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コラム

採択される補助金事業計画書の書き方完全ガイド

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補助金の採択を分けるのは、ほぼ事業計画書の出来です。同じ投資内容でも、書き方ひとつで採点が大きく変わり、要件は満たしているのに不採択になる、逆に投資規模は控えめでも採択される、というケースは珍しくありません。事業計画書は審査員にとっての一次資料であり、自社のビジネスを知らない第三者に短時間で評価される文章として作る必要があります。

本記事では、ものづくり補助金・新事業進出補助金・中小企業省力化投資補助金・小規模事業者持続化補助金など主要な補助金で共通して評価される事業計画書の書き方を、構成・数値計画・経費・体制の4つの軸で整理します。執筆時点の情報をもとにしていますが、要件や審査項目は公募回ごとに変更されるため、申請前には必ず最新の公募要領を確認してください。

事業計画書の評価軸を先に押さえる

多くの補助金は、おおむね「適格性」「経営力」「事業性」「実現可能性」「政策面」の5観点で審査されます。事業計画書はこの5観点に1つずつ答える文書として作るのが基本で、各セクションがどの観点に対応しているかを意識して書くと、抜け漏れが減ります。

  • 適格性:対象事業者か、対象外事業者でないか、対象経費か
  • 経営力:自社の強み・課題、外部環境・内部環境の分析
  • 事業性:市場規模・顧客・競合・収益性
  • 実現可能性:技術力・実施体制・資金計画・スケジュール
  • 政策面:賃上げ・雇用・地域貢献・デジタル活用

採択される事業計画書は、この5観点に対する答えが本文の中で1つずつ明確に書かれており、観点同士が矛盾していません。

採択される事業計画書の構成テンプレート

1. 事業の全体像(リード)

冒頭で、自社が何をする会社で、今回の補助事業で何を新しく作るのか、その投資が何を解決するのかを、3〜5行でまとめます。ここで補助事業の核(新製品・新サービスの中身、対象顧客、期待される効果)が伝わらないと、以降のセクションを読むモチベーションが下がります。

2. 自社の概要と現状

会社の沿革、主力事業、主要顧客、売上規模、従業員数といった基本情報に加え、現状の事業構造(売上の内訳、原価率、付加価値額)を簡潔に示します。決算数字と整合する範囲で、現状の強みと課題を客観的に書きます。

3. 外部環境・内部環境分析

市場規模・成長性、顧客のニーズ変化、競合の動向、規制・政策の変化など、外部環境の事実を整理します。そのうえで、自社の強み・弱み・機会・脅威を、SWOTのような枠組みで簡潔にまとめます。ここはファクト中心で、感想や願望を避けると説得力が増します。

4. 補助事業の内容(新製品・新サービスの説明)

新製品・新サービスの中身、対象顧客、想定価格、提供方法、競合との差別化要素を具体的に書きます。「業界初」「地域初」と書く場合は、調査範囲や根拠を明記します。同業他社に普及している領域では、自社の使い方の独自性や、組み合わせの新しさで差別化することが必要です。

5. 投資内容と対象経費

設備・システム・外注などの投資内容を一覧化し、それぞれの目的、選定理由、見積金額、調達先を整理します。機械装置・システム構築費が中心になる補助金では、その経費が大半を構成する形に組みます。汎用性が高く対象外になりやすい経費(PC、タブレット、スマートフォン、文書作成ソフトなど)が混ざっていないかを点検します。

6. 数値計画

3〜5年の売上、原価、人件費、付加価値額、賃上げ計画を、現状からの変化として示します。要件を満たす数字を入れるだけではなく、新製品・新サービスの単価×数量、稼働率、原価率改善などの根拠まで本文中で説明し、数字の出どころを審査員が追えるようにします。

7. 実施体制とスケジュール

誰が何をいつまでに担当するか、外部協力先や専門家をどう活用するかを示します。交付決定前の発注・契約・購入は対象外になるため、交付決定タイミングと発注タイミングを揃えたスケジュールを描きます。

8. 政策面の貢献

賃上げ計画、雇用増、地域経済への波及、デジタル活用、脱炭素など、政策的に重視される観点を、数値計画と紐づけて示します。本文中の1〜2行で触れるだけではなく、実施スケジュールや人件費計画の中で位置づけます。

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弊社では、元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが補助金支援を行っております。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

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採択される数値計画の作り方

「現状→投資→効果」の3段構造で書く

数値計画は、現状の数字、投資による変化、その結果としての効果という3段で組むと、根拠がつながります。たとえば、現状の年間生産能力、投資による生産能力の向上幅、それを売上に換算した金額、原価率の変化、付加価値額の伸び、賃上げの原資、という流れです。1つの表に複数の数字を並べるだけでなく、その数字を本文で言語化することがポイントです。

