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コラム

ラーメン店の製麺機導入で使える補助金は?投資額と麺の用途で変わる制度の選び分け

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ラーメン店の製麺機導入で使える補助金は?投資額と麺の出口で変わる制度の選び分け

製麺機の導入で使える補助金|ラーメン店が自家製麺に切り替えるときの対象判定

仕入れ麺から自家製麺に切り替えたい。麺の食感を自分でコントロールしたいし、原価も下げたい。そう考えて製麺機の見積を取ったところで、「これ、補助金は使えないのか」と検索された方が多いのではと思います。

検索して出てくる記事の多くは「厨房設備は補助対象になります」とまとめていますが、実務ではもう少し手前で結論が分かれます。製麺機の導入は、新しい商品を作る投資にも、人手を減らす投資にも、どちらにも寄せられる一方で、どちらにも寄せきれないまま申請して外れることがあるためです。しかも投資額によっては、そもそも申請の入口に立てない制度があります。

この記事では、2026年度の制度をもとに、ラーメン店が製麺機を導入するときの補助金の対象判定を、よくいただく質問の形で整理します。数字・要件は執筆時点(2026年8月)の公募要領に基づくもので、申請時には必ず最新の公式情報をご確認ください。

Q1. そもそもラーメン店の製麺機は補助金の対象になりますか

対象になる可能性はあります。ただし「厨房設備だから対象」という理屈ではありません。制度ごとに「何のための投資か」という入口が決まっていて、製麺機がどの入口に収まるかで結論が変わります。

2026年度に飲食店が候補にできる主な制度は、次の4つです。

  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠
  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新事業進出枠
  • 中小企業省力化投資補助金(一般型)
  • 小規模事業者持続化補助金

ここで一点、検索結果の読み方に注意が要ります。ラーメン店の製麺機と補助金を扱った記事には、数年前に書かれたまま更新されていないものが混ざっています。また「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」は2026年度(令和8年度)に統合され、公募要領上の正式名称は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」になりました。制度名で検索して出てきた情報は、いつ時点のものかを確認してから読む必要があります。

Q2. 「自家製麺に切り替える」だけでは、なぜ対象になりにくいのですか

自家製麺化は、多くの場合「これまで仕入れていた工程を自社に取り込む」投資です。店側から見れば原価改善であり、大きな判断です。ところが制度側の言葉に翻訳すると、内製化は「新しい製品・サービスの開発」でも「新しい市場への進出」でもないため、そのままでは主要な枠の要件から外れます。

革新的新製品・サービス枠の公募要領では、自社の技術力等を活かして新たな価値を提供する新製品・新サービスを開発する取組が対象とされ、単なる設備・システム導入、既存製品・サービスの生産プロセス改善、同業で既に相当程度普及している開発は対象外と明記されています。麺を自社で打つこと自体はラーメン業界で広く行われているため、「自家製麺にします」だけでは、この3つの対象外条件のいずれかに当たると読まれやすくなります。

新事業進出枠はさらに手前で条件がつきます。この枠は、新たに製造・提供する製品等が申請者にとって新規性を持ち、かつその市場が申請者にとって新たな市場であることが前提です。公募要領では、既存事業と同一市場、既存製品の増産・再製造、単なる製法変更、単なるメニュー追加、単に商圏が違うだけといったものは新事業進出に該当せず対象外とされています。麺の作り方を変えるだけの計画は「単なる製法変更」に近づきます。

ですから、製麺機を軸に申請するなら、「何を新しくするのか」を先に決めることになります。たとえば従来の設備では作れなかった麺線・加水率の商品を新たに開発するのか、店内提供とは別の販売形態を新たに立ち上げるのか。ここが決まらないまま制度だけを探すと、どの枠にも収まらない状態になります。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

