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コラム

建設業の補助金申請で損する5つの瞬間|採択後の落とし穴まで解説

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独立したばかりの建設業者が補助金申請でよくやる5つの失敗

一人親方から法人化したばかりの建設業者や、独立して数年の工務店・解体業・電気工事業の経営者にとって、補助金は設備投資の負担を軽くしてくれる心強い制度です。しかし「申請したのに不採択になった」「採択されたのに賃上げ目標が未達で返還を求められた」という声も少なくありません。補助金は書類を出せば必ずもらえる制度ではなく、審査と事後チェックがある「審査型」の制度だからです。

この記事では、建設業の経営者が補助金申請でつまずきやすい5つの失敗パターンを、対象になりやすい補助金の全体像とあわせて整理します。なお本記事は執筆時点(2026年7月)の公募要領・公開情報にもとづく一般的な解説です。補助金は公募回・年度ごとに要件や上限額が変わるため、実際の申請前には必ず最新の公募要領をご確認ください。

建設業が使える補助金の全体像

建設業の設備投資・省力化投資で候補になりやすい補助金は、主に次の3系統です。目的で使い分けるのが基本になります。

  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠): 新しい工法・サービスの開発や、既存業態とは異なる新分野(ICT施工の外販、太陽光施工、ドローン測量事業など)への進出を伴う設備投資が対象になりやすい制度
  • 中小企業省力化投資補助金(一般型/カタログ注文型): 既存の現場の人手不足・工程のムダを、設備・システムの導入で解消する投資が対象。既製品をそのまま導入するならカタログ注文型、自社の現場に合わせて機器を組み合わせるオーダーメイド寄りの投資なら一般型が候補になる
  • 小規模事業者持続化補助金: 商工会・商工会議所の伴走支援を受けながら、ホームページ制作や展示会出展など販路開拓に取り組む小規模事業者向けの制度

「うちの投資はどれに当てはまるか分からない」という段階でつまずくケースも多いですが、実はそれ以上に、制度を選んだ後の申請の進め方そのもので失敗するケースが目立ちます。ここから5つの失敗パターンを見ていきましょう。

失敗①:「補助上限1億円」など最大値だけを見て投資計画を立てる

中小企業省力化投資補助金(一般型)は「補助上限1億円」と紹介されることが多い制度です。しかしこの1億円は、従業員数が最も多い区分(101人以上)で、かつ大幅賃上げ特例まで適用した場合の最大値にすぎません。実際の上限額は従業員規模によって細かく分かれており、数名〜十数名規模の建設会社であれば、現実的には数百万円〜数千万円程度の区分に該当することがほとんどです。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金も同様です。革新的新製品・サービス枠の上限「3,500万円」、新事業進出枠の上限「9,000万円」は、いずれも最大規模の従業員数区分に大幅賃上げ特例を適用した場合の最大値であり、無条件にもらえる金額ではありません。「上限1億円だから重機を丸ごと入れ替えられる」といった見込みで資金計画を立ててしまうと、採択後に想定より補助額が少ないと分かり、資金繰りが狂う原因になります。

申請前には、自社の従業員規模に当てはまる補助上限額を公募要領の規模別区分で確認し、「最大でいくらまで」「自社の規模では現実的にいくらまで」を分けて資金計画に反映させることが欠かせません。

失敗②:交付決定前に重機やシステムを発注してしまう

補助金は、原則として交付決定の通知を受けたあとに発注・契約・支払いを行った経費だけが対象になります。これは新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、中小企業省力化投資補助金のいずれにも共通するルールです。

建設業では、現場の稼働を止められない事情から、油圧ショベルや測量機、施工管理システムなどを「採択発表を待たずに」先に発注してしまうケースが起きがちです。しかし交付決定前の発注・契約・支払いは、たとえ採択されても補助対象外になります。工事の繁忙期と重ならないよう、申請から交付決定までのスケジュールに余裕を持たせ、「採択されるまで発注しない」を徹底することが、失敗を防ぐ最も基本的な対策です。

失敗③:賃上げ・生産性向上の目標を「とりあえず」で設定してしまう

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、一人当たり給与支給総額を年平均+3.5%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする計画が基本要件になっています。中小企業省力化投資補助金(一般型)でも、労働生産性を年平均+4.0%以上伸ばす計画と、賃上げ目標の達成が求められます。

これらの目標はいずれも「未達の場合は達成率に応じて返還が発生しうる」という重い条件がついています。採択されやすくしたい一心で、実態とかけ離れた高い目標を計画書に書いてしまうと、数年後の実績報告で未達が発覚し、補助金の一部または全部を返還する事態になりかねません。人手不足で一人当たりの生産性を上げやすい建設業だからこそ効果を見積もりたくなりますが、根拠のある水準で計画を立てることが、あとで苦しまないための防御策になります。

