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コラム

マシンガイダンス導入の補助金|後付けキットと建機ごと購入で変わる対象経費と自己負担

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マシンガイダンスの補助金は「1台入れるだけ」では通らない|対象判定の境界線と規模別上限の見方

発注者からICT施工を求められる機会が増え、手持ちのバックホウにマシンガイダンスを後付けするか、ICT建機ごと入れ替えるかで迷っている建設会社の経営者の方は多いのではないでしょうか。「建設業で使える補助金の一覧」を集めた記事はたくさんありますが、実際に見積書を並べる段階になると、知りたいのは一覧ではなく「この投資は本当に補助対象になるのか」という一点に絞られてきます。

この記事では、マシンガイダンス導入で候補になる補助金を整理したうえで、多くの一覧記事が触れていない対象判定の境界線と、「最大◯◯万円」ではなく従業員規模で決まる補助上限の読み方を解説します。数字は2026年度の公募要領・制度資料をもとにした執筆時点の情報です。補助金は年度や公募回ごとに要件が変わるため、申請前には必ず最新の公募要領をご確認ください。

マシンガイダンス導入で候補になる補助金

マシンガイダンス(3D設計データをもとに建機の刃先位置をオペレーターに表示する仕組み)の導入は、「省力化のための設備投資」と整理できるかどうかで使える制度が変わります。まずは候補を並べてみます。

制度名 向いている投資 補助上限の目安
中小企業省力化投資補助金(一般型) 既存の施工工程の省力化・自動化。自社の現場に合わせて機器構成を組む投資 1億円
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型) カタログに登録された省力化製品をそのまま導入する投資 公募回・従業員規模・賃上げ計画により異なる
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠 新しい工法・サービスの開発を伴う設備投資 従業員規模別(後述)/補助下限100万円
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) 3D設計データ作成ソフトや施工管理システムなどのソフト・クラウド 通常枠450万円ほか
小規模事業者持続化補助金 従業員20人以下の会社が、販路開拓とセットで行う業務効率化 最大250万円(特例適用時)

この5つのうち、マシンガイダンスという「機器そのもの」の導入で主役になりやすいのは省力化投資補助金の2類型です。革新的新製品・サービス枠は後述のとおりハードルの性質が違い、デジタル化・AI導入補助金はソフト側、持続化補助金は小規模事業者に限られます。

最初の分かれ道は「後付けキット」か「建機ごと購入」か

同じマシンガイダンス導入でも、次の2つは補助金の世界ではまったく別の投資として扱われます。

  • 後付け(レトロフィット):GNSS受信機・コントローラー・モニターなどを、いま持っている建機に取り付ける
  • 建機ごと購入:マシンガイダンスやマシンコントロールを搭載した建機を新たに購入する

後付けキットは「機械装置・システム構築費」として整理しやすい一方、建機ごと購入すると金額の大半が車両本体になります。補助金には汎用の車両購入を対象外とする制度が少なくないため、同じ目的の投資でも、どちらを選ぶかで対象になる経費の範囲が変わってきます。見積書を制度に合わせて作り替えるのではなく、投資の形が制度のどこに収まるかを先に確かめる順番が大切です。

見落としやすい「オーダーメイド性」の要件

ここが、建設業向けの補助金一覧記事でほとんど触れられていない部分です。中小企業省力化投資補助金(一般型)の対象になるのは「オーダーメイド性のある設備」であり、以下のいずれかに該当すれば、汎用設備であってもオーダーメイド設備とみなされて対象になり得るとされています。

  • 省力化に資する汎用設備を複数組み合わせることで、より高い省力化効果や付加価値を生み出す場合
  • 事業者の導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合

逆にいえば、単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外です。一般型には「単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ導入する」という要件もありますが、この金額要件を満たしていても、それだけでは足りません。「マシンガイダンスを1台分だけ買う」という計画書は、金額の条件はクリアしていてもオーダーメイド性の説明が空白になりやすく、ここでつまずくケースが出てきます。

