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コラム

LTV(顧客生涯価値)とは?──起業家にとって最重要のKPI

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LTV(顧客生涯価値)とは?──起業家にとって最重要のKPI

まず、LTV(Customer Lifetime Value;顧客生涯価値)とは、1人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益を金額で表したものです。
「その人が何回買ってくれるか」「1回あたりいくら使うか」「どれだけ継続してくれるか」を総合した指標で、あなたのビジネスがどれほど“お客様との関係から稼げているか”を可視化できます。


なぜ起業家はLTVを押さえるべきなのか?

① 新規顧客獲得コスト(CAC)とのバランス

広告や営業にかけるコスト(CAC)が高騰傾向にある中、LTVがCACを上回っていなければ割に合いません。簡単に言えば、「広告に10万円使っても、顧客1人から15万円以上回収できるか」が経営の生命線です。

② 継続収益の価値を可視化できる

たとえば、月額3,000円のサービスを平均3年継続してもらえれば、LTVは約10万円。「その金額を回収するためにどういう施策が必要か」も見えてきます

③ 商材設計や価格の最適化がしやすい

LTVが把握できると、「プランAはLTV10万円、プランBは20万円」「この仕掛けでLTVが3割増し」「この価格帯が一番継続率が高い」など、価格戦略やプラン構成を科学的に設計できます。

④ 継続率向上・離脱対策の必要性が見える

例えば「3ヶ月で10%離脱するサービス」と「3年間で10%離脱する教材」では、後者の方がLTVが長く、安定したビジネス基盤を築けます。離脱ポイントを数値で知ることで改善策も明確になります


LTVの計算式と具体数字での理解

基本的な計算式は次のとおりです:

LTV = 平均購入単価 × 買う頻度 × 継続月数 × 粗利率

例:オンラインサブスクの場合

  • 月額料金:5,000円

  • 平均継続期間:24ヶ月

  • 利益率:70%

⇒ LTV = 5,000 × 24 × 0.7 = 84,000円

この場合、新規1名獲得にかけられる広告費は、1名あたり最大約84,000円までが合理的、という判断ができますね。


LTV向上のために起業家が取り組むべき4つの施策

① 継続率(定着率)を高める

  • 初回利用後のフォローを強化する(メール/声かけ)

  • 継続インセンティブを提供(回数割引やランク特典)

  • 資料や見える化で進捗・成果を顧客に自覚させる

② 客単価を上げる

  • オプション・上位プランを設計する

  • セット販売やバンドル提案を行う

  • アップセル・クロスセルを定期的に実施

③ 購買頻度を増やす

  • リマインドや定期リピート案内を送る

  • テーマ別イベントや季節商品を展開

  • メンバー限定のオンライン・オフライン交流会を開催

④ 客単価と継続タイミングを両立できる制度設計

  • 月ごとの縛りは短め、でも長く継続すれば大幅割引

  • 更新型プラン、まとめ買い割引なども有効です


LTVを正しく見積もるための注意点

  • 概数値で良いが、仮説を定期検証する

  • 途中解約や返金損失も考慮する

  • 初期獲得費用(広告・営業)や固定費も把握する

  • 個別顧客より、全体での平均値を重視する

  • 時間とともに数値が改善するはずのため、PDCAで更新する


LTVが経営に与える影響と判断指針

  • 広告投資の上限が明確になる

  • 黒字化タイミングを逆算できる(投資回収の見通し)

  • どの商品・プランが収益の核かが分かる

  • 事業の安定性・資産性が高まる(投資家や金融機関から見た評価)


おわりに──LTVは“未来の売上”を見せる鏡

LTVは難しい数字に見えますが、慣れると「顧客からの見込み収益」を瞬時に可視化できる、起業家にとって非常に強力な武器になります。
「CACよりLTVが高いか?」「どうやってLTVを伸ばすか?」──この思考は、資金繰り・投資判断・サービス設計において不可欠です。

広告予算を投入する前でも、まずLTVから予算の見当をつけてから動く
このルールを軸に、小さく試して数値で判断しながら育てる。
そんな経営が、持続性と安定性のある起業を支えてくれます。
ぜひ今日から、LTVを意識しながら事業を育てていきましょう!
あなたのビジネスがLTVの視点でさらに強くなり、未来へと続きますように。

【無料相談のご案内】

弊社では、中野裕哲を中心とした所属専門家チーム(起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員など)が一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
フリーダイヤル 0120-335-523
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この記事を書いた人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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