
日本政策金融公庫とは?会社員のあなたが1年後に起業するために知っておくべきこと
「起業したいけれど、資金が心配…」
そんなあなたに知っておいていただきたいのが、日本政策金融公庫(以下、公庫)です。
ズバリ言います。起業の資金調達において、公庫の存在は避けて通れません。
この記事では、これから1年後に起業を考えている会社員の方に向けて、公庫とは何か、どう付き合うべきかを丁寧にご説明します。
日本政策金融公庫とは?簡単にいうと…
公庫とは、国が100%出資している政府系の金融機関です。略して「日本公庫(にっぽんこうこ)」とも呼ばれます。
「民間銀行ではなかなかお金を借りられない創業者や中小企業に、できるだけ低い金利で融資をすること」が大きな使命です。
つまり、これから起業しようとする人にとっては、まさに“起業の味方”となる存在なのです。
日本政策金融公庫の3つの特徴
特徴1:自己資金が少なくても融資を受けやすい
創業融資では、自己資金の目安として「必要資金の1〜2割」が求められますが、公庫はそのハードルを下げてくれる制度もあります。
とくに「新創業融資制度」は、自己資金が十分でなくても審査対象になるのが魅力です。
特徴2:無担保・無保証人でも借りられる
通常の銀行融資では「担保」や「保証人」が必要になることが多いですが、公庫の創業融資は、無担保・無保証人で借りられることが多いのが特徴です。
これは起業準備中の会社員にとって大きな安心材料です。
特徴3:返済期間が比較的長い
公庫は、融資の返済期間を長めに設定してくれる傾向があります。たとえば運転資金であれば5年、設備資金なら7年〜10年といった設定が可能です。
この“ゆとり”が、起業直後の資金繰りにおいて非常にありがたいのです。
日本政策金融公庫で借りられる金額は?
「いくらまで借りられるの?」とよく聞かれますが、創業時の融資額は一般的に100万円〜1000万円程度。
特に初めての融資では、300万円〜500万円の借入が多いです。
ただし、事業計画や自己資金、経験などによって審査結果は変わります。
融資を受けるためのステップ
では、実際にどのような流れで融資を申し込むのか。
ステップ1:自己資金を貯める
まずは通帳にコツコツと入金を。これが「信用」となります。
ステップ2:事業計画書を作成する
売上や経費の見込み、競合分析など、リアリティのある数字を盛り込みましょう。
ステップ3:面談の準備をする
自分のビジネスについて、自信をもって説明できるように練習しておきます。
具体的な成功事例
事例:40代男性・会社員→飲食業で独立
- 自己資金:50万円
- 起業前から副業でケータリング経験あり
- 綿密な事業計画書を作成し、公庫から300万円の融資を受けて独立
FAQ:よくある質問
Q. 日本政策金融公庫はどこにありますか?
A. 全国の主要都市に支店があります。お住まいの地域の支店に申し込みを行います。
Q. 審査は厳しいですか?
A. 銀行よりは柔軟ですが、やはり準備不足だと落ちる可能性はあります。事業計画と自己資金、起業への本気度が見られます。
Q. 融資実行までどのくらい時間がかかりますか?
A. 面談から融資実行までは約3週間〜1ヶ月が目安です。
Q. 起業前に申し込むことはできますか?
A. はい。開業予定日より前に申し込みが可能です。
まとめ:公庫を知ることが第一歩
起業の夢を現実にするためには、資金という現実と向き合う必要があります。
そのとき、最も身近で心強い存在が「日本政策金融公庫」です。
会社員のあなたが1年後にスムーズに起業するためにも、今から情報を集め、準備を始めましょう。
私自身も多くの起業家をサポートしてきましたが、「早く準備を始めた人ほど、余裕を持って起業できている」というのが実感です。
ぜひ一度、日本公庫のホームページを見てみてください。そして、わからないことがあれば、お気軽にご相談くださいね。
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。