
希望融資金額が減額・否決された場合の対応方法
いざ融資を申請したら希望していた融資金額から減額ないし、0回答された場合はどのようにすれば良いのでしょうか?
実際には融資が満額出ることを想定しての計画を立てているでしょうから、減額になってしまった段階で次の策を考えなくてはなりません。その時に気を付けるべきポイントを紹介します。
金融機関の仕組みについて
こちらについては、基本事項となりますが復習の意味も込めて説明いたします。創業時に利用する金融機関を大きく分けると、日本政策金融公庫と民間の金融機関の2行となります。日本政策金融公庫で融資申し込みをすれば、どこの店舗で申請したとしても全店舗にデータは共有されます。一方、民間の金融機関は、メガバンク・地方銀行・信金信組など様々な事業形態があります。どの銀行も創業したばかりの企業向け融資には「信用保証協会」の保証付融資を選択することが大多数です。
複数利用することはできるのか
日本政策金融公庫と民間金融機関の複数を利用する事はできるのかどうかについてですが、結論は複数行利用することができます。ケースによっては、日本政策金融公庫と民間金融機関の協調融資として行うパッケージ商品もあるくらいです。複数利用することによって、1行では負担しきれない金額でも折半する事によって2行で希望金額を融資するといったこともあります。
希望金額に到達しなかった場合の選択肢
申込人のステータスや状況などによって融資審査も変わってきます。例えば、日本政策金融公庫A支店で申し込みをして否決となった場合に、公庫B支店に行っても否決の情報が既にあるために取り合ってもらえません。その場合には、民間金融機関に相談することをお勧めします。逆もしかりで、民間金融機関で良い回答が得られなかった場合については公庫へ相談をしてみましょう。
大事な部分ですが、民間金融機関Cに相談して難しかった場合、D銀行に相談行けば可能性があるかもしれないと思うかもしれません。しかしながらよっぽど明るい材料がないと難しいです。なぜなら、銀行内部でOKでも信用保証協会での判断はなかなか覆らないからです。どこの金融機関から申し込みをしたとしても、管轄している信用保証協会は同じになります。C銀行から申し込みをしてダメで、D銀行から申し込みをすればOKになるかということになります。信用保証協会は謝絶しているデータが当然ありますので、すぐに審査結果は変わりません。ただし、例外として申込から半年以上経過していて、その間に状況が変わった(プラスに)などがあれば再検討してもらるでしょう。
まとめ
ぜひ、覚えていただき堂々巡りがないようにしましょう。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura 元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員 中小企業診断士、起業コンサルタント®、 1級販売士、宅地建物取引主任者、 補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、 産業能率大学 兼任教員 2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。 融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago 元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役 同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。 支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。 日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。 長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。