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コラム

社員が次々辞めるとき何から手をつけるべきか

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社員が次々と辞めて止まらない…離職の連鎖を止めるために中小企業がまず手をつけるべきこと

「一人辞めると、つられるように次々と退職者が出る」「採用しても追いつかず、現場が回らない」——社員の連鎖退職は、中小企業や個人事業主にとって経営を揺るがす深刻な問題です。焦って求人を出しても、根本の原因が残っていれば人はまた辞めていきます。

この記事では、社員が次々辞める状況に直面したときに「何から手をつけるべきか」を、優先順位をつけて整理します。まず連鎖を止めるための応急処置、そのうえで辞めない職場をつくる仕組みづくりまで、中小企業の現場で実行できる順番で解説します。なお労働法や雇用関連の制度は変わることがあるため、制度面の判断は執筆時点の情報を前提に、最新の内容を確認してください。

なぜ社員が「次々」辞めるのか——連鎖退職が起きる仕組み

退職が一人で止まらず連鎖するのには理由があります。一人が辞めると、その人が担っていた業務が残ったメンバーに上乗せされ、負担が増えます。さらに「あの人も辞めたなら自分も」という心理的なハードルの低下が起こり、もともと不満を抱えていた人の退職を後押しします。

つまり連鎖退職は、たまたま重なった偶然ではなく、職場に共通する不満(待遇・人間関係・労働時間・評価への納得感など)が表面化した結果であることがほとんどです。だからこそ、個別の引き留めだけでなく、原因そのものに目を向ける必要があります。

まず手をつけるべき3つのこと

連鎖退職が起きているときは、長期的な制度改革よりも先に、出血を止める応急処置を優先します。次の3つから着手しましょう。

① 辞めた理由・辞めそうな人を把握する

最初にやるべきは「現状の見える化」です。直近で辞めた人の退職理由を、可能な範囲で振り返ります。本音は表に出にくいものですが、複数人に共通する理由があれば、それが連鎖の引き金になっている可能性が高い部分です。あわせて、今いるメンバーの中で「辞めそうな人」の心当たりも洗い出します。原因の見当をつけることが、すべての対策の出発点になります。

② 今いる社員の不満に応急処置を打つ

原因の見当がついたら、すぐに手を打てるものから対応します。過重になっている業務の再分担、一時的な人員配置の見直し、ハラスメントの兆候があれば即座の対応など、「現場の負担をこれ以上増やさない」ことを最優先にします。残ったメンバーが「会社は動いてくれている」と感じられるだけでも、連鎖の勢いは弱まります。

③ 辞める前のサインを見逃さない

退職は突然ではなく、その前に必ずといっていいほどサインが出ます。発言が減る、遅刻や欠勤が増える、業務への関心が薄れる、といった変化です。日常的に短い面談(1on1)の機会を設け、不満や不安を早めに拾える状態をつくっておくと、辞める前に対話するチャンスが生まれます。

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連鎖退職を止めたら、次は「辞めない仕組み」をつくる

応急処置で出血を止めたら、同じことを繰り返さないための仕組みづくりに移ります。ポイントは、特定の社員の頑張りや「気合い」に頼らず、誰が担当しても回る形にすることです。

  • 入社後の受け入れ(オンボーディング)を整える:最初の数か月で「ここでやっていけそう」と感じてもらえるよう、教育担当・初期の目標・相談先を明確にします。
  • 評価と待遇の納得感を高める:何を評価するのかを明文化し、給与や条件が同業他社と比べて極端に見劣りしていないかを確認します。
  • 定期的に声を聞く場をつくる:面談やアンケートで不満を定期的に拾い、小さなうちに改善する習慣をつけます。

とはいえ、自社だけで「採用」と「定着」の両輪を組み立て直すのは負担が大きいものです。何から仕組み化すればよいか整理したい場合は、採用がうまくいっている会社の型を知る専門家の伴走を活用すると、遠回りを避けられます。

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やってはいけない対応

連鎖退職に焦ると、かえって状況を悪化させる対応をしてしまいがちです。次の3つは避けましょう。

  • 原因を放置したまま採用だけ増やす:入口を広げても、辞める原因が残っていれば「採っては辞める」を繰り返すだけです。
  • 辞める人を一方的に責める:残ったメンバーは「次は自分かも」と感じ、かえって離職を後押しします。
  • 引き留めのために場当たり的な特別待遇を出す:その場しのぎの条件提示は、他の社員との不公平感を生み、新たな不満の火種になります。

よくある質問(FAQ)

Q. まず何から始めればいいですか?
A. 「辞めた理由の把握」から始めてください。原因がわからないまま対策を打っても効果が出にくく、優先順位を間違える原因になります。

Q. 退職を引き留めるべきですか?
A. 本人の意思が固い場合、無理な引き留めは逆効果になることもあります。引き留め以上に、残るメンバーの不満に手を打つことを優先しましょう。

Q. 採用と定着、どちらを先に手をつけるべきですか?
A. 連鎖退職が起きている局面では、まず「辞めない手当て(定着)」が先です。穴の空いたバケツに水を足しても貯まらないのと同じで、流出を止めてから採用に力を入れるほうが効率的です。

まとめ

社員が次々辞めるときは、求人を増やす前に「辞めた理由の把握」「今いる社員の不満への応急処置」「辞めるサインの早期発見」の3つから着手します。連鎖を止めたうえで、オンボーディング・評価・対話の仕組みを整えれば、同じ事態の再発を防げます。原因を放置した採用増や、場当たり的な引き留めは逆効果です。自社だけで立て直すのが難しいと感じたら、採用と定着の両面を見られる専門家に早めに相談することで、現場の負担を抑えながら立て直しを進められます。

中野裕哲 採用定着関係紹介画像

この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など

【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧婚状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。

同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。

大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。

ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、数々の実績を残しています。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

  • 経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一
  • 補助金・助成金支援実績600件超
  • ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版(累計25万部超)
  • 無料相談件数は全国から累計3,000件超

この記事を書いた人

坂井 優介(Yusuke Sakai)

起業コンサルタント® / 採用定着士 / 行政書士法人V-Spirits 補助者

1988年東京都生まれ。転勤族の父の影響で幼少期を愛知・長野・岩手・埼玉で過ごす。転入するたびに方言や文化の違いをからかわれつつも、1週間もあれば現地に溶け込む適応力を身につける。

大学在学中に公認会計士試験にチャレンジするも挫折し、アルバイト先だった埼玉の大手学習塾に就職。塾業界特有の過酷な労働環境の中でも10年間勤務を続けるが、成果を上げても給与が変わらない状況に限界を感じ、在職中に会計士試験に再挑戦。再び挫折するも、学んだ会計知識を活かせる職場を求めて転職活動を開始。2021年にV-Spiritsグループに参画し、2022年よりV-Spirits総合研究所の常務取締役に就任。

現在は、中小企業の経営者向けに補助金・助成金の支援から採用定着の仕組みづくりまで幅広く担当。「制度を使いこなす中小企業を増やす」をテーマに、現場に寄り添ったサポートを行っている。

役職:V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役 / 税理士法人V-Spirits 業務部長 / 社会保険労務士法人V-Spirits 業務部長
担当業務:経済産業省系補助金支援・厚生労働省系助成金支援・マーケティング・人事労務・採用定着支援

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