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コラム

冷凍食品製造ラインの補助金、複数設備をまとめて導入するときの制度選びと注意点

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冷凍食品製造ラインの補助金|複数設備をまとめて導入するときの制度選びと注意点

急速凍結機、充填包装機、自動搬送設備など、冷凍食品製造ラインは単体の機械ではなく複数の設備を組み合わせた投資になることがほとんどです。新しい冷凍食品事業を立ち上げたい食品製造業の方にとって、この規模の投資をどの補助金でまかなえるのかは悩みどころではないでしょうか。本記事では、数年経営してきた食品製造業の方に向けて、冷凍食品製造ラインの投資目的別に使える補助金と、ライン一式の投資ならではの注意点を整理します。なお補助金の制度内容・要件は年度ごとに見直されるため、以下は執筆時点の情報として、最新の公募要領をあわせてご確認ください。

投資目的で使う制度が変わる

冷凍食品製造ラインへの投資は、目的によって主に3つの方向に分かれます。

  • 新しい冷凍食品を開発したい:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠
  • 冷凍食品事業に新規参入し、新しい市場・販路を開拓したい:同補助金の新事業進出枠
  • 既存の製造ラインを自動化・省人化して生産性を高めたい:中小企業省力化投資補助金(一般型)

「ラインを新しくする」という投資の見た目は同じでも、事業計画で語るべき内容がまったく異なる点に注意が必要です。

ライン一式の投資は「オーダーメイド性」の説明が鍵になる

急速凍結機・充填包装機・自動搬送設備などを組み合わせて導入する場合、中小企業省力化投資補助金(一般型)(補助上限1億円)が候補になります。この制度は、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ導入することに加え、「オーダーメイド性のある設備」であることが求められます。省力化に資する汎用設備を複数組み合わせることで、より高い省力化効果や付加価値を生み出す場合や、導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数・機能が変わる場合は、汎用設備であってもオーダーメイド設備とみなされます。逆に、市販の急速凍結機を単体でそのまま導入するだけでは対象になりにくく、自社のライン構成に合わせてどう組み合わせるかを事業計画で説明できるかが分かれ目です。

新しい冷凍食品を開発する場合の選択肢

既存のライン更新ではなく、新しい処方・製法の冷凍食品を開発する投資であれば、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠(補助下限100万円、従業員規模別に上限750万〜2,500万円、大幅賃上げ特例で最大3,500万円)が選択肢になります。ただしこの枠は「革新的な新製品・新サービスの開発」が前提で、単なる設備・システム導入や既存の生産プロセス改善は対象外とされています。「今より効率よく作りたい」ではなく「今までにない冷凍食品を作れるようになる」という視点で計画を組む必要があります。

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冷凍食品事業に新規参入する場合の選択肢

これまで冷凍食品を扱っていなかった食品製造業が、新たに冷凍食品事業へ参入する場合は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新事業進出枠(補助下限750万円、従業員規模別に上限2,500万〜7,000万円、大幅賃上げ特例で最大9,000万円)が選択肢になります。この枠は建物費も対象経費に含められる点が特徴で、冷凍食品専用の製造スペースを新設する場合にも活用の余地があります。ただし、単なる建物の購入・賃貸は対象外で、創業から1年に満たない事業者は対象外という点にも注意してください。

申請前に確認すること

  • 交付決定前の発注・契約・購入は対象外:ライン一式は発注から納品まで時間がかかることが多いため、スケジュールを逆算して早めに動く必要があります
  • 賃上げ・労働生産性の要件:省力化系の制度は労働生産性の向上、ものづくり系の制度は付加価値額・賃上げの計画が要件になっており、未達の場合は減額・返還の対象になり得ます
  • 複数年度の効果報告義務:特にカタログ注文型・省力化投資補助金は、導入後も複数年度にわたる報告が必要です
  • 同じ経費を複数の補助金に重複計上できない:投資の主目的を1つに絞り、それに最も合う制度を選ぶのが基本です

まとめ

冷凍食品製造ラインの投資は、新商品開発なら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠、新規参入・新市場開拓なら新事業進出枠、既存ラインの省力化なら中小企業省力化投資補助金(一般型)というように、投資目的で使う制度が変わります。複数設備をまとめて導入する場合は、単体導入ではなく組み合わせによる効果を事業計画で説明できるかが採択の鍵になります。自社の投資目的・規模がどの制度に合うかは判断が難しい部分も多いため、補助金に詳しい専門家への無料相談を入り口に検討を進めるとよいでしょう。

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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