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コラム

飲食店の冷凍食品事業に使える補助金3選|新事業進出枠・持続化補助金の選び方

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飲食店の冷凍食品事業進出に使える補助金|制度の選び方と申請前の注意点

店内飲食だけに頼る経営から一歩踏み出し、冷凍食品の製造・通販に乗り出す飲食店が増えています。急速冷凍機の性能向上やEC市場の拡大で、看板メニューを冷凍商品として全国に売る道が現実的になったためです。とはいえ、冷凍設備や加工場、ECサイトの整備にはまとまった資金がかかります。そこで検討したいのが補助金の活用です。

この記事では、数年経営してきた飲食店が冷凍食品事業へ新たに進出する場面を想定し、2026年度に使える補助金の全体像と選び方、申請前に押さえておきたい注意点を整理します。制度名や金額は執筆時点(2026年7月)の公募要領に基づくもので、申請時は必ず最新の公式情報をご確認ください。

飲食店の冷凍食品事業と補助金の関係

まず前提として、補助金は「新しい取り組みへの投資」を後押しする仕組みです。既存店舗の日常的な仕入れや家賃、通常の運転資金には使えません。冷凍食品事業のように、これまでの店内飲食とは違う売り方・作り方に挑戦する投資こそ、補助金が狙いやすい領域だといえます。

冷凍食品事業で発生しやすい投資は、大きく次の3つに分けられます。

  • 製造・加工の設備投資:急速冷凍機(ブラストチラー・ショックフリーザー)、真空包装機、加工場の整備など
  • 新商品の開発:冷凍でも味が落ちない配合・製法の開発、試作、パッケージデザインなど
  • 販路開拓・EC整備:通販サイトの構築、受注管理システム、広告・販促など

どの投資が事業の中心になるかによって、相性のよい補助金が変わります。次の章で、2026年度に使える主な制度を具体的に見ていきましょう。

冷凍食品事業に使える主な補助金【2026年度】

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新事業進出枠

店内飲食が中心だった飲食店が、冷凍食品の製造・卸・通販という「新しい市場・業態」へ進出する場合に、最も軸になりやすい制度です。2026年度は「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」が統合され、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金として再編されました。その中の新事業進出枠は、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援します。

補助上限は従業員規模により異なり、従業員1〜20人の場合は最大2,500万円です(大幅賃上げ特例の適用や従業員規模がさらに大きい場合は上限が引き上がり、最大で9,000万円まで拡大します)。補助率は中小企業者で2分の1、補助下限は750万円です。この枠は加工場などの建物費も対象経費に含められる点が特徴です。

ただし注意点として、創業から1年に満たない事業者は対象外で、最低1期分の決算書が必要です。また「既存メニューを単に冷凍にしただけ」「商圏が違うだけ」では新事業進出に該当しにくく、新規性や新市場性をどう説明するかが採択の分かれ目になります。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠

同じ補助金の中でも、革新的新製品・サービス枠は「新市場への進出」よりも「自社の技術を活かした新製品・新サービスの開発」に重心があります。冷凍でも風味や食感を保つ独自の配合・製法を開発するなど、開発要素が事業の中心になる場合はこちらが自然です。

補助上限は従業員規模別で、従業員1〜5人は750万円、6〜20人は1,000万円などと定められています(大幅賃上げ特例の適用時は上限が拡大します)。補助率は中小企業者で2分の1、小規模企業者は3分の2、補助下限は100万円です。設備投資(機械装置・システム構築費)が必須で、単なる設備導入だけで開発の実態がないと対象外になります。

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小規模事業者持続化補助金

従業員5人以下(飲食業などの商業・サービス業の場合)の小規模な飲食店が、まずは小さく冷凍商品の販路を試したいときに向くのが小規模事業者持続化補助金です。販路開拓の取り組みを支援する制度で、補助率は3分の2、補助上限は基本50万円です(インボイス特例や賃金引上げ特例の要件を満たすと、最大250万円まで上乗せされます)。

