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コラム

【元公庫支店長が明かす創業の極意8】 自己資金はどれだけ必要?

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自己資金はどれだけ必要?
創業時の自己資金と融資額は?

 公庫へ融資申込をする時に、どれだけの自己資金を準備しておけばいいのか不安に感じることが多いと思います。『創業計画書』を作成する時に、自分が蓄積したものや親戚・友人・から出資してもらう場合もあります。その際の留意点も考えてみましょう。

金額ベースか比率か!
資金調達について、WEBとかで『300万円から500万円の範囲なら大丈夫』、『1,500万円無担保で融資決定』等々、幅広く取り上げられることもあります。
そこで、公庫へ申し込みする時、自己資金は「1/2あるいは1/3は必要」と言われていることが多いようです。しかし、公庫の融資制度案内では、自己資金について明確な基準が記載されていません。
資金計画の中で、出来るだけ多くの自己資金を準備しておくことは大切ですが、審査担当者からすれば、少なくとも、必要資金の「1/10」があればひとまず安心をして、調査を進めてくれるでしょう。
しかし、100万円の自己資金で、融資1500万円の調達事例もあります。これは、業種・業態、資金使途といった事業計画の内容と申込人の総資産の厚さ等によって、融資可能となります。申込人の事業展開や総資産さらに経営環境等を総合的に判断するからです。
申込金額や自己資金「1/10」に捉われず、まず事業計画を作成し、トライしてみることが重要です。

資金調達の仕方も重要!
預貯金について通帳を提示することになりますが、審査担当者に好感を持たれるのは、毎月コツコツと貯めた自己資金です。金額の多寡ではなく、起業に向けての計画性だけでなく強い意志と努力が伺われるからです。もちろん、資産には、貯蓄性のある保険や投資信託も含めます。
一方、自己資金として親戚・友人からの調達があります。調達として、幅を持たせることは良いと考えられます。ここでのポイントは、出資なのか借入なのかを明確にすることです。いずれの場合も、申込人の信用力や協力者がいるといえます。しかし、それらについて、振込の事実や借用書だけでなく、その裏付となる年収や背景など具体的に示せるようにしておかないと,審査員が不信に思います。自信の無いものは、計画書には計上しないことです。

融資額は実質自己資本と関連している!
 融資する側からは、融資のリスクの問題があります。分かりやすく言えば、「返済してもらえるか?」「最終的に回収できるか?」という大きな課題があります。
 ここでは、実質自己資本といった見方がでてきます。これは、総資産から総負債を差し引いた金額です。総資産とは、現金・預金、保険金、車、不動産の時価評価額の総合計金額です。負債は、車のローン残高、住宅ローン残高の総合計金額です。この総資産から総負債を差し引いた金額を実質自己資本といいます。
 実質自己資本がマイナスであれば、負債過多の倒産状況で、融資は中々難しくなります。但し、マイナスの要因が不動産の時価評価損等の場合は、融資につながるケースもあります。このプラスの部分は、融資してもここから回収ができる根拠となり、融資額の一つの目安となります。
申込者自身で自己資本を算出することをお勧めします。融資額の参考となります。

まとめ
自己資金は、起業への意気込みや、理解者、協力者等の経営環境を見ていく重要な材料となります。予定だけでなく現実の資料や通帳などで示していくことも大切です。
 自分の貸借対照表(資産、負債)を作成することで、今後、起業していく中での財務に関心を持つことができます。また、融資金額については、担当者と相談していけば、解決方法が出てきます。自己資金の世間の風評を気にせず、事業計画をしっかり立てていくことが重要です。

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