会社員から起業を目指すあなたへ 「利子補給制度」のススメ
こんにちは。起業コンサルタント（R）、税理士・行政書士・特定社労士・FPの中野裕哲です。
今回は、1年後に起業を目指して準備を進めている会社員の方へ、「利子補給制度」についてわかりやすく解説いたします。
はじめに：資金繰りは起業のカギ
ズバリ言います。起業の成功を大きく左右するのは、「資金繰り」です。どんなに素晴らしいアイデアや情熱があっても、お金が底をついてしまっては続けられません。
その中でも、創業時の融資を受ける際、後から「こんな制度、知っていればよかった！」と後悔される方が多いのが、「利子補給制度」です。制度そのものを知らずに、ただ利息を払い続けてしまうことも珍しくありません。
利子補給制度とは？
利子補給とは、融資を受けた際の利息の一部を、国や地方自治体などが補助してくれる制度です。つまり、借入をした後の利子負担を軽くしてくれる、ありがたい仕組みです。
たとえば、創業融資を受けた場合、自治体が利子の一部（または全額）を補給してくれることがあります。これにより、実質的な返済負担が軽減され、キャッシュフローに余裕が生まれるのです。
どんな人が使えるの？
一般的には、以下のような条件を満たす方が対象となることが多いです：
- 一定の要件を満たす創業者（設立後間もない会社など）
- 自治体の融資あっせん制度を利用して融資を受けた方
- 補助対象となる業種や地域に該当する方
なお、各自治体によって条件や補助率が異なりますので、事前に確認が必要です。
いつ・どこで申請するの？
多くの場合、以下の流れになります：
- 自治体の制度融資窓口で相談・申込
- 金融機関を通じて融資実行
- 利子補給制度の申請
中には、制度融資申込時点で利子補給の申請も同時に行うケースもあるため、最初の相談時点で確認しておくのがベストです。
利子補給を活用するメリット
ポイントはここです。利子補給を活用することで：
- 実質的な利息負担がゼロまたは大幅減少
- キャッシュフローが改善し、事業運営がしやすくなる
- 融資後の安心感が違う
といった効果が期待できます。創業初期の運転資金に少しでも余裕ができることは、事業継続において非常に重要です。利息を支払わずに済む分、そのお金を広告宣伝や仕入れに回すなど、経営の自由度が大きく広がります。
注意点も知っておこう
ただし、次の点には注意してください：
- 利子補給が受けられるのは一定期間（たとえば3年間など）
- 補助対象の融資限度額や補助率に上限がある
- 一部の制度では先着順や予算枠に制限あり
つまり、利用するためには「早めに情報収集＆行動」することがポイントです。
起業予定の会社員が今すぐできる準備
ここで、起業まで1年あるあなたにオススメしたいこと。それは、次の3つです：
- 自治体の制度融資情報を調べる（例：○○市 創業融資）
- 自分の創業計画を明確にしておく（どこで・何を・どのように）
- 起業に詳しい専門家に一度相談してみる
特に3番目はとても大事。知らない情報を得られるだけでなく、計画のブラッシュアップにもつながります。専門家の意見を仰ぐことで、見落としていたリスクや改善ポイントが明確になることも多々あります。面談時には事業内容だけでなく、資金調達の方法やスケジュール感も一緒に確認すると、より具体的な行動計画が描けますよ。
よくある質問（FAQ）
Q1. 利子補給と補助金・助成金はどう違うの？
A1. 利子補給は「融資の利息を減らす制度」で、補助金・助成金は「原則として返済不要のお金」です。目的や申請先も異なります。
Q2. 利子補給だけ利用することはできる？
A2. できるケースもありますが、多くは制度融資とセットで使う仕組みです。事前に自治体に確認を。
Q3. 申請は面倒ですか？
A3. 正直に言うと、少し手間はかかります。ただし、専門家と一緒に進めればスムーズに進めることが可能です。
まとめ：賢く制度を使って、安心の起業スタートを
利子補給制度は、起業直後の不安定な時期において、資金繰りの心強い味方です。知らなかったでは済まされない制度の一つでもあります。
ぜひ今のうちから、制度の情報をキャッチして、計画的な準備を進めてください。
そして、もし「自分の場合はどうなの？」と迷ったら、どうぞお気軽にご相談くださいね。あなたの起業を全力で応援しています！
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの？といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております！
この記事を書いた人
中野裕哲／Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授（起業論、ゼミ等）
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援！「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル（事業計画＋融資＋補助金＋会社設立支援）＋起業後の総合サポート（経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関）など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫／Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫（旧国民金融公庫）に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
