
成長加速化補助金の3次公募はいつか|公募スケジュールと申請準備の進め方
「中小企業成長加速化補助金の3次公募はいつ始まるのか」「次回まで時間があるなら、何を準備しておけばいいのか」。第1回・第2回の採択結果が出るタイミングで、こうした相談が一気に増えます。最大5億円という補助上限の大きさと、投資額1億円以上という要件のハードルから、計画立案には半年〜1年単位の時間が必要なためです。
この記事では、現時点で公表されている第1回・第2回の公募実績を踏まえつつ、3次公募の見込み時期、これまでに公表された制度概要、そして3次公募までに整えておくべき準備事項を、補助金支援の現場目線で整理します。なお、補助金制度は公募ごとに要件が変更される可能性があるため、最終的な申請時点では中小機構の公式情報を必ずご確認ください。
中小企業成長加速化補助金とは|まず制度の全体像を押さえる
中小企業成長加速化補助金は、売上高100億円を目指す中小企業の大規模設備投資・拠点新設を支援する制度です。中小企業庁が制度を所管し、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が事務局を担っています。賃上げ・外需獲得・地域経済への波及を狙った投資が主な対象で、いわゆる「100億企業」を全国で増やすことを政策目的としています。
補助上限と補助率(公表内容)
- 補助上限額:最大5億円(税抜)
- 補助率:1/2以内
- 最低投資額:1億円以上(税抜)。建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計で判定
- 対象経費:建物費(拠点新設・増築等)、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費 等
更新投資(生産能力等が向上しない投資)は対象外と明記されています。「老朽化した設備を同等品に置き換える」「車両を新型に切り替える」といった単純更新は、原則として申請対象になりません。
応募要件のポイント
- 「100億宣言ポータルサイト」への事前登録を完了していること
- 5年程度の事業計画を策定し、賃上げ要件を満たしていること
- 日本国内で事業を実施すること
- 投資額が1億円(税抜)以上であること
賃上げ要件は、補助事業完了後3年間の従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、全国における過去5年間の最低賃金の年平均上昇率(4.5%)以上、と公表されています。賃上げ計画は申請段階から事業計画書に織り込む必要があるため、後付けの調整がきかない論点です。
これまでの公募実績|第1回・第2回はいつ実施されたか
3次公募の時期を読むうえで、まずは過去2回のスケジュールを並べて確認しておくと判断しやすくなります。
第1回公募の実績
- 申請締切:2025年6月9日
- 採択発表:2025年9月19日
初回公募ということもあり、申請期間中は事業計画書の書き方や100億宣言ポータル登録の手順に関する問い合わせが集中しました。採択企業は売上高100億円達成までのロードマップを具体的に示した企業が中心で、賃上げ計画の妥当性も評価された印象です。
第2回公募の実績
- 申請受付開始:2026年2月24日
- 申請締切:2026年3月26日
- 採択発表:2026年7月下旬以降(予定として公表)
第2回は受付期間が約1カ月と比較的タイトでした。第1回の不採択者の再申請、第1回を見送って第2回からエントリーする企業など、申請件数が大きく伸びたとの見方が広がっています。
3次公募はいつか|現時点で読み取れる見込み時期
本記事執筆時点で、3次公募の具体的な受付開始日・締切日は公式に公表されていません。ただし、公表されている範囲の情報から、ある程度の時期を読み取ることはできます。
公式が示す方針
中小機構は「原則として令和8年度末までに3回程度、公募を実施する」と表明しています。これに従うと、令和8年度(2026年4月〜2027年3月)の範囲で第2回・第3回の2回が実施されることになります。第2回が2026年2〜3月の受付であったことから、第3回は同年度後半に組み込まれる流れが自然です。
夏以降が一つの目安
これらを総合すると、3次公募は令和8年(2026年)夏以降の開始が一つの目安と見られます。第2回の採択発表が2026年7月下旬以降に公表される予定であるため、その結果を受けた後、秋口〜年内にかけて公募が開始される可能性が高いと考えられます。あくまで目安であり、政策動向や予算執行状況によって前後する点はご承知おきください。
採択企業数の規模感
公表されている方針では、本補助金全体での採択企業数は全国で約600社が予定されています。1回あたりに換算すると約200社規模となり、応募数によっては競争率が高まる可能性があります。第3回まで残された採択枠を取りに行く意味でも、「公募開始を待ってから準備する」では間に合いません。
3次公募までに準備すべき5つのこと
3次公募の発表を待ってから動き出すと、事業計画書の精度が間に合わないケースが目立ちます。第1回・第2回の支援現場でよくあった「もう少し早く着手していれば」を踏まえ、3次公募までに整えたい5つの準備を整理します。
1. 100億宣言ポータルの登録
