
動物病院のウェブ広告・検索エンジン対策費用は補助金の対象になる?対象経費と上限額を解説
開業して一年か二年、設備は一通りそろえたのに患者数が伸びず、ウェブ広告やホームページ、検索エンジン対策にお金をかけたいけれど費用が出せない、という院長は少なくありません。実は、動物病院の広告費や検索エンジン対策費にも使える補助金があります。この記事では、どの経費が対象になり、どこから対象外になるのか、開業したての院長が抱きやすい疑問を問答形式で整理します。
動物病院のウェブ広告や検索エンジン対策の費用に使える補助金はありますか?
はい、あります。小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自社の経営計画に基づいて行う販路開拓の取り組みを支援する制度で、対象経費のひとつに「ウェブサイト関連費」があります。この区分には、ウェブサイトや通信販売サイトの制作・更新、ネット広告、バナー広告、広報用の配信、通信販売サイトの利用料、検索エンジンでの表示順位を高める取り組み、商品や診療メニューの写真・動画制作などが含まれます。動物病院がホームページを新しく作り直したり、検索エンジン対策に取り組んだりする費用は、この区分に沿って計画すれば対象になり得ます。
ホームページ制作費や検索エンジン対策費はどの経費区分に入りますか?広告費とは別ですか?
小規模事業者持続化補助金の対象経費には「広報費」と「ウェブサイト関連費」という二つの区分があります。広報費はチラシ、広告掲載、看板、案内状の発送、デジタルサイネージ広告などが対象です。一方でウェブサイト関連費は、ウェブサイト制作・更新、ネット広告、バナー、広報配信、通信販売サイトの利用料、検索エンジン対策、写真や動画の制作などが対象になります。動物病院のホームページ制作費や検索エンジン対策費は、基本的に広報費ではなくウェブサイト関連費として計画することになります。どちらの区分も、補助金交付申請額の上限は三十万円(税込)で、この区分だけの単独申請はできません。機械装置等費や新商品開発費、委託・外注費など、他の経費と組み合わせた計画を作る必要があります。
💬 執筆者の三浦から一言
ホームページを新しく作るなら、更新に使うパソコンやタブレットも一緒に買えると思われがちですが、こうした汎用性の高い機器は補助金の対象になりにくいというのが基本的な考え方です。あくまでウェブサイトそのものの制作・更新や広告出稿にかかる費用が対象になる、と切り分けて予算計画を立てるのが安全です。
ネット広告費(検索連動型広告やエスエヌエス広告)も対象になりますか?
対象になります。ウェブサイト関連費の具体例には「ネット広告」「バナー」が明記されており、検索連動型広告やエスエヌエス広告の出稿費用もこの区分で計画できます。ただし、前の項目で触れたとおり、ウェブサイト関連費は補助金交付申請額として三十万円(税込)が上限です。ホームページの制作・更新と検索エンジン対策、ネット広告出稿をすべて同じ区分でまかなおうとすると、この上限にすぐ届いてしまいます。何にどれだけ配分するかを、申請前の計画段階で具体的に決めておく必要があります。
補助金の上限額はいくらですか?広告費用を全部補助金でまかなえますか?
小規模事業者持続化補助金の補助上限は、基本額が五十万円です。インボイス特例を満たすと五十万円が上乗せされて最大百万円、賃金引上げ特例を満たすと百五十万円が上乗せされて最大二百万円、両方の特例を満たすと合わせて最大二百五十万円まで引き上がります。補助率は三分の二で、賃金引上げ特例の対象になる赤字事業者は四分の三です。ただし、この上限額をそのまま広告やホームページに使えるわけではありません。広報費とウェブサイト関連費は、それぞれ交付申請額三十万円(税込)が別枠の上限として設けられており、広告・ウェブ関連だけで見れば実質的な天井はこの二区分の合計にとどまります。全体の上限額と、広告・ウェブ関連に使える金額は別の話だと理解しておくことが大切です。
個人事業主で獣医師が一人か二人しかいない小さな動物病院でも申請できますか?
