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コラム

補助金と融資の使い分けはどう考える?専門家が資金調達の基本を解説

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補助金と融資の使い分けはどう考えるか【専門家が解説】

「補助金と融資、どちらを使えばいいのでしょうか」という質問は、起業直後の経営者からよく聞かれます。補助金は返済不要で魅力的に見えますし、融資はすぐに手元に資金が届く。それぞれに良さがあるため、どちらを優先すべきか判断に迷うのは当然のことです。
実際には、どちらか一方が正解というわけではなく、目的や状況によって適切な使い分けがあります。この記事では、補助金と融資の根本的な違いを整理したうえで、それぞれをどのような場面で活用すべきか、また組み合わせ方についても、実務的な観点から解説します。

補助金と融資の根本的な違い

補助金と融資の最も根本的な違いは、「返済の有無」です。

補助金は、国や地方自治体から交付される資金で、要件を満たせば返済不要です。事業者にとっては実質的な「収入」となるため、財務への影響が大きいメリットがあります。

融資は、金融機関から借り入れる資金で、利息をつけて返済する義務があります。調達した資金は手元に届きますが、毎月の返済が発生するため、資金繰りへの影響も考慮する必要があります。

もう一つ大きな違いは「確実性」です。

融資は、審査を通過すれば資金を受け取れます。事業計画書と自己資金がある程度整っていれば、1〜2ヶ月程度で資金調達が完了します。一方、補助金は申請したからといって必ず採択されるわけではありません。採択率は補助金の種類によって異なりますが、人気の高い補助金では50%を下回ることもあります。また、採択されても交付金が実際に振り込まれるまでに半年〜1年以上かかる場合があります。

さらに、補助金には「後払い」の仕組みがある点も要注意です。多くの補助金は、先に事業者が費用を支払い、後から補助金が交付される「実績払い」が基本です。つまり、補助金を受け取る前に、いったん手持ちの資金や融資で費用を立て替える必要があります。

補助金を使うべき場面

補助金は、大きな設備投資や新サービスの開発など、「事業拡大のための投資」に向いています。

代表的な補助金として、ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金などがあります。いずれも、特定の用途(設備投資、ITツールの導入、販路開拓など)に限定して補助金が交付される仕組みです。

補助金が特に有効なのは、次のような場面です。

  • 新しい設備・機械を導入したい(ものづくり補助金等)
  • 会計ソフトや在庫管理システムを導入したい(デジタル化・AI導入補助金等)
  • 新商品の開発・試作を行いたい(ものづくり補助金等)
  • 新たな販路を開拓したい(持続化補助金等)

返済不要のため、投資額の一部を実質的に無償で賄えるのは大きなメリットです。ただし、補助金の要件(対象経費・事業内容・期間など)を満たす必要があり、申請書の作り込みも重要です。

融資を使うべき場面

融資は、「すぐに資金が必要な場面」や「日常的な運転資金の確保」に向いています。

創業時の初期費用(店舗の内装工事、在庫の仕入れ、人件費など)は補助金でカバーできないことが多く、融資が主な手段になります。また、補助金の採択を待っている間の「つなぎ資金」としても、融資が役立ちます。

融資が特に有効なのは、次のような場面です。

  • 創業時の初期費用を賄いたい
  • 運転資金(仕入れ・人件費・家賃など)が不足している
  • 売上が立つまでの数ヶ月間の資金ギャップを埋めたい
  • 補助金交付まで費用を立て替えるためのつなぎ資金が必要

融資は審査を通過すれば確実に資金を受け取れます。資金の使途も比較的自由度が高く、補助金のような細かい条件が少ないのが特徴です。

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弊社では、元日本政策金融公庫支店長の多胡や元信用金庫の法人営業の小峰を中心とした所属専門家チームが一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。 起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。 無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
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補助金と融資を組み合わせる戦略

実際の資金調達では、補助金と融資を組み合わせて活用することが、最も効果的なケースが多くあります。

ものづくり補助金と銀行融資の組み合わせ

たとえば、設備投資1,000万円を検討している場合を考えてみましょう。ものづくり補助金の採択が決まれば、補助額は最大で補助対象経費の2分の1〜3分の2程度(補助上限は制度・類型による)になります。ただし、補助金の交付は後払いのため、先にすべての費用を用意する必要があります。

この場合、銀行融資で1,000万円を調達し、設備投資を実施します。後日、補助金が交付されたら、その資金で借入を繰り上げ返済するという流れが組めます。補助金採択という実績を示すことで、銀行が融資を前向きに検討しやすくなるメリットもあります。

創業融資と持続化補助金の組み合わせ

創業時は、まず日本政策金融公庫の創業融資で運転資金・設備資金を調達します。並行して、小規模事業者持続化補助金に申請し、採択されれば販路開拓にかかる費用(チラシ・ウェブサイト制作・展示会出展費用など)の一部を補助金でカバーします。
この組み合わせは、創業直後の負担を分散しながら、事業の立ち上げを加速できる実践的な戦略です。

失敗しない資金調達の考え方

補助金頼みのリスク

補助金は魅力的ですが、「採択されることを前提に事業を進める」のは危険です。補助金が採択されなかった場合でも事業が成り立つように、融資や自己資金で基本的な資金計画を立てておくことが大切です。
また、補助金には「対象外の費用」が必ずあります。人件費や家賃は多くの補助金で対象外になっており、日常的な運転資金は補助金だけで賄うことができません。補助金はあくまで「特定の投資を後押しするもの」として位置づけ、主たる資金調達は融資で確保するという考え方が基本です。

融資残高の管理

融資は手元に資金が届くため、つい借りすぎてしまうことがあります。毎月の返済額が売上に対して過大になると、資金繰りが慢性的に苦しくなります。融資を申し込む際は、月々の返済額が売上の何パーセントになるかを必ず確認し、無理のない借入計画を立てることが重要です。
目安として、月々の返済額が売上の10〜15%程度に収まるようにすることが望ましいとされています(事業の収益構造によって異なります)。

資金調達のタイムラインを意識する

補助金の採択結果が出るまでに数ヶ月、交付まで半年〜1年かかることを考えると、補助金の申請と融資の申し込みは並行して進めるのが現実的です。「補助金が決まってから融資を申し込む」という順序では、資金が手元に届くタイミングが大幅に遅れてしまいます。

まとめ

補助金と融資の使い分けについて、重要なポイントをまとめます。

  • 補助金:返済不要。設備投資や新サービス開発などの投資費用に向いている。採択は確実ではなく、後払いが基本。補助金だけに頼る計画は危険。
  • 融資:返済必要。創業資金・運転資金・つなぎ資金など、幅広い資金ニーズに対応。確実性が高く、資金調達の主軸として考えるべき手段。
  • 組み合わせ:融資で基盤を固め、補助金で投資の一部をカバーするのが現実的な戦略。

「補助金か融資か」という二択で考えるより、「融資を軸に、補助金を加算する」という発想で資金計画を組み立てることが、経営の安定につながります。どの補助金が自社の事業に合うか、融資はいくら必要かを整理するには、専門家のサポートが大きな助けになります。ぜひ一度ご相談ください。

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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