は少なくありません。日本政策金融公庫の書式はPDF・Excelの両方が用意されており、「どちらで作るのが正解か」が判断しづらいテーマです。

この記事では、起業直後の個人事業主・中小企業の方に向けて、創業計画書を手書きで作成してよいかどうか、手書き・パソコンそれぞれのメリット・デメリット、効率的に書き上げるためのコツをまとめて解説します。執筆時点(2026年5月)の情報をもとに、申込み窓口で実際に評価されるポイントを整理していきます。

創業計画書は手書きで作成してもよいのか

結論からお伝えすると、日本政策金融公庫の創業計画書は手書きで提出しても問題ありません。公庫の公式書式は、PDFをプリントアウトして手書きで記入する形式と、Excelファイルにパソコンで入力する形式の2種類が用意されており、どちらで提出しても受付・審査の対象になります。

つまり、「手書きだから審査で不利になる」「パソコンで作成しないと通らない」というルールは存在しません。実際、創業計画書のフォーマット自体が手書き記入を前提に区切られたマス目で構成されており、ペンと用紙だけあれば作成できるよう設計されています。

ただし、手書きとパソコン作成では「読みやすさ」「修正のしやすさ」「印象」に違いが出るのも事実です。次の章で、それぞれの特徴を整理していきます。

手書きとパソコン作成のメリット・デメリット比較

手書きで作成するメリット・デメリット

手書きのメリット

  • パソコン操作に不慣れでも作成できる
  • 用紙とペンがあればすぐ始められ、初期コストがかからない
  • 丁寧に書けば「真剣に取り組んでいる姿勢」が伝わりやすい
  • 面談時に直接書き加えながら説明することもできる

手書きのデメリット

  • 書き直しや修正に時間がかかる
  • 文字の読みやすさが書き手のクセに左右される
  • 枠内に収めるための調整が難しく、文章量のコントロールがしづらい
  • 数字の計算ミスや書き間違いが発生しやすい

パソコンで作成するメリット・デメリット

パソコンのメリット

  • 修正や差し替えが容易で、何度でも書き直せる
  • 誰が読んでも読みやすい体裁になり、誤読のリスクが減る
  • 数字を自動計算でき、金額の整合性を取りやすい
  • 同じファイルを使い回せるため、複数の金融機関に応募する際にも便利

パソコンのデメリット

  • パソコン操作・Excel操作に最低限慣れている必要がある
  • パソコン環境がない場合は新たに準備が必要
  • 体裁が整いすぎて「テンプレートに沿って書いただけ」という印象になることがある

結局、手書きとパソコンはどちらを選ぶべきか

どちらにも一長一短がありますが、判断の目安は「内容の精度をどこまで詰めるか」と「修正回数をどれくらい見込むか」です。

  • パソコン操作に不慣れで、一発で丁寧に書き上げる自信がある方 → 手書きでも問題ない
  • 数字を何度も見直したい、文章を練り込みたい、金融機関と相談しながら微修正したい方 → パソコン作成のほうがスムーズ

面談で公庫の担当者に「どんな事業をするのか」を伝えるための資料という性質を踏まえると、内容が読み手に正しく伝わることが最優先です。読みやすさを担保できるのであれば、手書きでもパソコンでも審査結果に直接の差は生まれません。

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手書きで創業計画書を作成するときの注意点

手書きを選ぶ場合、以下のポイントを押さえておくと、読み手にとって理解しやすい計画書になります。

1. 黒のボールペンで丁寧に書く

鉛筆や消せるボールペン(フリクションタイプ)は、提出書類としてふさわしくありません。黒のゲルインクボールペンや油性ボールペンを使い、しっかり読める筆圧で書きましょう。

2. 下書きをしてから清書する

本書式にいきなり書き始めると、書き間違いや内容の入れ替えで書き直しが発生します。あらかじめ別の紙やノートに下書きを作り、文章量・記載順を固めてから清書するのが安全です。

5. 数字部分は必ず計算を確認する

手書きの場合、売上計画・必要資金・返済計画などの数字を電卓で計算し、整合性が取れているか繰り返し確認しましょう。「自己資金+融資希望額=必要資金合計」のように、合計欄が合っていない計画書は、内容以前の段階で印象を損ねます。

