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コラム

飲食店向け補助金の活用方法と申請ポイント

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飲食店が使える補助金とは?省人化・新メニュー開発・設備導入の考え方

飲食店の経営は、人手不足、原材料高、最低賃金引き上げ、客単価の上げにくさなど、利益を圧迫する要因が重なっています。この状況を打開する一手が、省人化投資、新メニュー開発、設備投資です。これらを補助金で一部回収できれば、投資の意思決定がしやすくなります。

本記事では、飲食店が使える主要な補助金と、省人化・新メニュー開発・設備導入それぞれの活用ポイントを整理します。

※本記事は2026年5月時点の情報です。最新の公募要領は必ず各補助金の公式サイトで確認してください。

飲食店が使える主な補助金

中小企業省力化投資補助金

人手不足に悩む中小企業の省力化投資を支援する制度で、飲食店との相性が非常に良い補助金です。

  • カタログ注文型:登録済みの製品(配膳ロボット、券売機、セルフレジ、自動洗浄機など)から選んで申請
  • 一般型:オーダーメイドの省力化設備導入(補助上限最大1億円)
  • 補助率:最大2/3

配膳ロボット、券売機、セルフオーダーシステム、自動洗浄機、自動釣銭機など、飲食店の省人化ニーズに直結する製品が多数登録されています。

小規模事業者持続化補助金

小規模な飲食店(5人以下)が販路開拓・新メニュー開発に活用できる補助金です。

  • 補助率:原則2/3
  • 補助上限:通常50万円、特別枠で200万円前後
  • 対象例:新メニュー試作、看板リニューアル、ホームページ、テイクアウト・デリバリー対応の備品、SNS広告

新規顧客獲得、客単価アップ、新サービス(モーニング営業、ランチ営業追加、テイクアウト導入など)の取り組みに使いやすい補助金です。

新事業進出・ものづくり補助金

2026年度より「ものづくり補助金」と「中小企業新事業進出補助金」が統合された制度です。飲食店では、新業態への進出(カフェ→ベーカリーカフェ、居酒屋→ダイニングバーなど)や、規模感のある設備投資で活用されます。

  • 補助率:1/2〜2/3
  • 特徴:革新性のある新サービス、新業態展開向き

デジタル化・AI導入補助金

POSレジ、予約管理、顧客管理、デリバリー連携、シフト管理など、飲食店業務のIT化を支援する補助金です。

  • 補助率:1/2〜3/4
  • 対象例:POSレジ、モバイルオーダー、予約システム、シフト管理ツール、会計連動システム

事業承継・引継ぎ補助金

第三者承継、親族承継、M&Aに伴う設備更新、専門家活用を支援します。後継者問題で承継した飲食店をリニューアルする際に活用できます。

地方自治体・業界団体の独自支援

自治体や飲食業界団体が独自に設けている支援制度(地域商店街振興、観光振興、感染症対策など)が存在することがあります。

省人化投資のポイント

1. 省力化投資補助金のカタログ型が手早い

配膳ロボット、券売機、セルフレジなど「定番の省人化ツール」を入れたい場合は、省力化投資補助金のカタログ型が最も手早く進められます。事業計画書の作成負担も比較的軽くなっています。

2. 省人化効果を数字で示す

「ホール人員2名→1名で運営可能、年間Z円の人件費削減」「ピーク時の客対応スピードがY%向上、回転率がP回→Q回に改善」など、具体的な人時生産性の向上を数字で示します。

3. 賃上げ計画とセットで設計

省力化投資補助金は賃上げ要件があります。省人化で生まれた余剰を、残ったスタッフの賃上げ・労働環境改善に還元する計画を事業計画に書き込みます。

4. 「単なる楽になる」ではなく「事業として何が変わるか」を書く

省人化の目的は、楽することではなく、空いた人員リソースを高付加価値業務(接客、新メニュー開発、SNS発信など)に振り向けることです。事業計画にはこの「振り向け先」を明示します。

新メニュー開発のポイント

1. 小規模事業者持続化補助金との相性が良い

新メニュー開発は「販路開拓・売上拡大」の文脈で、小規模事業者持続化補助金の対象になりやすい取り組みです。試作にかかる材料費、メニュー表のデザイン、SNS告知の広告費などをまとめて申請できます。

