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コラム

【速報】省力化・デジタル化・AI投資補助金とは|2027年度一本化の中身と今使える現行制度

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デジタル化・AI導入補助金と省力化投資補助金、2027年度に一本化へ【経産省概算要求】

経済産業省が2027年度予算の概算要求で、中小企業向けの「デジタル化・AI導入補助金」と「中小企業省力化投資補助金」を一本化する方針を示しました。一本化後の名称は「省力化・デジタル化・AI(人工知能)投資補助金」とされていますが、これはあくまで2027年度予算の概算要求段階の話であり、現時点では正式に決定した制度ではありません。この記事では、報道で分かっている速報の内容、今も使える現行2制度の中身、そして今後の見通しを整理してお伝えします。

出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA279ZJ0X20C26A8000000/?n_cid=dsapp_share_ios

何が起きたのか|経産省の2027年度予算・概算要求の内容

日本経済新聞(2026年8月27日付)の報道によると、経済産業省は2027年度予算の概算要求で、中小企業のデジタル化設備の導入や事業承継を支援する補助金事業に4,435億円を求めています。この4,435億円は、次の3つの補助事業の予算要求の合計です。

  • 省力化・デジタル化・AI投資補助金(現行の「デジタル化・AI導入補助金」と「中小企業省力化投資補助金」を2027年度から一本化して募集する方針)
  • 小規模事業者持続化補助金
  • M&A(合併・買収)・事業承継補助金

このうち中小企業の生産性向上を支援する枠組みが、今回話題になっている「省力化・デジタル化・AI投資補助金」です。報道では、2027年度から従来の「デジタル化・AI導入補助金」と「中小企業省力化投資補助金」を一本化して募集するという方針が示されています。

「省力化・デジタル化・AI投資補助金」という名称について

この名称は、あくまで経済産業省が2027年度予算の概算要求で示した名称であり、報道の紹介にとどまる情報です。補助上限額・補助率・対象経費・申請要件といった具体的な内容は、現時点の報道には出ていません。統合後の制度の詳細は、今後の予算編成・公募要領の公表を待つ必要があります。「今からこの名称で申請できる」というものではない点に注意してください。

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【確定情報】今の制度はどうなっているか(2026年8月時点)

一本化は2027年度からの話であり、現時点では「デジタル化・AI導入補助金」「中小企業省力化投資補助金」は名称・制度内容ともにこれまでどおり存在しています。投資を検討している中小企業にとって、今の制度がそのまま使える状態です。それぞれの現行制度の内容を確認します。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)

会計・受発注・決済などの基幹業務のデジタル化やインボイス対応、セキュリティ対策のために、事務局に登録されたITツール(ソフトウェア・クラウドサービス等)を導入する投資を支援する制度です。補助上限額は枠によって異なり、通常枠は450万円、インボイス枠は350万円、複数者連携デジタル化・AI導入枠は3,000万円です。対象経費はソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費(設定・研修・保守サポート等)などで、申請は事務局に登録されたIT導入支援事業者(ベンダー等)の支援を受けて行うことが前提になっています。

中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型/一般型)

人手不足の解消と生産性向上を目的に、設備投資による省力化を支援する制度で、「カタログ注文型」と「一般型」の2つの枠があります。カタログ注文型は、公的に登録された省力化製品(汎用機器・ロボット・IoT機器等)から選んで導入する即効性重視の制度で、補助上限は1,500万円(大幅賃上げ計画を盛り込んだ場合)です。カタログに登録された製品を導入することが前提で、中小企業等は販売事業者と共同で申請する必要があり、単独申請は原則できません。労働生産性を年平均3.0%以上向上させる計画も求められます。

一方の一般型は、カタログに掲載されていないオーダーメイド寄りの設備・システム導入を支援する制度で、補助上限は1億円です。対象になるのは「オーダーメイド性のある設備」で、汎用設備を複数組み合わせることでより高い省力化効果を生む場合や、導入環境に応じて周辺機器や機能の構成が変わる場合が該当します。単に汎用設備を単体で導入するだけの計画は対象外で、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ導入する要件を満たしていても、それだけでは足りません。労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす事業計画が必要で、賃上げ目標が未達の場合は達成率に応じて返還が発生することもあります。

なぜ今このタイミングなのか|スマートレジと消費税率引き下げへの対応

今回の一本化の背景には、現行のデジタル化・AI導入補助金ですでに進んでいる動きがあります。デジタル化・AI導入補助金では、2026年6月から、タブレットやスマートフォンをレジとして活用する「スマートレジシステム」を優先的に採択しています。これは概算要求のような未確定情報ではなく、現行制度で実施されている確定済みの運用です。

この優先採択の背景には、消費税率の引き下げがあります。政府は2027年4月から2年間、飲食料品の消費税率を8%から1%に引き下げる方針です。小売店や飲食事業者はこの税率変更への対応が必要になり、スマートレジシステムはデータ管理などの生産性向上につながるほか、税率の変更にも対応しやすいことから、導入が後押しされています。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

「新しい制度を待った方がいいですか」とよく聞かれますが、今回はまだ概算要求の段階で、実際に公募が始まるまでには予算の閣議決定や国会審議を経る時間がかかります。デジタル化やレジ対応を今すぐ検討している場合は、名称が変わるのを待たず、今使える現行制度から情報を集めておくのが安心です。

【未確定・今後の見通し】いつから「省力化・デジタル化・AI投資補助金」は使えるのか

概算要求は、あくまで各省庁が来年度予算として「これだけの予算が必要です」と財務省に要求する段階の資料であり、この時点では金額も制度の中身も確定していません。一般的な予算編成のプロセスでは、8月末の概算要求のあと、12月下旬に予算案が閣議決定され、翌年1〜3月の通常国会で審議されたうえで、3月末までに予算が成立します。省力化・デジタル化・AI投資補助金についても、成立後に公募要領が公表され、公募が始まるという流れが見込まれます。

現時点で分かっていないのは、統合後の補助上限額、補助率、対象経費、申請要件といった具体的な制度設計です。これらは今後、予算の成立や公募要領の公表を経て明らかになる見込みで、現時点で断定的な数字を語ることはできません。

今、中小企業が取るべきアクション

新しい制度の詳細が固まるまでには、まだ数カ月から半年以上かかる可能性があります。デジタル化や省力化の投資を検討している場合は、一本化を待つのではなく、まず現行の「デジタル化・AI導入補助金」「中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型/一般型)」で自社の投資計画に合う枠がないかを確認することをおすすめします。ITツール中心の投資であればデジタル化・AI導入補助金、既製の省力化機器の即効導入であればカタログ注文型、自社の課題に合わせたオーダーメイドの設備・システム導入であれば一般型が候補になります。統合後の制度に関する公式発表は、経済産業省や中小企業庁の公式サイトで随時確認するとよいでしょう。

まとめ

経済産業省は2027年度予算の概算要求で、デジタル化・AI導入補助金と中小企業省力化投資補助金を一本化し「省力化・デジタル化・AI投資補助金」とする方針を示しました。ただし、これは2027年度予算の概算要求段階の情報であり、正式に決定した制度ではありません。補助上限額や対象経費などの詳細は今後公表される見込みです。一方で、現行のデジタル化・AI導入補助金と中小企業省力化投資補助金は、一本化されるまでの間は名称・内容ともにそのまま存在しています。デジタル化や省力化投資を検討している中小企業は、新制度の発表を待つだけでなく、まず現行制度の活用を検討することが現実的な選択になります。

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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