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コラム

飲食店のリピーター対策に補助金は使える?既存客向け施策が対象になる条件と2制度の使い分け

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飲食店の常連づくり投資と補助金|販路開拓と業務効率化のどちらで出すか

来店してくれたお客さまにもう一度足を運んでもらうための投資に、補助金を充てられないか。個人経営の飲食店からよくいただくご相談です。ところが制度の一覧を眺めても「リピーター対策」という項目は見つかりません。実際には、同じ取り組みでも申請の名目の置き方で乗る制度が変わり、経費の区分によっては申請そのものが組み立てられないこともあります。ここでは、既存のお客さま向けの投資が制度の入口に立てるかどうかを、6つの質問に分けて整理します。数字や日程は2026年8月時点の公募情報にもとづくもので、申請前には公式の公募要領をご確認ください。

Q1. 「リピーター対策の補助金」という制度はありますか

制度側に、その名前の区分はありません。国の補助金は投資の目的と規模で分かれていて、「常連客を増やす」という経営上の狙いで分類されてはいないためです。したがって、探し方は制度名からではなく、自店がこれから支払う費用がどの目的に当てはまるかから入ることになります。

飲食店の常連づくりで実際に候補になるのは2つです。ひとつは販路開拓の取り組みを支える小規模事業者持続化補助金、もうひとつは既製のソフトやクラウドを導入して業務を効率化するデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)です。同じ「もう一度来てもらう仕組み」でも、案内を届ける取り組みなのか、来店履歴を扱う仕組みを入れる取り組みなのかで、乗る制度が分かれます。

Q2. 既存のお客さま向けの取り組みは「販路開拓」に当たりますか

小規模事業者持続化補助金は、自社で作った経営計画にもとづく販路開拓と、それとセットで行う業務効率化を支援する制度です。この販路開拓には、新しい客層を取りにいく取り組みだけでなく、売り方の工夫や、新規客層の獲得に向けた改良・開発も含まれます。既存客向けだからという理由だけで外れるわけではありません。

一方で、公募要領は「販路開拓」が主題であることを求めており、通常の営業活動の扱いになると対象から外れやすくなります。毎月出しているチラシを今月も出す、という説明では、日常の営業と区別がつきません。同じ費用でも、これまで取りこぼしていた層に届ける新しい売り方として設計し、事業終了後に売上高や売上総利益の増加が見込めることまで書けているかどうかが分かれ目になります。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

補助金には上限だけでなく下限のある枠もあります。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、革新的新製品・サービス枠で100万円、新事業進出枠で750万円が補助の下限です。常連づくりの投資は数十万円で収まることが多いので、金額の大きい枠を探しにいくと、対象かどうか以前に土俵へ上がれません。投資額の見当がついた時点で候補は絞れます。

Q3. チラシや広告の費用だけで申請できますか

それはできない形です。第20回公募では経費区分ごとの上限が明確になっており、広報費は補助金交付申請額のうち30万円(税込)が上限で、広報費のみの申請は認められていません。ウェブサイト関連費も同じく上限30万円(税込)で、ウェブ関連費のみの申請は不可とされています。

補助率と上限額も先に押さえておくと計画が組みやすくなります。補助率は3分の2で、賃金引上げ特例のうち赤字事業者は4分の3です。補助上限は基本の50万円に対し、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされ、両方の要件を満たすと最大250万円になります。ただし上乗せ部分だけでなく、通常枠や特例の要件を1つでも満たさない場合は全体が交付の対象外になる設計です。単価50万円(税抜)を超える機械装置等や、50万円(税込)を超える発注では、2者以上の相見積を求められます。

常連づくりの打ち手は、案内はがきの発送、店内の掲示物、予約ページの改修といった具合に、この2つの区分へ集まりがちです。両方を足しても補助金額で60万円が天井になり、しかもどちらか単独では申請が成立しません。そのため、店内で使う備品や設備を扱う機械装置等費、包装や試作を扱う新商品開発費、外部に頼む作業を扱う委託・外注費など、別の区分の取り組みと組み合わせて計画を作ることになります。順番としては、やりたいことを並べてから区分に振り分けるのではなく、区分の天井を見ながら投資の中身を決めるほうが早く固まります。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

Q4. ポイントアプリや顧客管理の仕組みはどちらの制度ですか

来店履歴や会員情報を扱うソフト・クラウドを入れる話であれば、デジタル化・AI導入補助金が本筋です。この制度は、事務局に登録されたソフトやクラウドを、登録された支援事業者の助けを受けながら導入する設計になっています。補助上限は通常枠で450万円、インボイス枠で350万円、複数の事業者が連携して共通の基盤を入れる枠で3,000万円です。クラウドの利用料は最大2年分まで対象となり、設定・研修・マニュアル作成・保守サポートといった導入関連費も見てもらえます。

気をつけたいのは、端末そのものの扱いです。タブレットやパソコンを単体で買う費用は対象になりません。インボイス対応の類型など、対象のソフトとセットになる場合に一部が対象となる形で、類型ごとに上限が設けられています。「まず端末をそろえてから考える」という進め方は、制度の側から見ると主役が逆になっています。

Q5. うちは「小規模事業者」に当たりますか

持続化補助金の対象になる範囲は、業種ごとに常時使用する従業員数で決まっています。飲食店は商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)に入るため、常時使用する従業員が5人以下が目安です。宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下となっており、同じ飲食でも宿泊を伴う業態かどうかで線が変わります。会社役員、個人事業主本人、同居の親族従業員、日雇いの方はこの人数に数えません。

手続き面では、電子申請のみで郵送は受け付けておらず、電子申請用の事業者向けアカウントを事前に取得しておく必要があります。加えて、商工会・商工会議所の支援を受けて進める設計になっており、事業支援計画書(様式4)の発行を受けることが前提です。創業型との重複申請はできません。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

制度を選ぶ前に、発注をいつ出すかを先に決めておくと迷いが減ります。交付決定の前に交わした契約や発注は対象外という扱いが基本で、採択の連絡が来た段階でもまだ動けません。常連づくりの施策は業者さんの提案から入ることが多く、話が進むうちに先に発注してしまう形になりがちです。制度ごとに条件が違うので、見積を取る段階で申請先に確認しておくと安心です。

Q6. いつまでに何を動かせばよいですか

第20回公募の日程は公募要領(第7版・2026年5月27日公開)で示されています。申請の受付開始は2026年11月5日、申請の締切は2026年12月15日の17時です。採択の発表は2027年3月頃が予定されています。

逆算するうえで見落としやすいのが、事業支援計画書(様式4)の発行受付が2026年12月4日で締め切られることです。この締切を過ぎると、理由を問わず発行を受けられません。商工会・商工会議所の窓口は同時期に相談が集中しますから、計画の骨子を持って早い時期に相談へ行くほうが動きやすくなります。見積書等の提出期限は2028年2月29日、事業の実施期限は2028年3月31日と、採択後の期間には余裕がある設計です。

まとめ

常連づくりの投資に補助金を使えるかどうかは、「リピーター対策」という言葉のままでは判定できません。案内を届ける取り組みとして販路開拓の枠で出すのか、来店履歴を扱う仕組みの導入として業務効率化の枠で出すのか。この置き方を先に決めてから、経費区分の天井と自店の規模要件、そして日程を確かめる順番になります。制度の運用や日程は年度ごとに変わりますので、公募要領の最新版と申請先での確認をあわせて進めてください。判断に迷う場面があれば、専門家に相談しながら組み立てる方法もあります。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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