事業承継時に経営者保証不要で利用可能な特別な保証制度「事業承継特別保証」についてご紹介します。これは、事業承継後にも利用できるケースがあり、中小企業活性化協議会および事業承継・引継ぎ支援センターによる確認を受けることで、信用保証料率が大幅に軽減される制度です。
本制度の特徴
事業承継時に、経営者保証不要で利用可能です(事業承継後にも利用できるケースもあります)。
中小企業活性化協議会および事業承継・引継ぎ支援センターによる確認を受けた場合には信用保証料率が大幅に軽減されます。
経営者保証ありの既存借入金についても借換えが可能です(本制度で経営者保証不要にできます)。
融資対象者の要件
次の(1)または(2)に該当し、かつ、(3)に該当する方。
- 保証申込受付日から3年以内に事業承継を予定する事業承継計画を有する法人
- 令和2年1月1日から令和7年3月31日までに事業承継を実施した法人であって、事業承継日から3年を経過していないもの
- 次の①から④の要件を全て満たす法人
- ①資産超過であること
- ②EBITDA有利子負債倍率が10倍以内であること
- ③法人・個人の分離がなされていること
- ④返済緩和している借入金がないこと
融資条件
資金使途: 運転資金・設備資金
※事業承継の前後によって、ご利用いただける資金使途が異なります
保証限度額: 2億8,000万円(組合は4億8,000万円)
期間: 一括返済:1年以内、分割返済:10年以内(据置12か月以内)
融資利率: 金融機関所定利率
返済方法: 一括返済または分割返済
担保: 必要に応じ
連帯保証人: 不要
信用保証料率
年0.45%~1.90%以内
中小企業活性化協議会および事業承継・引継ぎ支援センターによる確認を受けた場合 年0.20%~1.15%以内
必要書類
保証申込書類に加え、以下の書類
- 事業承継計画書(事業承継特別保証用)
- 財務要件等確認書
- 借換債務等確認書(既往借入金を借り換える場合)
- 他行借換依頼書兼確認書(既往借入金を借り換える場合で、申込金融機関以外からの借入金を含む場合)
- ガバナンス体制の整備に関するチェックシート(事業承継特別保証制度/経営承継借換関連保証用)(中小企業活性化協議会および事業承継・引継ぎ支援センターによる確認を受け、上記0.20%~1.15%の信用保証料率の適用を受ける場合)
責任共有
責任共有対象
その他
※他の保証制度と信用保証料を比較したい場合は、信用保証料率一覧表をご覧ください。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago元日本政策金融公庫支店長
社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)
V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。