
起業するか迷い続けているなら、先に「決める日」を決めておく
起業したい気持ちはあるのに、半年、一年とそのまま時間だけが過ぎていく。そんな状態に心当たりがある方は少なくないはずです。情報を集めるほど迷いが増え、結論が出ないまま次の四半期を迎える。この記事では、「起業するかどうか」を無理に急いで決めるのではなく、先に「いつまでに結論を出すか」という期限を決め、その期限までにやることを3つのステップに分けて進める考え方を紹介します。
起業を「決められない」のは、決め方を決めていないだけかもしれない
起業するかどうかで迷っているとき、多くの方は「起業する/しない」のどちらかに結論を急がせようとして、むしろ身動きが取れなくなっています。実際に止まっているのは、起業そのものの判断ではなく、いつまでに、何を基準に判断するかという決め方の部分です。ここを先に決めておくだけで、迷いの質が変わってきます。
迷い続けること自体が、実は一つの「選択」になっている
結論を出さずに時間が過ぎている状態も、何もしていないわけではありません。気づかないうちに「今は動かない」という選択を、毎日更新し続けていることになります。この選択を自覚しておくと、いつまでこの状態を続けるのか、という問いが自然に出てきます。
ステップ1:いつまでに決めるかという「決める日」を先に決める
最初のステップは、起業するかどうかではなく、「いつまでに結論を出すか」という日付を先に決めることです。この日付さえ決まれば、それまでの時間の使い方が変わってきます。
期限は「起業する日」ではなく「結論を出す日」
ここで決める期限は、起業を実行する日ではなく、結論そのものを出す日です。結論が「起業する」であっても「今回は見送る」であっても構いません。期限のゴールを起業の実行に置いてしまうと、途中で迷いが強まったときに期限自体を動かしたくなりますが、ゴールを「結論を出すこと」に置いておけば、どちらの結論でも期限を守れます。
期限の目安をどう置くか
期限をどのくらい先に置くかは、仕事の節目や家庭の予定など、自分の状況に合わせて決めるもので、誰にとっても同じ長さが正解というものではありません。短すぎれば材料を集める時間が足りず、長すぎれば今の迷った状態がそのまま続きます。自分にとって無理のない範囲で、少し背中を押されるくらいの近さに置くという考え方が目安になります。
ステップ2:決める日までに集める材料を決める
期限が決まったら、次はその期限までに何を確認しておくかを決めます。闇雲に情報を集めるのではなく、確認する項目を先に絞っておくことで、期限までの時間を迷いではなく準備に使えます。
生活資金の見通し
手元の貯金と毎月の生活費を照らし合わせ、収入が不安定になった場合にどのくらいの期間をやり過ごせるかを、自分で確認しておきます。金融機関に相談するかどうかはこの記事の範囲を超える話ですが、まずは自分の手元にある数字を把握しておくことが、ステップ3での判断材料になります。
家族の合意・理解
家族がいる場合、起業を検討していること自体をどこまで共有しているかも、決める日までに確認しておきたい材料です。賛成か反対かという結論を急がせる必要はなく、現状をどう伝えているか、どこまで理解してもらえているかを把握しておくことが目的です。
「試しておきたいこと」が残っていないか
小さく試してみたいこと、相談してみたい人、確かめておきたい情報が残っているなら、それも期限までの材料としてリストにしておきます。試すこと自体を期限のない作業にしてしまうと、またそこで迷いが長引くため、試す範囲も期限内に収まるものに絞っておきます。
💬 執筆者の三浦から一言
相談の場では、「情報はもう十分集めたはずなのに決まらない」という声をよく聞きます。こういう場合、材料が足りないのではなく、いつまでに決めるかという期限そのものが決まっていないことが多いように感じます。
ステップ3:決める日が来たときの「決め方」を決めておく
期限が来たときに、その場で初めて判断基準を考え始めると、また迷いが戻ってきます。何を基準に決めるかも、期限が来る前に決めておきます。
ステップ2で集めた材料のうち、どれが揺らいでいないかで判断する
生活資金の見通し、家族の理解、試しておきたいことの結果という3つの材料を並べ、その時点でどれが揺らいでおらず、どれに不安が残っているかを確認します。すべてが整っていなくても構いませんが、どこに不安が残っているかが分かれば、起業するか見送るかの判断がしやすくなります。
「見送る」「時期をずらす」も、立派な決断として扱う
期限が来て材料が揺らいだままなら、起業を見送る、あるいは時期をずらすという結論も、迷いを断ち切った決断として扱います。起業することだけが決断で、見送ることは決断ではない、という扱いにしてしまうと、期限を決めた意味が薄れます。どちらの結論でも、期限内に出した結論であれば、それでいったん区切りをつけたことになります。
法律・資金面の細部に関わる判断が必要になったら
生活資金の見通しを具体的な制度や手続きに落とし込む段階、あるいは契約や税務に関わる判断が必要になった段階は、この記事の範囲を超えます。その段になったら、税理士や中小企業診断士など、該当する分野の専門家に相談する方が確実です。
決める日・集める材料・決め方を、自分で確認する視点
ここまでの3ステップを振り返るときの視点を整理します。
- 「決める日」はすでに決まっているか、それとも今もまだ決めていないか
- 決める日までに確認する材料は、生活資金・家族の理解・試しておきたいことの3つに絞れているか
- 決める日が来たとき、起業するか見送るかのどちらの結論でも区切りをつけられる状態になっているか
💬 執筆者の三浦から一言
「見送る」という結論を、失敗や後退のように感じてしまう方に時々お会いします。期限を決めて、材料をそろえた上で出した「今回は見送る」なら、それは迷いを放置した結果ではなく、きちんと出した結論だと思います。
【無料相談のご案内】
弊社は、V-Spiritsグループ代表の中野裕哲を中心に、中小企業診断士・元補助金審査員の三浦をはじめとした専門家チームが、業種を問わない幅広い起業・新規事業のご相談に対応しております。何から始めればいいかわからないという段階でも、適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひ一度ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。
まとめ:迷いを長引かせないのは「期限」と「決め方」を先に決めること
起業するかどうかで迷い続けている状態から抜け出すには、起業そのものの結論を急ぐ前に、いつまでに決めるかという期限と、何を基準に決めるかという決め方を先に決めておくことが助けになります。決める日、集める材料、決め方という3つのステップを順に押さえておけば、期限が来たときにどちらの結論を選んでも、迷いにきちんと区切りをつけたことになります。起業する結論だけでなく、見送る結論も、同じように前向きな決断として受け止めてよいものです。




























