
起業準備中に知っておくべき!「連携」の意味と活かし方
はじめに:起業は“ひとり旅”ではありません
「起業したら、自分の力で何とかしなきゃ…」そう思っていませんか?
もちろん、起業家には自立心が大切です。でも、ズバリ言います。
起業は“ひとり旅”ではありません。むしろ、周囲との「連携」こそが成功のカギなのです。
この記事では、起業1年前の会社員の方に向けて、「連携」の意味をわかりやすく解説しながら、起業準備にどう活かせるのかを、実務的な視点で丁寧にお伝えしていきます。
「連携」とは何か?基本のキホンをおさえよう
辞書的に見ると、「連携」とは次のように説明されます。
二者以上が目的を共有し、役割分担しながら協力すること。
…と、少しかたい印象ですね。もっとかみ砕いて言うと、
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お互いの力を合わせて
-
目的を共有しながら
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一緒に行動すること
たとえば、こんな場面で「連携」が発揮されます。
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商品開発で、デザイナーと開発者がチームになる
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セミナー運営で、集客と講師を分担する
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起業準備で、税理士と事業主が一緒に事業計画を作る
つまり、「一人ではできないことを、信頼できる他者と組んでやる」のが連携なのです。
連携の形はひとつじゃない!5つのスタイルで考える
連携と一口にいっても、実はさまざまな形があります。ここでは代表的な5つのパターンをご紹介しましょう。
① リソース連携型(例:場所・人材の共有)
起業初期は、オフィスや人材を持つのも一苦労。そんなときは、リソースを持つ他者と連携して始めるのが得策です。
例: コワーキングスペースをシェアする、広報スタッフを兼任でシェアする
ポイント: 固定費を抑えつつ、スピード感をもって事業が立ち上げられる
② プロジェクト連携型(例:期間限定の協業)
「このサービスだけ、一緒にやりませんか?」というスポット的な連携も効果的です。
例: 一定期間限定の共同セミナー開催、キャンペーン連動施策
ポイント: 短期で成果を見極められるため、お試し協業にも最適
③ ブランド連携型(例:イメージアップ・信用構築)
実績やネームバリューのある相手と組むことで、自社のブランド価値も高まります。
例: 地元百貨店のコーナーで新商品を販売、大学と共同研究
ポイント: 相手の信用を“借りる”ことで、資金調達や営業が有利に
④ 情報連携型(例:マーケティング・ニーズ把握)
事業を形にする前から、「連携して情報を得る」という発想も大切です。
例: 業界団体に参加して市場ニーズを把握、ターゲット顧客との座談会を共催
ポイント: 調査・分析費用をかけずに“生きた情報”が手に入る
⑤ 感情連携型(例:共感・理念の共有)
最も大切なのは、「一緒にやりたい」と思える価値観の一致です。
例: 子育て支援をしたい仲間と保育支援事業を立ち上げる
ポイント: 使命感や理念に共感する人との連携は長続きしやすい
起業支援の現場から:連携の成功事例3選
中野がこれまで支援した中から、特に印象的な「連携による成功例」をご紹介しましょう。
【事例1】脱サラ×農家の「体験型旅行ビジネス」
旅行業界にいた30代会社員が、地元の農家と連携し、「収穫体験+地元グルメ+宿泊」をセットにした体験型旅行を展開。
成功ポイント:
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農家は集客が苦手 → 旅行業の知見が活かされた
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会社員は土地勘が弱い → 農家が現地のネットワークを提供
【事例2】管理栄養士×パーソナルトレーナーの健康事業
栄養と運動、両面からアプローチできるサービスを立ち上げ。SNSで話題となり、顧客単価もアップ。
成功ポイント:
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それぞれの専門性を掛け合わせて「新しい価値」を創出
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お互いにないスキルを尊重し、良い関係を築いた
【事例3】ITエンジニア×伝統工芸職人のEC事業
ECサイト構築が得意な元エンジニアが、販路に困っていた伝統工芸の職人と組み、海外向け販売を実現。
成功ポイント:
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職人はモノづくり、エンジニアは売る仕組みを担当
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販路を一気に拡大し、海外ファンも増加
実際にやってみよう!起業前からできる「連携力」の鍛え方
「でも、今は会社員で、まだ起業していないし…」という方にこそ、今からできる連携の第一歩をご紹介します。
✅ 観察する
まずは、社内外で「うまく連携している人・組織」を観察するクセをつけましょう。「あの部署とあの部署、どうやって協力してるんだろう?」と考えるだけでも、良い学びになります。
✅ 聞いてみる
ちょっと気になる人に「どうやってその人と組んだんですか?」と聞いてみるのも◎。意外と教えてくれますし、自分のつながりにもなります。
✅ 小さく試す
まずは社外のイベントで知り合った人と「一緒にセミナーやってみる?」というノリで始めてみましょう。規模より“実行力”が信頼につながります。
まとめ:起業家に必要なのは「ひとりで頑張る力」ではなく…
ズバリ言います。
起業において、最も大切なのは“ひとりで頑張る力”ではありません。
むしろ、
-
人とつながり、
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役割を分担し、
-
協力し合いながら、
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一緒に成功を目指す力
すなわち、「連携力」こそが、起業家に求められる最重要スキルなのです。
あなたの夢を実現するための“仲間”は、意外とすぐ近くにいるかもしれません。
まずは、ひとつ。誰かと話してみませんか?
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。