
国から1000万円借りる!会社員が1年後の起業に向けて知っておくべきこと
はじめに
こんにちは。起業コンサルタント(R)、税理士・行政書士・社労士・ファイナンシャルプランナーの中野裕哲です。今回は「国から1000万円借りる」というテーマで、会社員の方が1年後に起業を考えたとき、どのような準備と考え方が必要なのかをズバリ解説します。
起業という挑戦は、資金という壁にぶつかることが多いもの。でも安心してください。ちゃんと準備すれば、会社員でも国から1000万円を借りて起業資金に充てることは可能です。
そもそも国から1000万円借りるって可能なの?
ズバリ言います。可能です。ですが、誰でも簡単に借りられるわけではありません。国が用意している「創業融資制度」は、一定の条件を満たすことで、最大7200万円までの融資が受けられる制度です。中でも多くの起業家が利用しているのが「日本政策金融公庫」の創業融資です。
特にポイントとなるのが以下の4つ。
- 自己資金があるか
- 起業分野での経験があるか
- 収支計画が現実的か
- 資金使途が明確か
これらをクリアできれば、1000万円の融資は十分に現実的な金額です。
ステップ1:自己資金の準備(今すぐ始めよう)
まず、自己資金が必要です。「1000万円借りるのに自己資金が必要なんて矛盾してない?」と思われるかもしれませんが、金融機関にとっては、あなたが本気で起業しようとしているかを見極める重要な指標なのです。
目安は借入希望額の1〜3割。つまり、1000万円借りたい場合、最低でも100万円〜300万円の自己資金が必要になります。
ワンポイントアドバイス: 給与口座とは別の専用口座に毎月積み立てをして、「見える自己資金」を作っておきましょう。通帳の履歴が融資の審査材料になります。
ステップ2:経験の棚卸し(キャリアの強みを明文化)
「この人なら成功する」と思ってもらえるよう、経験やスキルを明文化していきましょう。日本政策金融公庫では「過去に同業種での経験があるか」を重視します。必ずしも起業経験でなくてもOK。営業職・管理職の経験なども強みになります。
ワンポイントアドバイス: 履歴書や職務経歴書をもとに、自分の得意分野や実績を書き出してみてください。意外な経験が武器になります。
ステップ3:収支計画と事業計画書の作成(ここが勝負)
事業計画書は、いわば「資金調達のパスポート」。いい加減な計画書では、たとえ自己資金があっても融資は通りません。特に重要なのは、以下の3点です。
- 売上の根拠があるか(マーケットイン思考)
- 支出を見積もれているか(固定費、変動費)
- キャッシュフローが黒字化するタイミングが明示されているか
ワンポイントアドバイス: 同業種の相場や業界データを使って、現実的な数字を盛り込みましょう。数字に説得力があれば、融資の成功率はグンと上がります。
ステップ4:融資面談に向けた準備(面接で差がつく)
事業計画書が完成したら、いよいよ融資面談。ここでは、書類の内容とあなた自身の「人柄・誠実さ・本気度」が審査されます。
よくある質問と回答例:
- 「なぜ起業しようと思ったのですか?」 →「会社員時代に●●の経験を積み、もっと自分の力でお客様に価値を提供したいと思ったからです」
- 「売上の見通しは甘くないですか?」 →「同業他社の事例を分析し、保守的に見積もっています」
面接で焦らないために、想定問答集を作っておくのもオススメです。
よくある質問(FAQ)
Q. 貯金ゼロですが、1000万円借りる方法はありますか?
A. 現実的にはかなり厳しいです。少なくとも100万円以上の自己資金を積む努力を始めましょう。
Q. 会社員を辞めてからでないと申請できませんか?
A. そんなことはありません。むしろ、会社員のうちから準備し、退職前に融資審査を受けることも可能です。
Q. 日本政策金融公庫以外で借りる方法は?
A. 地方自治体の制度融資、信用保証協会付きの融資などがあります。セットで検討するのが賢明です。
Q. 保証人や担保は必要ですか?
A. 日本政策金融公庫の創業融資は、基本的に無担保・無保証でOKです。ただし、事業内容や融資額によって異なります。
まとめ:今日から始められること
最後に、あなたが今日から始められる3つのことを紹介します。
- 毎月1万円でもいいので起業資金を貯め始める
- 起業分野の市場をネットでリサーチしてみる
- 自分の職務経歴を見直し、「強み」を紙に書き出す
1年後のあなたが、安心して融資の申請に臨めるよう、今から準備を始めましょう。
おわりに
起業は決して夢物語ではありません。「正しい知識」と「確かな準備」があれば、会社員でも国から1000万円を借りて、安心して第一歩を踏み出すことができるのです。
不安を安心に変えるためにも、まずは行動を始めてみてくださいね!
ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























