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コラム

クラウド電子カルテはIT導入補助金の対象?申請方法と確認ポイント

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クラウド電子カルテはIT導入補助金の対象になるか|確認チェックリストと申請の進め方

「クラウド型の電子カルテを導入したいが、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は使えるのか」——紙カルテからの移行を検討する動物病院からよくいただく質問です。結論としては、対象になる可能性は高いものの、いくつかの条件を満たしているかを事前に確認しておく必要があります。この記事では、対象になるかどうかを自分で確認できるチェックリストと、申請の進め方を整理します。なお補助金の制度内容・上限額は年度ごとに見直されるため、以下は執筆時点の情報として、最新の公募要領もあわせてご確認ください。

チェック1:導入するツールが登録IT導入支援事業者を通じたものか

デジタル化・AI導入補助金は、事務局に登録されたIT導入支援事業者(ベンダー等)の支援を受けて申請することが前提です。すでに使いたいクラウド電子カルテが決まっている場合は、その提供会社(または代理店)が登録支援事業者にあたるか、あるいは登録済みのITツールとして扱われているかを確認するのが最初のステップです。未登録のツールの場合は、対象にならないか、登録済みの別ツールを検討する必要があります。

チェック2:クラウド利用料は複数年分まとめて対象にできる

クラウド型電子カルテは月額課金が基本ですが、デジタル化・AI導入補助金ではクラウドサービスの利用料を最大2年分まとめて対象経費に計上できます。初期費用だけでなく、ランニングコストの負担も補助対象に含められる点は、クラウド電子カルテと相性がよい特徴です。ただし、補助事業専用の利用であることなど、対象経費の細かい要件は公募要領で確認してください。

チェック3:ハード単体の購入だけで完結していないか

電子カルテ用のパソコン・タブレットなどのハードウェアは、枠によっては補助対象になる場合もありますが、「ハードだけを買う」という申請の組み方は原則として想定されていません。あくまでソフトウェア・クラウドサービスの導入が主役で、ハードはそれに付随するものという位置づけです。ハード中心の投資を考えている場合は、中小企業省力化投資補助金など別の制度のほうが向いていることがあります。

チェック4:診療報酬・保険診療との重複を気にしなくてよいか

人間の医療機関では、公的医療保険の診療報酬と重なる事業が補助金の対象外とされることがあり、これが申請のハードルになるケースがあります。動物病院のペット診療は公的医療保険の対象外で実質的に自由診療のため、この「保険診療との重複」という制約は基本的に当てはまりません。ただし対象外にならないことと無条件で採択されることは別問題で、対象経費・従業員数要件・賃上げ要件は個別に満たす必要があります。

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申請の進め方(チェックリスト)

  • ① 導入したいクラウド電子カルテが登録支援事業者・登録ツールに該当するか、提供会社に確認する
  • ② 対象経費(ソフトウェア購入費・クラウド利用料・導入関連費)の見積を取得する
  • ③ 通常枠・複数者連携枠など、自院の状況に合う枠を選び、公募要領で補助率・上限額を確認する
  • ④ 事業計画(何を効率化し、どんな効果を見込むか)を登録支援事業者と一緒にまとめる
  • ⑤ 電子申請システムで申請し、交付決定の通知を待つ
  • ⑥ 交付決定後に契約・導入し、実績報告を行う

申請でつまずきやすい注意点

  • 交付決定前の契約・発注は対象外:「早く紙カルテから卒業したい」という気持ちから、交付決定前に契約してしまう失敗が起きがちです。スケジュールに余裕を持って進めましょう。
  • 効果を数字で説明できていない:「紙カルテがなくなって便利になる」だけでなく、転記作業の削減時間や、待ち時間短縮の見込みなど、具体的な効果を数字で示すと申請の説得力が増します。
  • 公募スケジュールの見落とし:公募には申請期間が定められており、交付決定までにも一定の時間がかかります。導入したい時期から逆算して早めに準備を始めることが大切です。

まとめ

クラウド電子カルテは、登録IT導入支援事業者を通じて導入するソフトウェア・クラウドサービスであれば、デジタル化・AI導入補助金の対象になる可能性が高い投資です。動物病院は保険診療との重複という制約を気にする必要がない点で有利ですが、対象ツールの確認、複数年分のクラウド利用料の計上、交付決定前発注NGといった実務上の要件は他の事業者と同様に満たす必要があります。自院の導入計画が対象になるか判断に迷う場合は、補助金に詳しい専門家へ早めに相談することをおすすめします。

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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