応募要件のひとつである「100億宣言ポータルサイトへの事前登録」は、公募開始後に慌てて登録するものではなく、社内で売上100億円達成のビジョンを共有したうえで先行登録しておくべき項目です。登録には経営方針の文言整理が必要で、社内合意に数週間〜1カ月かかる企業もあります。
2. 賃上げ計画の精緻化
補助事業完了後3年間で、従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率4.5%以上という賃上げ要件は、申請後に変更がきかない論点です。現在の給与水準と、3年間の人員計画・売上計画から逆算した賃上げシミュレーションを早めに作成しておきます。原資の根拠(売上計画・利益計画との接続)も併せて整理しておくと、審査時の説得力が増します。
3. 投資計画と相見積もりの取得
最低投資額1億円という制度設計上、設備・建物・ソフトウェアの内訳と金額根拠が重要になります。機械装置やシステムの仕様、複数社からの相見積もり、建物費の概算図面など、申請時に求められる書類群は社外のベンダー対応が伴うため、リードタイムが長くなりがちです。3次公募の受付開始日を待たず、見積もり依頼は着手しておきたい工程です。
4. 自己資金・つなぎ融資の準備
本補助金は補助率1/2、補助金は原則後払いです。1億円の投資なら、最低5,000万円の自己資金もしくは融資による事前資金調達が必要になります。設備購入や建物工事は補助金が振り込まれる前に支払いが発生するため、自己資金が手厚くない場合は金融機関とのつなぎ融資の相談を並行で進める必要があります。
5. 専門家との早期接点づくり
事業計画書の論理構成、賃上げ要件の整理、対象経費の妥当性は、初回申請で最もつまずきやすい論点です。公募要領の解釈にはローカルルール的な勘所もあるため、補助金支援の実務経験がある専門家との接点を、3次公募の公表前に持っておくのが安全です。第2回の不採択理由を踏まえた打ち手の整理も、専門家と進めると効率的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 3次公募はいつから申請できますか?
本記事執筆時点で正式日程は未公表です。ただし、令和8年度末までに3回程度の公募実施という方針と、第2回が2026年2〜3月の受付であった経緯から、令和8年(2026年)夏以降の開始が一つの目安と見られます。最新スケジュールは中小機構の公募スケジュールページでご確認ください。
Q2. 第1回・第2回に不採択だった企業は再申請できますか?
制度上、再申請は可能と整理されています。ただし、不採択理由を踏まえた事業計画書の修正、賃上げ計画の補強、投資額・対象経費の見直しなど、申請内容のアップデートが必要です。同じ計画書をそのまま再提出しても採択率は上がらないため、不採択時の評価コメントをベースにした改善が前提になります。
Q3. 投資額が1億円に満たない場合はどうすればよいですか?
本補助金は投資額1億円以上が要件のため、それ未満の投資は対象外です。投資額が数千万円規模の場合は、新事業進出・ものづくり補助金や省力化補助金など、他の制度の活用を検討するのが現実的です。社内の中長期投資計画と並べて、適合する制度を選び直すアプローチが向いています。
Q4. 賃上げ4.5%の要件はどうやって証明しますか?
申請段階では、5年程度の事業計画書のなかで賃上げ計画を数値で明示します。補助事業完了後は、毎年の賃金支給実績を所定の報告書で提出する形になります。要件未達の場合は補助金の一部返還が求められるリスクがあるため、利益計画と賃上げ原資が連動しているかを事前に検証しておく必要があります。
Q5. 申請から採択発表までどれくらいかかりますか?
第1回は申請締切2025年6月9日に対して採択発表2025年9月19日、第2回は申請締切2026年3月26日に対して採択発表が2026年7月下旬以降と公表されており、おおむね3〜4カ月程度が目安です。投資の実行スケジュールはこの審査期間を見越して逆算しておくと、補助金交付前の工程設計がスムーズになります。
まとめ|3次公募の発表を「待つ」のではなく「準備して迎える」
中小企業成長加速化補助金の3次公募は、本記事執筆時点で正式日程未公表ながら、令和8年(2026年)夏以降の開始が一つの目安と見られます。最大5億円という補助上限の大きさと、賃上げ要件・100億宣言・投資1億円以上といったハードルの高さから、公募開始後に準備を始めても間に合わないケースが多いのが現実です。
3次公募の発表を待つ姿勢ではなく、100億宣言ポータルの登録、賃上げ計画の精緻化、投資計画と相見積もり、自己資金とつなぎ融資の整理、そして専門家との接点づくりを、いまから動かしておくことが採択率を左右します。最新の公募スケジュールは必ず中小機構の公式情報を確認したうえで、自社の準備状況と突き合わせて判断を進めてください。
【無料相談のご案内】
弊社では、元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チーム(行政書士法人V-Spirits)が補助金支援を行っております。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