マシンガイダンスは本来この要件と相性が悪い設備ではありません。現場の土質や施工内容に応じて受信機・センサー・モニターの構成が変わりますし、3D設計データの作成環境や施工管理システムと組み合わせて初めて省力化効果が出ます。事業計画では「何を買うか」ではなく、自社の現場でどの工程の人手をどれだけ減らし、その結果として付加価値がどう増えるかを、機器構成の必然性とセットで書くことが求められます。

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補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

数字で見る|補助上限は「最大◯◯万円」ではなく従業員規模で決まる

もう1つ、一覧記事で誤解が生まれやすいのが補助上限の書き方です。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠は「最大3,500万円」と紹介されることがありますが、これは最大の従業員規模かつ大幅賃上げ特例を適用した場合の最大値であり、無条件の上限ではありません。実際は従業員規模ごとに次のように分かれます。

従業員数 補助上限 大幅賃上げ特例適用時
1〜5人 750万円 850万円
6〜20人 1,000万円 1,250万円
21〜50人 1,500万円 2,500万円
51人以上 2,500万円 3,500万円

補助率は中小企業者が1/2、小規模企業・小規模事業者・再生事業者は2/3です(地域別最低賃金引上げ特例の適用時も2/3)。あわせて補助下限は100万円で、機械装置・システム構築費は単価10万円(税抜)以上という条件もあります。

これを踏まえると、自己負担の見え方は次のようになります。従業員10人の会社が補助対象経費600万円の投資を行い、この枠で採択された場合、補助率1/2なので補助額は300万円、自己負担は300万円です。上限1,000万円には届いていないため、上限ではなく補助率が自己負担を決めています。一方、同じ会社が補助対象経費2,400万円の投資を計画すると、1/2では1,200万円になりますが上限1,000万円で頭打ちになり、自己負担は1,400万円まで膨らみます。「上限額に届くかどうか」ではなく「補助率と上限のどちらが先に効くか」で資金計画が変わるという見方をしておくと、資金繰りの見通しを外しにくくなります。

なお、大幅賃上げ特例の適用条件は、給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上かつ事業場内最低賃金が地域別最低賴金+50円以上です。上限が上がるぶん、達成できなかったときの負担も重くなります。基本要件としても、付加価値額の年平均成長率+4.0%以上、一人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上の水準が求められ、未達の場合は返還の対象になります。中小企業省力化投資補助金(一般型)も同様に、3〜5年の事業計画で労働生産性を年平均+4.0%以上伸ばす計画が必要で、賃上げ目標が未達だと達成率に応じた返還が発生し得ます。補助金は「もらって終わり」ではなく、数年間の経営目標とセットの制度だという前提で選んでください。

対象外になりやすい5つの境界線

マシンガイダンス導入で申請を検討するとき、つまずきやすいポイントを整理します。

  1. 汎用設備の単体導入:前述のとおり、中小企業省力化投資補助金(一般型)では対象外です。機器構成の組み合わせや、自社環境に合わせた構成の変化を説明できるかが分かれ目になります。
  2. 「新製品・新サービスの開発」がない:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠は、新製品・新サービスの開発を伴う設備投資を含む場合に限られます。新製品・新サービスの開発を伴わない単なる導入は対象外とされています。既存工程の生産プロセス改善もこの枠では対象外です。施工の効率化そのものが目的であれば、省力化投資補助金側で考えるほうが筋が通ります。
  3. 車両・汎用品の扱い:小規模事業者持続化補助金では自動車・フォークリフト等の車両は原則として対象外です。革新的新製品・サービス枠でも、汎用パソコンや車両の単なる購入は対象外とされています。建機ごと購入する計画は、この線引きに触れないか事前の確認が要ります。
  4. 交付決定前の発注・契約・購入:いずれの制度も、交付決定前に発注・契約・支払をした経費は対象になりません。採択通知が届いた時点ではまだ動けない点も見落としやすいところです。工事の受注が決まってから慌てて機器を手配すると、この順序を守れずに対象外になってしまいます。
  5. 申請者側の要件:省力化投資補助金(一般型)では、みなし大企業に該当する、直近3年の課税所得年平均が15億円超、従業員0名、外部任せで主体性がないといったケースが対象外になりやすいとされています。事業計画は申請者自身が作成することが前提で、外部への丸投げは不採択や取消の対象です。