Q3. 投資額がいくらなら申請できますか

意外と見落とされるのが補助下限です。上限額ばかりが紹介されますが、実際に入口を決めるのは下限のほうです。

革新的新製品・サービス枠は補助下限100万円、補助上限は従業員規模別で、1〜5人750万円、6〜20人1,000万円、21〜50人1,500万円、51人以上2,500万円です(大幅賃上げ特例を適用した場合は各850万円、1,250万円、2,500万円、最大3,500万円)。よく見かける「3,500万円」は最大規模かつ特例適用時の最大値であって、無条件の上限ではありません。補助率は中小企業者が2分の1、小規模企業・小規模事業者・再生事業者は3分の2です。機械装置・システム構築費は単価10万円(税抜)以上が要件になります。

新事業進出枠は補助下限750万円です。補助率2分の1で計算すると、補助対象経費で1,500万円規模の投資が必要になります。製麺機本体と付帯工事だけでこの規模に届く店舗は多くありません。逆に、加工場を別に構えて設備一式を入れるような計画であれば射程に入ります。なお建物費が対象経費になるのは、3つの枠のうち新事業進出枠だけです(建物の単なる購入・賃貸は対象外)。

小規模事業者持続化補助金は補助率3分の2、補助上限は基本50万円です。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円がそれぞれ上乗せされ、両方の要件を満たす場合に最大250万円になります。数十万円から百数十万円の製麺機であれば、規模としてはこの制度が近くなります。

中小企業省力化投資補助金(一般型)は補助上限1億円で、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れることが要件です。ただし金額の条件を満たすだけでは足りません(詳しくはQ4)。

Q4. 省力化投資補助金で製麺機を買えますか

「人手が足りないから機械を入れる」という文脈では、この制度がいちばん自然に見えます。実際、製麺は仕込みの時間を大きく取る工程なので、省力化の題材としては筋が通ります。

ただし一般型にはオーダーメイド性という判定基準があります。対象になるのは、ICT・IoT・AI・ロボット等を活用した専用設備等、つまりオーダーメイド性のある設備です。汎用設備であっても、省力化に資する汎用設備を複数組み合わせてより高い省力化効果や付加価値を生み出す場合、あるいは導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合には、オーダーメイド設備とみなされて対象になります。

裏を返すと、単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外です。カタログに載っている製麺機を1台選んで発注する、という形だけでは、単価50万円以上という要件を満たしていても入口に届きません。麺帯の圧延から切刃、計量、茹で工程までを一連の構成として組み替える、店舗ごとの厨房レイアウトに合わせて機器構成が変わる、といった形で計画を組み立てる必要があります。

加えて一般型では、3〜5年の事業計画で労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画が求められ、賃上げ目標が未達の場合は達成率に応じて返還が発生しうる設計になっています。従業員0名の事業者は対象外です。制度を選ぶ段階で、この要件を数年間背負えるかまで見ておくことになります。

Q5. 小規模事業者持続化補助金は使えますか

投資規模の面では現実的な選択肢です。ただし「小規模事業者」の線引きが業種で違います。飲食店は商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)に当たり、常時使用する従業員5人以下が対象です。ここで会社役員・個人事業主本人・同居の親族従業員・日雇い等はカウントしません。アルバイトの人数だけを見て「うちは無理だ」と判断してしまう前に、数え方を確認する価値があります。

手続き面では、GビズIDプライムのアカウントを事前に取得しておくこと、商工会・商工会議所の支援を受けて事業支援計画書(様式4)の発行を受けることが前提になります。第20回公募の日程は、申請受付開始が2026年11月5日、様式4の発行受付締切が2026年12月4日、申請受付締切が2026年12月15日17時です。様式4は受付締切以降の発行依頼がいかなる理由でも受け付けられませんので、窓口への相談は締切から逆算して動くことになります。

経費面では、単価50万円(税抜)超の機械装置等や50万円(税込)超の発注には2者以上の相見積が必要です。自動車・フォークリフト・キッチンカー等の車両は原則対象外、建物の増築・増床や不動産の取得扱いになる工事も対象外になりやすい点は、加工スペースを広げる計画のときに効いてきます。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