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補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

失敗④:事業計画書の作成を外部に丸投げして主体性が見えなくなる

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、事業計画は申請者自身が作成することが前提とされており、外部への丸投げは不採択や採択取消の対象になり得ます。申請代行や専門家に相談すること自体は問題ありませんが、「何を、なぜ、どう省力化・新事業進出させるのか」を自社の言葉で説明できる状態にしておくことが欠かせません。

実際の現場では、忙しさのあまり計画書の中身を十分に理解しないまま専門家に任せきりにしてしまい、審査や実績報告の場面で自社の投資内容をうまく説明できず、信頼性を損なうケースが見られます。専門家に相談する場合も、計画の背景にある自社の課題(人手不足の工程はどこか、なぜその設備が必要か)は経営者自身が把握し、いつでも説明できるようにしておきましょう。

失敗⑤:補助金が「後払い」であることを見落とし資金繰りが崩れる

補助金は基本的に、設備を導入して代金を支払ったあとに実績報告を行い、審査を経て入金される「精算払い(後払い)」の制度です。採択されたからといってすぐに補助額が振り込まれるわけではありません。

建設業では、重機や測量機などの初期費用が大きくなりがちなため、いったん自己資金や融資でその全額を立て替える必要があります。この立て替え期間の資金繰りを見込んでいないと、「採択はされたのに手元資金が足りず設備を導入できない」という本末転倒な事態にもなりかねません。補助金の申請と同時に、つなぎ資金としての創業融資・制度融資の活用もあわせて検討しておくと安心です。

建設業ならではの対象経費の見分け方

建設業の投資では、次の視点で対象経費かどうかを見分けると判断しやすくなります。

  • 汎用品・車両は対象外になりやすい: 一般的な乗用車や汎用パソコン、通常の建物・土地の取得費用などは、多くの補助金で対象外とされています
  • 専用設備・システムは対象になりやすい: ICT施工向けのマシンガイダンス・マシンコントロール機器、測量用のドローンや3Dレーザースキャナー、施工管理・原価管理システムなど、自社の工程に合わせた専用性の高い設備・システムは対象になりやすい傾向があります
  • 「新製品・新サービスの開発」か「既存業務の省力化」かで筋が変わる: ドローン測量を新たに事業化して外部に販売するなら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、自社の測量業務を省力化するだけなら中小企業省力化投資補助金が候補になります

同じ設備でも、何のために導入するかで対象になりやすい制度が変わります。導入目的を整理してから制度を選ぶことが、遠回りに見えて実は最短ルートです。

申請前チェックリスト

  • 自社の従業員規模に当てはまる補助上限額を確認したか(最大値だけを見ていないか)
  • 交付決定前に発注・契約・支払いをしていないか
  • 賃上げ・生産性向上の目標を、根拠のある水準で設定したか
  • 事業計画の中身を経営者自身が説明できる状態にしているか
  • 後払いであることを踏まえた資金繰り計画(つなぎ資金)を用意しているか

よくある質問

Q. 中古の重機を購入する場合も補助金の対象になりますか?

A. 制度・公募回によって中古品の扱いは異なり、一律には言えません。対象になるかどうかは、検討している設備の種類とあわせて最新の公募要領で確認するか、専門家に相談することをおすすめします。

Q. 補助金と融資はどちらを先に検討すべきですか?

A. どちらか一方ではなく、組み合わせて考えるのが基本です。補助金は後払いのため、設備代金は融資や自己資金でいったん用意し、実績報告後に補助金で一部を取り戻す形になります。資金繰り全体を見据えて、あわせて計画することが大切です。

Q. 補助金を受け取った場合、税務上どう扱えばよいですか?

A. 補助金は課税対象になる場合があり、圧縮記帳などの会計処理が関わることもあります。具体的な会計・税務上の扱いは個々の事情によって判断が分かれるため、税理士など専門家に確認することをおすすめします。

まとめ

建設業が補助金申請でつまずくポイントは、制度そのものの複雑さよりも「最大値だけを見た資金計画」「交付決定前の発注」「無理な賃上げ目標」「計画書の丸投げ」「後払いを踏まえない資金繰り」といった、申請の進め方に関する部分に集中しています。裏を返せば、この5つを押さえておくだけで、不採択や返還のリスクは大きく減らせます。独立したばかりで申請の勝手が分からないうちは、無理に一人で抱え込まず、補助金支援の実績がある専門家に早めに相談しながら、自社の実態に即した計画で進めていきましょう。

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弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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