2. ターゲット顧客と訴求を明確化

「健康志向の40代女性向け」「インバウンド観光客向け」「夜の家族層向け」など、ターゲットを絞った新メニューほど計画書に書きやすくなります。誰のどんなニーズに応える新メニューなのかを明確にします。

3. 単発企画ではなく、定番化までの計画を書く

「一度試して終わり」では補助金の趣旨に合いません。新メニューを定番として定着させるための販売目標、リピート促進策、メニュー改良のサイクルまで計画書に含めます。

4. 食材の地域連携・地産地消を盛り込むと加点になることがある

地元食材の活用、地域生産者との連携などは、自治体補助金や政策的な加点項目として評価されることがあります。

設備導入のポイント

1. 設備の革新性・新サービスとセットで申請

新事業進出・ものづくり補助金では「単なる設備更新」では採択が難しい傾向です。新業態への展開、新サービスの提供と組み合わせて、革新性を語れる事業計画にします。

例:石窯導入で本格ピザ提供開始、燻製機導入で燻製専門メニュー追加、テイクアウト用真空包装機で物販事業を開始など。

2. 厨房機器の対象範囲を確認

オーブン、フライヤー、製麺機、製パン機、製氷機、業務用冷蔵庫など、厨房機器の多くは補助金の対象になり得ます。ただし汎用品(家庭用機器の流用など)は対象外です。

3. 内装工事の扱いに注意

機器導入に直接必要な工事(電源工事、給排水工事、ガス工事など)は対象になりやすい一方、店舗全体のリニューアルや一般的な改装は対象外になることがあります。見積書を機器据付に直接必要な工事/一般改装に分けてもらいます。

4. 採択前の発注はNG

機器の納期が長くても、交付決定通知前に契約・発注したものは対象外になります。メーカーや内装業者と「採択された場合に正式契約」の覚書で進めます。

飲食店が補助金申請でつまずきやすいポイント

1. 売上規模・利益率が分かりにくい

飲食店は変動費の比率が高く、月次の売上・利益にばらつきがあります。直近12か月の売上、原価率、人件費率、賃料率を整理しておくと、申請書の数字に説得力が出ます。

2. 営業許可・食品衛生責任者の確認

申請時に保健所の営業許可証、食品衛生責任者の選任証明などが求められる場合があります。

3. 多店舗展開・FC加盟店の扱い

複数店舗を運営する場合、申請対象が「全社」か「個別店舗」かを確認します。フランチャイズ加盟店は本部との関係性が確認されることがあります。

4. 「後払い」の資金繰り設計

設備代金は一旦自己資金または融資で支払い、補助金は事業終了後の入金です。設備投資額が大きい場合、つなぎ融資の設計が重要になります。

よくある質問

Q. 飲食店専用の補助金はありますか?

A. 国の主要補助金で「飲食店専用」のものは基本的にありません。中小企業向けの一般的な補助金を飲食店が活用するのが基本です。

Q. 個人経営の小さな飲食店でも補助金は使えますか?

A. 小規模事業者持続化補助金、省力化投資補助金(カタログ型)など、個人経営のお店でも申請しやすい制度があります。

Q. テイクアウト・デリバリー対応に補助金は使えますか?

A. 小規模事業者持続化補助金で、テイクアウト用の備品、デリバリープラットフォーム連携費、専用ホームページ制作などが対象になることがあります。

Q. 配膳ロボットを補助金で導入したいです。可能ですか?

A. 中小企業省力化投資補助金のカタログ型で、複数メーカーの配膳ロボットが登録されています。カタログから選んで申請できます。

まとめ

飲食店が活用できる補助金は次のとおりです。

  • 中小企業省力化投資補助金:配膳ロボット・券売機・セルフレジ等の省人化投資
  • 小規模事業者持続化補助金:新メニュー・販路開拓・小規模投資
  • 新事業進出・ものづくり補助金:新業態進出・規模感のある設備投資
  • デジタル化・AI導入補助金:POSレジ・予約管理・モバイルオーダー
  • 事業承継・引継ぎ補助金:承継・経営革新

省人化、新メニュー開発、設備導入のそれぞれの目的に合わせて適切な制度を選び、事業計画と数字を準備すれば、補助金は飲食店経営の強力な支えになります。

【無料相談のご案内】

弊社では、元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが補助金支援を行っております。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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