
「急がば回れ」|起業準備の近道は、基本を固めることにある
起業を考えると、「少しでも早く始めたい」という気持ちから、近道を探したくなるものです。手続きを省略したり、準備を急いで済ませたりしたくなる場面もあるかもしれません。しかし、古くから伝わることわざ「急がば回れ」は、焦って近道を選ぶよりも、遠回りに見える手堅い方法のほうが、結局は早く確実に目的地に着けるという教えだとされています。今回は、この言葉から、起業準備における本当の近道について考えていきます。
「急がば回れ」とは、どういう意味か
「急がば回れ」は、急いでいるときほど、危険な近道ではなく、安全で確実な道を選んだほうが、結果的に早く着くという意味のことわざです。この言葉は、鎌倉時代の歌人・宗長の和歌が由来の一つとされています。危険な近道で足止めを食らうよりも、少し遠回りでも安定した道を進むほうが、最終的には得になるという考え方です。
起業準備における「近道」とは何か
起業準備の場面で言う「近道」とは、お金の準備や知識、人脈といった基本的な土台を整えずに、いきなり開業に進んでしまうことを指します。基本を固める作業は地味で、時間がかかるため、省略したくなる気持ちはよく分かります。しかし、基本が整っていない状態で開業に進んでしまうと、後から思わぬところでつまずき、結局はより多くの時間とお金を失うことになりかねません。
急いで省略した基本が、後から響いてくる
例えば、資金の準備を十分にせずに開業してしまうと、開業直後に資金が足りなくなり、本来やりたかった事業に集中できなくなります。知識の準備を省略すれば、必要な手続きに後から気づいて慌てることになりますし、人脈を作らずに進めば、困ったときに相談できる相手がいないまま、一人で悩み続けることになります。急いで省略した基本は、形を変えて後から必ず響いてきます。
遠回りに見える準備こそ、実は近道
お金の管理方法を学ぶこと、必要な知識を一つずつ身につけること、相談できる人とのつながりをつくっておくこと。これらは、今すぐ事業が始まるわけではないので、遠回りに感じられるかもしれません。しかし、こうした基本を固めておくことで、開業後に起きるトラブルを未然に防ぎ、結果として事業をスムーズに進められるようになります。遠回りに見える準備こそ、実は一番の近道なのです。
自分の「近道願望」に気づく
起業準備の中で、「ここは省略してもいいだろう」と感じる場面があったら、一度立ち止まってみましょう。その省略が、本当に問題のない省略なのか、それとも後から響いてくる危険な近道なのかを、冷静に考えてみることが大切です。焦りが強いときほど、こうした振り返りを意識的に行う価値があります。
基本を固める順番を、決めておく
基本を固めると言っても、お金・知識・人脈のすべてを同時に完璧にする必要はありません。今の自分にとって、どの基本が一番手薄なのかを考え、優先順位をつけて一つずつ固めていく進め方で十分です。順番を決めておくことで、何から手をつければいいか迷わずに、着実に準備を進めていくことができます。
遠回りの途中で、焦りが出てきたら
基本を固める準備を進めている最中にも、「このままで本当にいいのだろうか」「もっと早く進めている人もいるのに」といった焦りが出てくることがあります。そうした焦りが出てきたときは、急がば回れの教えを思い出し、今自分が固めている基本こそが、将来の自分を助けてくれるものだと、あらためて考え直してみましょう。焦りそのものをなくすことは難しくても、焦りに振り回されて近道を選んでしまうことを防ぐことはできます。
先輩起業家の遠回りにも、目を向けてみる
すでに事業を続けている先輩起業家の話を聞くと、順調に見える人ほど、実は開業前にしっかりと基本を固める時間を取っていたという話に出会うことがあります。周りからは近道を進んでいるように見える人も、実際には遠回りに見える基本固めの時間を、きちんと経ていることが多いものです。先輩の経験に目を向けることは、自分の遠回りに自信を持つきっかけにもなります。

💬 執筆者の坂井から一言
相談の場でも、早く始めたい気持ちから基本を飛ばしてしまう方は多いですが、順番を一緒に整理した方のほうが、結果として開業後の悩みがぐっと少なくなっているという印象を、相談のたびごとに強く持ち続けています。
よくある質問
Q. 基本を固める期間は、どれくらいが目安ですか
A. 事業の内容や個人の状況によって異なるため、一律の目安はありません。自分にとって手薄な基本を洗い出し、優先順位をつけて進めることが大切です。
Q. 急いで開業しても問題ない場合はありますか
A. 基本的な準備がすでに整っている場合は、急いでも問題が起きにくいでしょう。大切なのは速さそのものではなく、基本が固まっているかどうかです。
まとめ:今日からできること
今日は、自分の起業準備の中で「ここは省略している」と感じる基本を一つ思い浮かべ、それを固めるための小さな一歩を考えてみてください。「急がば回れ」という言葉のとおり、基本を固めることこそが、確実な近道になります。
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弊社は、V-Spiritsグループ代表の中野裕哲を中心に、中小企業診断士・元補助金審査員の三浦をはじめとした専門家チームが、業種を問わない幅広い起業・新規事業のご相談に対応しております。何から始めればいいかわからないという段階でも、適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひ一度ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
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中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
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- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
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