補助金は、設備の値段に対して何割かがその場で引かれる仕組みだと受け取られることがあります。事務局で申請書を見ていた立場から申し上げると、実際は交付決定の前に発注できない一方で、支払いは自社が先に済ませ、事業が終わってから実績報告を経て精算する流れです。制度を選ぶときは、対象になるかどうかと同じ熱量で、支払いが先に立つ期間をどう持ちこたえるかも見ておくと安心です。

Q6. 打った麺を店の外に出す計画にすると、何が変わりますか

ここが、製麺機の投資が他の厨房設備と決定的に違うところです。同じ機械を入れても、麺の行き先が店内だけか、店の外に出るかで、補助金側の見え方も、必要な手続きも変わります。

まず補助金側です。麺を他店に卸す、店頭で生麺として販売する、通信販売に載せるといった計画は、既存のラーメン提供とは別の顧客・別の売り方になります。Q2で触れた「単なるメニュー追加」「単なる製法変更」から離れやすくなり、新事業進出枠や革新的新製品・サービス枠で組み立てる余地が出てきます。投資額も加工スペースや包装設備を含めて大きくなるため、補助下限750万円という新事業進出枠の入口にも近づきます。

一方で、手続きが増えます。店内で製造した麺を自店で提供するだけであれば、飲食店営業許可の範囲で足ります。しかし製造した麺を販売・卸で外に出す場合は、食品衛生法上のめん類製造業の許可が別途必要になり、製造施設や設備について定められた基準を満たす必要が出てきます。冷凍した麺を販売する形態では、また別の許可区分の検討が必要になることもあります。

つまり、補助金の申請書に「販売も行う」と一行書いた時点で、施設要件と許可取得のスケジュールが計画に組み込まれることになります。どの区分に当たるか、どんな設備基準が求められるかは、店舗の構造や販売方法によって判断が分かれるところですので、計画を固める前に管轄の保健所と、許認可に詳しい行政書士に相談されることをおすすめできる場面です。

Q7. 申請前に確認しておくことはありますか

制度を問わず共通する落とし穴を挙げておきます。

  • 交付決定前の発注・契約・購入は対象外です。採択の通知が来ただけでは事業を開始できません。メーカーの納期が長い機種ほど、この順序を崩しやすくなります
  • 事業計画は申請者自身が作成します。外部への丸投げは不採択・取消の対象とされています
  • 国・公的制度との二重受給は対象外です。同じ経費を複数の制度に計上することはできません
  • 新事業進出枠は、新規設立・創業後1年に満たない事業者は対象外です(最低1期分の決算書が必要)。開業してすぐの店舗ではこの枠を使えません
  • 公募スケジュールを先に押さえます。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募は2026年6月29日開始、申請締切が2026年9月30日18時、採択発表は2026年12月頃の予定です。電子申請にはGビズIDプライムが必要です

まとめ

ラーメン店の製麺機導入は、「厨房設備だから補助金が使える」という単純な話ではなく、次の3点で結論が分かれます。

  • 投資の目的をどう定義するか:自家製麺への切り替えそのものは内製化・原価改善であり、新製品開発にも新市場進出にも当たりません。何を新しくするのかを先に決めます
  • 投資額がどの入口に届くか:新事業進出枠は補助下限750万円、革新的新製品・サービス枠は100万円。省力化投資補助金(一般型)は単価50万円以上に加えてオーダーメイド性が要ります。数十万円規模なら小規模事業者持続化補助金が現実的です
  • 麺を店の外に出すかどうか:出す計画にすると補助金の枠は広がる一方、めん類製造業の許可と施設基準がスケジュールに乗ってきます

制度の要件は公募回ごとに見直されます。本記事の数字は2026年8月時点の公募要領に基づくものですので、実際に申請される際は最新の公募要領と、機種ごとの見積内訳を突き合わせたうえでご判断ください。どの枠で組み立てるべきか迷われる場合は、投資の中身と店舗の規模を前提に、専門家と一緒に整理されることをお勧めできる領域です。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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