効率的に創業計画書を書く5つのコツ

手書き・パソコンを問わず、創業計画書を効率よく仕上げるために押さえておきたいコツをまとめます。

1. 書く順番を決めてから着手する

創業計画書は項目が多く、上から順番に書いていくと「動機」「経歴」「商品・サービス」「取引先」「資金計画」「収支見通し」のあたりで筆が止まりがちです。書きやすい部分(経歴や商品の特徴など)から先に埋め、最後に動機や見通しを整える順番にすると、全体の流れがスムーズになります。

2. 一次情報をもとに数字を組み立てる

売上見込みや原価率などは、なんとなくの数字ではなく、業界平均・出店予定エリアの集客実績・仕入先の見積りなど、根拠のある情報をもとに組み立てます。具体的な裏付けがある数字は、面談で質問された際にも自信を持って答えられます。

3. 1枚に詰め込みすぎず、必要なら別紙で補足する

所定の枠に収まらない情報は、別紙のメモや事業計画書(フリーフォーマット)を添付しても問題ありません。むしろ、市場分析・サービスの強み・販売チャネルなどは別紙でしっかり補足することで、計画の説得力が上がります。

4. 専門用語より「自分の言葉」を優先する

業界用語やビジネス用語を多用すると、読み手に伝わりにくくなります。誰が読んでも理解できる平易な言葉で、自分の事業の魅力や強みを表現することを意識しましょう。借りる側の熱意がそのまま伝わる文章は、テンプレ的な文章よりも印象に残ります。

5. 完成後は第三者に読んでもらう

自分では伝わっているつもりでも、読み手にとっては分かりにくい箇所があります。家族・友人・知人の経営者・専門家など、第三者の目を通すことで、抜け漏れや曖昧な記述を発見できます。可能であれば、融資・補助金支援の専門家に確認してもらうと、面談で指摘されやすいポイントを事前に潰すことができます。

手書きとパソコンを使い分ける判断基準

最後に、手書きで進めるか、パソコンで進めるかを迷ったときの判断基準を整理します。

  • 手書きで進めたほうがよい人:パソコンが苦手で、操作に時間を取られるくらいなら手書きのほうが早い/手書きで字を書くのに抵抗がない/一発勝負で書き上げる覚悟がある
  • パソコンで進めたほうがよい人:何度も書き直しながら内容を詰めたい/複数の金融機関に同じ内容を出す可能性がある/数字の整合性を自動でチェックしたい/字に自信がなく、読みやすさを優先したい

創業計画書はあくまで「事業の中身を伝えるための道具」です。手書きでもパソコンでも、読み手にきちんと意図が伝わる計画書を目指すことが最も重要です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 手書きとパソコン、どちらが審査で有利になりますか?

結論として、どちらでも審査結果に直接的な差はありません。重要なのは「事業の中身が読み手に伝わるか」「数字に整合性があるか」「事業に対する本気度が見えるか」です。形式よりも中身が見られると考えてください。

Q2. 一部を手書き、一部をパソコンで作成してもよいですか?

原則としてどちらかに統一したほうが見栄えが良くなりますが、必ずしも禁止されているわけではありません。たとえば、本書式は手書きで作成し、別紙の補足資料はパソコン作成、といった分け方は実務でもよく見られます。

Q3. 数字の根拠資料はどこまで添付すべきですか?

必須ではありませんが、見積書・契約書・出店予定地の資料・市場調査データなどがある場合は添付したほうが説得力が増します。とくに必要資金の内訳や売上計画の根拠は、客観的な資料があるとよいでしょう。

Q4. 字がきれいでなくても手書きで提出して大丈夫ですか?

字の上手・下手で審査結果が変わることはありません。ただし、丁寧に読みやすく書くことだけは意識してください。雑な字で書かれた計画書は、「事業に対する姿勢」を疑われる原因になります。

まとめ

創業計画書は、日本政策金融公庫の書式のもと、手書きでもパソコンでも提出できます。どちらの形式でも審査結果に直接の差は生まれず、最も重要なのは「事業内容が読み手に正しく伝わるか」「数字に整合性があるか」「本気度が見えるか」という中身の部分です。

パソコンに慣れていない方は無理に切り替える必要はなく、手書きでも丁寧に作成すれば十分に通用します。一方で、何度も内容を練り込みたい方や、複数の金融機関に提出する予定がある方は、パソコン作成のほうが柔軟に対応できます。自分のスタイルに合った方法を選び、面談で自信を持って説明できる状態に仕上げていきましょう。

創業融資の準備や、創業計画書の書き方に不安がある方は、ぜひ専門家の無料相談を活用してください。元日本政策金融公庫支店長や元信用金庫融資担当の専門家が、計画書作成から面談対策まで実務目線でサポートします。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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