
「創業融資はいつ申し込むのがベストか」「創業前と創業後、どちらが有利か」「決算前と決算後、どちらに動くか」――起業準備中の方から多く寄せられる質問です。創業融資は申込時期によって、審査の通りやすさや借入条件、活用できる支援制度が変わります。
本記事では、創業融資の最適な申請タイミングを実務目線で整理します。創業前後の段階別の選択肢、準備期間の組み立て方、避けたほうがいいタイミングまでをまとめます。
創業融資の申込タイミングの全体像
創業融資は、創業前後のさまざまなタイミングで申し込めます。各タイミングのメリット・デメリットを整理します。
1. 創業の半年〜1年前
- メリット:時間的余裕を持って事業計画を練り上げられる、自己資金を積み上げる時間がある、複数の調達先を比較検討できる
- デメリット:事業実態がまだ無いため、計画の信頼性で勝負することになる
- 向くケース:開業準備をしっかりやりたい方、創業期に資金で困りたくない方
2. 創業の1〜3ヶ月前
- メリット:事業計画が具体化し、設備・物件・取引先が確定している
- デメリット:審査期間(1〜2ヶ月)を考慮すると、開業日と着金日がギリギリになる
- 向くケース:事業計画・物件・取引先が固まり、開業日が確定している方
3. 開業直後(開業から3ヶ月以内)
- メリット:開業届・謄本が取得できている、初期売上の実態が見える
- デメリット:開業時に必要な設備資金は、自己資金で立て替える必要がある
- 向くケース:開業時の初期投資を自己資金で済ませ、運転資金を借りたい方
4. 開業後3ヶ月〜1年
- メリット:数ヶ月分の売上実績データを提示できる、初期の運営状況を見せられる
- デメリット:1期目の決算書がまだ出ない時期は、月次試算表で代用する必要
- 向くケース:開業時の自己資金では運転資金が回らなくなってきた、追加で設備投資したい方
5. 開業後1〜3年
- メリット:1期目・2期目の決算書が出ている、実績データが充実
- デメリット:初期の赤字が決算に出ている場合、マイナス材料になる可能性
- 向くケース:事業拡張・追加投資の局面
6. 開業後3〜7年
- メリット:事業が安定期に入り、決算書から返済余力を判断しやすい
- デメリット:「創業者」としての特別利率・特別保証メニューが適用されないケースが出てくる
- 向くケース:事業の成長フェーズで、より大きな投資が必要になった
創業前と創業後、どちらが有利か
結論から言うと、「自社の状況による」というのが正直なところです。一般的な傾向を整理します。
創業前のほうが有利になりやすいケース
- 事業計画書を緻密に作り込める
- 市場参入のための物件・設備が高額で、自己資金では立て替えできない
- 創業初日から資金繰りに余裕を持って動きたい
- 創業者向け特別利率・特別保証メニューを最大限活用したい
創業後のほうが有利になりやすいケース
- 同業界での経験が豊富で、創業前から取引が見込める
- 創業時の必要資金がさほど大きくなく、自己資金で開業できる
- 開業後の数ヶ月で売上実績が見えそうで、その実績で勝負したい
- 計画ベースより実績ベースの方が説得力が出ると判断できる
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