賃上げと付加価値額の連動を見える化する

多くの補助金で、付加価値額の年平均成長率や、給与支給総額の年平均成長率、最低賃金プラス◯円といった要件が課されます。これらを満たすには、人件費の増加と付加価値額の伸びが連動している必要があります。新製品・新サービスによる売上増、原価率改善、生産性向上を、付加価値額の伸びとして示し、その一部を賃上げ原資に回す、というロジックで描くと、賃上げ計画の実現可能性が高く見えます。

過大計画を避ける

採択を狙うあまり、売上や付加価値額を実態と乖離した水準まで盛り込むのは逆効果になりやすいです。実現可能性の低い数値計画は審査側に見抜かれ、評価を下げます。決算実績、業界平均、地域市場のサイズと整合する範囲で、現実的に達成可能な数字を置く方が、結果として採択につながりやすい傾向があります。

採択を遠ざける「やりがちな書き方」

1. 制度の趣旨に対する説明が浅い

「設備を導入したい」「DXを進めたい」だけが目的になっており、補助金が求める「革新性」「生産性向上」「賃上げ」との接続が薄い書き方です。各補助金には政策意義があり、事業計画書はそれに答えるものでなければなりません。

2. 競合分析が抽象的

「競合は多いが、当社は質で勝負する」といった抽象的な記述は評価されません。競合の具体名(一般的な範囲で)、市場でのポジショニング、価格・機能・サービスの違い、顧客が乗り換える理由まで踏み込みます。

3. 投資と効果の因果が薄い

投資内容と数値効果の因果が説明されていないケースです。「設備を導入する→売上が伸びる」だけでは因果が成立しません。設備のスペック、稼働時間、生産能力、リードタイム短縮、新規顧客の獲得経路など、間に挟まる要素を1つずつ言語化します。

4. 経費の妥当性が薄い

見積書が1社のみ、見積金額の妥当性が説明されていない、対象外経費が混ざっている、外注比率が極端に高い、などは経費面の評価を下げます。経費構成は、補助金の趣旨と整合する形で組むことが基本です。

事業計画書を書く前に押さえるべきこと

最新の公募要領を読み込む

事業計画書を書く前に、最新の公募要領を1度通読しておきます。対象事業者、対象経費、対象外経費、審査項目、提出書類、スケジュール、賃上げ要件などが整理されており、事業計画書の構成や数字の取り扱いに直接効いてきます。

過去の採択事業から型を学ぶ

公開されている過去の採択事業の概要や、業界団体・支援機関の解説を読むと、採択されやすい事業計画の型が見えてきます。コピーするのではなく、自社の事業に当てはまる骨組みを抽出する目的で読みます。

専門家のレビューを早めに入れる

事業計画書を書き上げてから直すよりも、骨子の段階で第三者のレビューを入れた方が、最終的な完成度は高くなります。元補助金審査員・元事務局員の経験を持つメンバーが社内に在籍する事務所であれば、審査の観点に沿って事業計画書の弱点を指摘しやすく、書き直しの手戻りが減らせます。

よくある質問

Q. 事業計画書のフォーマットは決まっていますか?

多くの補助金で、申請書類のひな型が指定されています。本文の構成や記載項目は決まっているため、自由演技ではなく、ひな型の各セクションで何を聞かれているかを正しく読み取り、その問いに答える形で書く必要があります。

Q. 何文字くらいで書けばいいですか?

補助金や枠ごとに記載枚数の目安があります。少なすぎても情報不足、多すぎても焦点がぼやけます。各セクションで「審査員に何を判断してほしいか」を1つに絞り、その判断材料を過不足なく書くのが目安です。

Q. 写真や図表は入れた方がいいですか?

新製品・新サービスのイメージ、設備のレイアウト、市場構造、顧客の動線などは、図や写真で示した方が伝わりやすい場面が多いです。ただし、装飾的な画像ではなく、本文中の主張を補強する目的で挿入します。また、補助金によっては図表などは事業計画書とは別の書類での提出を求められたりします。そもそもシステムに直接計画内容を入力する場合もあるため、申請する補助金のルールを事前に確認しておく必要があります。

Q. 採択された事業計画書を真似してもよいですか?

骨組みや書き方の型を参考にするのは有効ですが、文章をそのまま流用するのは避けるべきです。採択されたものと同じ事業計画書は高い確率で不採択になります。事業内容や数値計画は自社固有のもので、流用すると整合性が崩れ、審査側に違和感を与えます。

まとめ

採択される補助金事業計画書には、5つの審査観点に答える構成、数字の出どころが明確な数値計画、補助金の趣旨と整合する経費構成、現実的な実施体制、政策面の貢献という共通点があります。書き出す前に最新の公募要領と審査項目を読み込み、構成と論理の骨格を固めることが、最終的な採択につながります。

自社の事業計画書の弱点を客観的に把握したい場合や、再申請に向けて書き直したい場合は、補助金支援の実務経験を持つ専門家への相談を検討してください。第三者の視点を早めに入れることで、論理構造や数値計画の手戻りを減らせます。

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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