スケジュールの押さえどころ

設備の納期と公募のスケジュールは、意外なほどかみ合いません。執筆時点で公表されている主なスケジュールは次のとおりです。

  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠(第1回):公募開始2026年6月29日、申請受付2026年8月31日から、締切2026年9月30日18:00、採択発表2026年12月頃。補助事業の実施期間は交付決定日から10か月以内(ただし採択発表日から12か月以内)です。
  • 小規模事業者持続化補助金(第20回):申請受付開始2026年11月5日、事業支援計画書(様式4)の発行受付締切2026年12月4日、申請受付締切2026年12月15日17:00、採択発表は2027年3月頃の予定です。様式4は締切以降の発行依頼が理由を問わず受け付けられないため、商工会・商工会議所の窓口には余裕をもって相談してください。

電子申請にはGビズIDプライムのアカウントが必要です。取得には時間がかかるため、制度を絞り込む段階と並行して手続きを始めておくと安全です。

よくある質問

マシンガイダンスをレンタルで使う場合も補助対象になりますか

制度によって扱いが異なります。小規模事業者持続化補助金には機器・設備のリース・レンタル料を計上できる借料の区分がありますが、中小企業省力化投資補助金(一般型)は機械装置・システム構築費が必須の主軸で、設備投資を伴うことが前提です。レンタル中心の計画は制度選びの段階から見直しが必要になる場合があるため、見積を取る前に対象経費区分をご確認ください。

ほかの公的支援と併用できますか

国が助成するほかの制度を利用している事業と重複する経費は補助対象外になるのが基本的な考え方です。小規模事業者持続化補助金の公募要領にも同様の定めがあり、革新的新製品・サービス枠でも国・公的制度との二重受給は対象外とされています。同じ経費を複数の制度に計上することはできませんので、支援制度が複数ある場合は経費の切り分けを整理してから申請してください。

3D設計データを作るソフトだけ導入したい場合は

ソフト・クラウドが主役の投資であれば、デジタル化・AI導入補助金(旧ITツール導入補助金)が候補になります。通常枠の補助上限は450万円で、事務局に登録されたITツールを、登録されたIT導入支援事業者の支援を受けて導入することが前提です。機器と一体で省力化を進めたいのか、ソフトだけを先に整えたいのかで、選ぶ制度が変わります。

補助金を受け取ったときの経理・税務はどうなりますか

補助金の入金は、事業の内容や会計処理によって課税関係が変わることがあります。処理を誤ると、思っていたより手元に残らないという事態にもなりかねません。個別の処理方法については税理士にご相談ください。

まとめ

マシンガイダンス導入で使える補助金を考えるときは、次の順番で確認すると迷いにくくなります。

  • 後付けキットか建機ごと購入かで、対象になる経費の範囲が変わる
  • 中小企業省力化投資補助金(一般型)は、汎用設備の単体導入では対象外。機器構成の組み合わせと省力化効果を計画で示す
  • 補助上限は「最大◯◯万円」ではなく従業員規模で決まり、補助率と上限のどちらが先に効くかで自己負担が変わる
  • 賃上げ・労働生産性の目標は数年間続く。未達時の返還まで含めて制度を選ぶ
  • 交付決定前の発注は対象外。工期と公募スケジュールを先に突き合わせる

制度の要件は公募回ごとに見直されます。この記事の数字は執筆時点のものですので、実際の申請にあたっては最新の公募要領を確認しながら、自社の投資内容がどの制度の考え方に合うかを整理していきましょう。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

中野裕哲紹介画像

この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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