小規模事業者持続化補助金の対象となる小規模事業者の範囲は、業種によって従業員数の上限が異なります。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員五人以下、サービス業のうち宿泊業・娯楽業と製造業其他は常時使用する従業員二十人以下が目安です。会社役員や個人事業主本人、同居の親族従業員、日雇いの従業員などは人数のカウントに含めません。獣医師一人か二人だけの個人事業主の動物病院であれば、従業員数の面では対象になりやすいと考えられます。
一方で、公募要領には対象外になりやすい形態として、医師・歯科医師・助産師のほか、医療法人、宗教法人、学校法人などが挙げられています。この一覧に獣医師という言葉そのものは含まれていませんが、判定の考え方は制度や公募回によって細かく変わることがあるため、断定はできません。申請の前提として、商工会・商工会議所の支援を受けながら事業支援計画書(様式四)の発行を依頼する流れになるので、実際に申請できるかどうかは、その窓口で自院の形態を伝えて確認しておくのが確実です。また、申請にはGビズIDプライムのアカウントが事前に必要で、電子申請のみとなっています。交付決定日より前に行った発注・契約・支払は対象外になる点にも注意してください。
動物病院のホームページ運営で使えるほかの補助金はありますか?
広告費やホームページの制作費・検索エンジン対策費そのものを補助対象にできるのは、基本的に小規模事業者持続化補助金です。これとは別に、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)という制度もありますが、こちらは事務局に登録されたソフトウェアやクラウドサービスなど、ITツールの導入を支援する制度です。対象経費はソフトウェア購入費やクラウド利用料、導入時の設定・研修費などが中心で、広告費やウェブサイト制作費そのものは対象に含まれません。動物病院で言えば、オンライン予約システムや顧客管理ソフトなどのツールを新しく導入する場合の候補になり得ますが、集患のための広告出稿やホームページ制作を目的とするなら、小規模事業者持続化補助金のほうが目的に合っています。補助上限は通常枠が四百五十万円、インボイス枠が三百五十万円、複数者連携デジタル化・AI導入枠が三千万円です。
💬 執筆者の三浦から一言
補助金は制度名から探そうとすると迷いやすいのですが、まず何にいくら使いたいのかという投資規模と目的から絞り込むほうが早く目当ての制度にたどり着けます。広告やホームページのように販路開拓が目的なら持続化補助金、業務システムの導入が目的ならデジタル化・AI導入補助金というように、目的の軸で考えると選びやすくなります。
広告を出す前に注意しておくべき法令上の決まりはありますか?
動物病院の広告表示については、獣医療法にもとづく広告制限があり、表示してよい内容や表現に制限が設けられています。補助金を使ってホームページや広告を新しくする際は、費用面の対象・対象外だけでなく、そもそもどこまでの内容を表示してよいかという法令上の制限も合わせて確認しておく必要があります。この分野の所管は農林水産省です。制限の具体的な範囲や解釈については本記事では断定を避けますので、広告内容を検討する段階で、農林水産省が公表している情報や専門家への確認を通じて事前に把握しておくことをおすすめします。
申請までにどんな準備が必要ですか?
小規模事業者持続化補助金は、商工会・商工会議所の支援を受けながら進める制度です。申請には事業支援計画書(様式四)の発行が必要で、この発行依頼には受付締切があります。締切以降はいかなる理由でも発行を受け付けてもらえないため、早めに窓口へ相談しておくことが大切です。申請自体は電子申請のみで、GビズIDプライムのアカウントを事前に取得しておく必要があります。あわせて、広告やホームページ制作にかかる費用の見積りを取り、広報費とウェブサイト関連費のどちらにどの経費を割り振るか、他の経費区分と合わせた全体の事業計画をあらかじめ整理しておくと、窓口での相談もスムーズに進みます。
まとめ
動物病院のウェブ広告や検索エンジン対策の費用は、小規模事業者持続化補助金の「ウェブサイト関連費」区分で対象になり得ます。ただし広報費・ウェブサイト関連費はそれぞれ三十万円(税込)が上限で、単独申請はできません。従業員数の要件や対象外になりやすい事業形態、交付決定前の発注が対象外になる点なども踏まえたうえで、商工会・商工会議所の窓口で自院の状況を確認しながら計画を立てることが、遠回りをしない一番の近道です。
【無料相談のご案内】
弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