対象経費には、ECサイト制作費、チラシ・広告などの広報費、真空包装機などの機械装置等費、パッケージ試作を含む新商品開発費などが含まれます。ただし広報費・ウェブサイト関連費はそれぞれ上限30万円(税込)で、これらだけの申請はできない点に注意が必要です。申請には商工会・商工会議所の支援(事業支援計画書の発行)とGビズIDプライムの取得が前提になります。

省力化・デジタル化を軸にする場合の選択肢

冷凍食品事業のうち、製造の自動化・省人化が主目的であれば中小企業省力化投資補助金(一般型)が、通販の受注システムやECサイトなどのIT投資が主目的であればデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が候補になります。冷凍食品事業では新事業進出枠や革新的新製品・サービス枠が主軸になりやすいものの、投資の中心が「省力化」や「IT導入」に寄る場合は、これらの制度も比較対象に入れておくとよいでしょう。

規模・目的別の選び方

どの補助金が合うかは、事業の規模と投資の中心によって変わります。おおまかな目安を整理すると次のようになります。

  • 本格的に新業態へ進出したい(加工場整備を含む中〜大型投資):新事業進出枠が軸。建物費も対象にできる
  • 冷凍向けの新商品開発が中心:革新的新製品・サービス枠。開発の中身をどう描けるかが鍵
  • 小規模にEC・販路をまず試したい:小規模事業者持続化補助金。少額から始めやすい
  • 製造の自動化・省人化が主目的:省力化投資補助金(一般型)を比較検討

複数の補助金は同じ経費に重複して受給できません。事業計画のどの部分をどの制度で賄うか、最初に整理しておくことが大切です。自社の投資規模と目的が定まっていない段階では、専門家に全体設計を相談すると、制度の取りこぼしや二重計上を防ぎやすくなります。

申請前に押さえておきたい注意点

「新規性」をどう説明できるかが採択を左右する

新事業進出枠でつまずきやすいのが、この「新規性」の説明です。既存の看板メニューをそのまま冷凍にして売るだけでは、審査で「既存事業の延長」と見なされやすくなります。誰に、どんな新しい価値を、どの新市場に届けるのかを、根拠のある事業計画として描けるかが問われます。

交付決定前の発注は対象外

補助金全般に共通する重要なルールとして、交付決定の前に発注・契約・購入した経費は補助対象になりません。採択の通知が届いただけでは事業を始められないため、冷凍設備の発注時期には十分注意してください。

食品衛生法上の許可は別途必要

冷凍食品の製造・販売を始めるには、店内飲食の営業許可とは別に、食品製造業などの許可やHACCPに沿った衛生管理が求められる場合があります。補助金の採択と営業許可は別の手続きです。どの許可が必要かは事業内容や自治体によって異なるため、早めに保健所や専門家に確認しておくと安心です。

よくある質問

Q. 開業したばかりの飲食店でも申請できますか。
新事業進出枠は創業1年未満だと対象外で、最低1期分の決算書が必要です。小規模事業者持続化補助金など、要件が異なる制度もあるため、開業間もない場合は使える制度を個別に確認しましょう。

Q. 補助金があれば設備費は全額まかなえますか。
いいえ。補助率は制度により2分の1や3分の2などと決まっており、残りは自己資金や融資で用意する必要があります。補助金は原則として後払い(精算払い)である点も、資金繰りの計画で押さえておきたいところです。

Q. どの補助金が自社に合うか分かりません。
投資の中心が「新市場への進出」「新商品の開発」「販路開拓」「省力化」のどれに当たるかを整理すると、候補が絞り込めます。判断に迷う場合は、事業計画の段階から専門家に相談するのが近道です。

まとめ

飲食店が冷凍食品事業に進出する際は、投資の中心がどこにあるかで使える補助金が変わります。加工場を含む本格的な新業態進出なら新事業進出枠、冷凍向けの新商品開発なら革新的新製品・サービス枠、小規模に販路を試すなら小規模事業者持続化補助金が主な候補です。いずれも交付決定前の発注は対象外で、金額や要件は年度ごとに変わります。申請時は最新の公募要領を確認し、事業計画づくりの早い段階から準備を進めることが、採択への近道になります。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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