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コラム

HACCP対応設備の補助金は投資目的で変わる|省力化・デジタル化・販路開拓の3方向で判断

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HACCP対応設備の補助金選び|投資パターン別に使える制度を見極める

2021年6月にHACCPに沿った衛生管理が完全義務化されてから数年が経ち、開業当初に導入した設備の老朽化や、取引先からの追加の衛生基準対応を理由に、洗浄・殺菌設備や温度管理システムの更新を検討する食品製造業者が増えています。「HACCP対応の設備投資に補助金は使えるのか」と検索すると、輸出向けの大型施設整備を支援する国の制度が紹介されることがありますが、これは輸出計画の策定や登録要件など対象がかなり絞られており、国内市場中心の中小事業者の多くはそのままでは対象になりません。本記事では、輸出を前提としない食品製造業者が実際に検討できる補助金を、導入したい設備のタイプ別に整理します。

制度の詳細・要件は変更される可能性があるため、本記事は執筆時点の情報をもとにしています。申請前には必ず各補助金の公式公募要領をご確認ください。

HACCP対応設備とは何を指すか

HACCP対応設備とひとくちに言っても内容は幅広く、大きく次の4種類に分かれます。

  • 洗浄・殺菌設備(自動洗浄機、殺菌装置、エアシャワーなど)
  • 温度管理・記録設備(冷蔵・冷凍設備、温度記録装置、モニタリングシステム)
  • 検査・品質管理機器(金属探知機、異物検査装置など)
  • 記録・管理を行うITシステム(クラウド型の衛生管理記録システムなど)

どの補助金が対象になるかは、このうち「何を」「どんな導入形態で」入れるかによって変わります。次の章で投資パターン別に整理します。

投資パターン別チェックリスト|どの補助金が候補になるか

自社が検討している設備投資が次のどのパターンに近いか、順番に確認してみてください。

パターン1:カタログに登録済みの汎用機器を導入する

洗浄・殺菌装置やIoT温度センサーなど、メーカーが提供する既製品をそのまま導入し、即効性のある省力化を狙う場合は「中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)」が候補になります。補助上限は1,500万円(大幅賃上げ計画を盛る場合)です。ただし、カタログに登録されている製品であることが前提で、販売事業者と共同での申請が必要になる点に注意してください。労働生産性を年平均3.0%以上向上させる計画も求められます。

パターン2:自社工程に合わせたオーダーメイド設備一式を導入する

既製品のカタログには載っていない、自社のライン構成に合わせて設計した洗浄・殺菌ラインや検査工程一式を導入する場合は「中小企業省力化投資補助金(一般型)」が候補です。補助上限は1億円で、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ導入することが条件になります。労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす3〜5年の事業計画と、賃上げ目標の達成が求められ、未達の場合は返還が発生しうる点も踏まえて計画を立てる必要があります。

パターン3:温度管理・記録のクラウドシステムやソフトウェアを導入する

設備そのものよりも、HACCPの記録・モニタリングをクラウド上で一元管理するシステムやソフトウェアの導入が主目的であれば「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」が候補になります。補助上限は3,000万円です。ITツール・クラウドサービスの導入が主軸のケースはこちらで検討するのが基本です。

パターン4:小規模事業者が販路開拓とあわせて簡易な衛生機器を整備する

従業員数が少ない小規模事業者が、新規販路の開拓や新商品開発とセットで、店舗備品としての簡易な衛生・省スペース化機器を整備する場合は「小規模事業者持続化補助金」が候補になります。補助上限は250万円(特例を使った場合)ですが、この補助金はあくまで「販路開拓」が主題である点に注意が必要です。設備投資だけを目的にすると対象外になりやすく、ウェブ関連費には交付申請額の1/4・最大50万円という上限もあります。

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補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

申請前に必ず確認したい3つのポイント

1. 賃上げ要件を満たせる計画になっているか

中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型・一般型)はいずれも労働生産性の向上目標が要件になっており、賃上げ計画の達成状況によっては減額・返還が発生する可能性があります。設備投資だけでなく、賃上げ計画まで含めて無理のない数値を組めるかを事前に確認してください。

2. 対象外要件に該当していないか

中小企業省力化投資補助金(一般型)では、みなし大企業に該当する場合や、直近3年の課税所得の年平均が15億円を超える場合などは対象外になります。自社の規模・業績が要件を満たすか、事前に確認しておくことが大切です。

3. 「カタログ品」か「オーダーメイド」かを見極めているか

同じ洗浄・殺菌設備でも、カタログに登録された既製品であればカタログ注文型、自社工程に合わせた設計であれば一般型と、申請先の制度が変わります。この線引きを曖昧にしたまま申請準備を進めると、途中で制度選びをやり直すことになりかねません。導入予定の設備がカタログに登録されているかどうかは、早い段階で確認しておきましょう。

よくある落とし穴

「HACCP対応」という名目だけでは、どの補助金も自動的に対象になるわけではありません。中小企業省力化投資補助金は「省力化・生産性向上」が主題であり、単に法令対応のための設備更新だけでは、生産性向上の効果を計画書でどう説明するかが問われます。また、小規模事業者持続化補助金は「販路開拓」が主題のため、衛生機器の整備だけを目的にすると採択されにくい点にも注意してください。自社の投資目的が「省力化」「デジタル化」「販路開拓」のどれに近いかを整理してから、該当する制度の要件と照らし合わせることが、遠回りに見えて一番確実な進め方です。

まとめ

HACCP対応設備の導入に使える補助金は一つではなく、導入する設備の種類・導入形態によって候補が変わります。カタログ登録済みの既製品なら中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)、自社仕様のオーダーメイド設備なら同(一般型)、記録・管理システムが主体ならデジタル化・AI導入補助金、小規模事業者の販路開拓とセットの整備なら小規模事業者持続化補助金と、まず自社の投資パターンを整理したうえで制度を選ぶことが、無理のない申請計画につながります。制度の要件や上限額は変更されることがあるため、申請前には必ず最新の公式情報をご確認ください。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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