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コラム

予知保全システムの補助金|製造業が使える3制度と「ものづくり補助金」の落とし穴【2026年度】

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予知保全システムの導入に使える補助金|製造業向けに省力化・AI導入の3制度を比較

「設備が突然止まって生産が丸一日ストップした」「ベテラン保全担当が退職して、異常の予兆を読める人がいなくなった」——こうした課題から、センサーやAIで設備の故障を事前に察知する予知保全システムの導入を検討する製造業が増えています。ただ、システム一式で数百万円から一千万円を超えることもあり、「補助金は使えるのか」「どの制度が自社に合うのか」で迷う経営者の方は少なくありません。

この記事では、2026年度(執筆時点)に予知保全システムの導入で活用しやすい補助金を、製造業の目線で3つに絞って比較します。あわせて、多くの方が誤解しやすい「ものづくり補助金では予知保全は通りにくい」という落とし穴や、申請前に必ず押さえておきたい注意点まで整理します。数字や要件は制度改正で変わりやすいため、申請時は必ず公式の公募要領で最新情報をご確認ください。

予知保全システムの導入に補助金は使えるのか

結論からお伝えすると、予知保全システムの導入は補助金の対象になり得ます。ただし「予知保全だから対象」ではなく、その投資が現場の省力化・生産性向上につながるか、あるいはITツールによる業務効率化にあたるかという切り口で、使える制度が変わります。

予知保全システムは、振動・温度・電流などを測るセンサー、データを集める通信機器、異常を判定する監視ソフトやAIを組み合わせて構成されるのが一般的です。この「複数の機器とシステムを自社の設備に合わせて組み合わせる」という性質が、後述する省力化投資補助金の要件と相性がよく、製造業では本命の選択肢になりやすいのが特徴です。

予知保全システムに使える主な補助金3つ

ここでは、製造業が予知保全システムの導入で検討しやすい補助金を3つ取り上げます。いずれも補助金名や上限額は正式名称のまま記載しますが、実際の補助額は枠・従業員規模・賃上げの取り組みによって変わります。

1. 中小企業省力化投資補助金(一般型)

人手不足の解消や工程のムダ削減を目的に、自社の課題に合わせた設備・システム導入を支援する制度です。補助上限は1億円と大きく、予知保全システムのように「センサー・通信機器・監視ソフトを組み合わせて設備保全を自動化する」投資と方向性が合います。

ポイントは、対象になるのがオーダーメイド性のある設備だという点です。省力化に資する汎用設備を複数組み合わせる場合や、導入環境に応じて周辺機器の数や搭載機能が変わる場合は対象になり得ます。逆に、汎用設備を単体でそのまま導入するだけでは対象外です。予知保全は複数機器の組み合わせで成り立つため、この要件は説明しやすいテーマといえます。ただし、3〜5年の事業計画で労働生産性を年平均+4.0%以上伸ばす計画と賃上げ目標が求められ、未達の場合は返還が発生しうる点には注意が必要です。

2. デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)

事務局に登録されたITツール(ソフト・クラウド等)の導入を支援する制度です。予知保全のうち、AIによる異常検知ソフトやクラウド型の設備監視サービスが投資の中心になるケースと相性があります。補助上限は通常枠で450万円、複数社が連携して共通基盤を導入する枠では3,000万円と、枠によって性格が大きく異なります。

この制度は、登録されたIT導入支援事業者(ベンダー等)の支援を受けて申請するのが前提で、導入するツールも登録品であることが求められます。大がかりな設備投資というより、ソフト・クラウド中心でスモールスタートしたい場合に検討しやすい制度です。

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見落としがちな落とし穴:ものづくり補助金は予知保全に使いにくい

「設備投資の補助金といえば、ものづくり補助金」というイメージから、予知保全システムもこの制度で申請しようと考える方がいます。しかし、ここには注意が必要です。

2026年度は「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」が統合され、正式名称は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金になりました。そのうち設備投資に使われやすい革新的新製品・サービス枠は、あくまで「革新的な新製品・新サービスの開発」を支援する枠であり、既存の製品・サービスの生産プロセス改善は対象外と公募要領に明記されています。

予知保全システムの導入は、多くの場合「既存の生産ラインをより安定して動かす=生産プロセスの改善」にあたります。そのため、新製品・新サービスの開発を伴わない予知保全単体の投資は、革新的新製品・サービス枠では通りにくいのが実情です。予知保全を起点に、これまで提供していなかった新しいサービス(たとえば自社の保全ノウハウを外販するなど)を新たに立ち上げるといった明確な「新規性」がある場合を除き、まずは省力化投資補助金を軸に検討するのが現実的です。

申請前に押さえておきたい3つの注意点

どの補助金を使う場合でも、製造業の予知保全投資でつまずきやすいポイントは共通しています。次の3点は申請前に必ず確認してください。

  • オーダーメイド性を計画で示す:省力化投資補助金(一般型)では、汎用機器を単体で買うだけでは対象外です。センサー・通信・監視ソフトをどう組み合わせ、自社の設備に合わせて構成を変えるのかを、事業計画のなかで具体的に説明する必要があります。
  • 賃上げ要件と返還リスク:省力化投資補助金や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金には、労働生産性の向上や賃上げの目標が要件として設定されています。未達の場合は補助金の返還が発生しうるため、達成できる水準で計画を組むことが大切です。
  • 交付決定前の発注はしない:多くの補助金では、交付決定前に契約・発注・購入したものは対象外です。「先に設備を買ってから申請」は失敗の典型例なので、必ず交付決定を待ってから発注してください。

予知保全システムの補助金に関するよくある質問

Q. 中古の設備やセンサーでも補助金の対象になりますか。
制度により扱いが異なりますが、対象外とされる場合が多く、対象になる場合でも条件が付くことがあります。中古品を組み込む予定がある場合は、公募要領で対象範囲を確認し、必要に応じて専門家に相談するのが安全です。

Q. PCやタブレットなど汎用品も一緒に補助してもらえますか。
汎用品の単なる購入は対象外になりやすい経費です。予知保全システムの中核となる専用機器・システムが投資の主軸であることが前提になります。

Q. 補助金と融資はどちらを使うべきですか。
補助金は原則後払い(精算払い)のため、導入時にはいったん自己資金や融資で立て替えるのが一般的です。補助金と融資は対立するものではなく、資金繰りの観点から組み合わせて考えるのが現実的です。

まとめ

予知保全システムの導入に使える補助金は、投資の中身によって選ぶべき制度が変わります。設備・システムを組み合わせた省力化が主軸なら中小企業省力化投資補助金(一般型)、AIソフトやクラウド監視が中心ならデジタル化・AI導入補助金。一方で、ものづくり補助金の後継である新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の革新的新製品・サービス枠は、既存の生産プロセス改善が対象外のため、予知保全単体では使いにくい点に注意しましょう。

どの制度が自社に合うかは、設備構成・従業員規模・賃上げの計画によって変わります。制度選びや事業計画の組み立てで迷ったときは、早めに専門家へ相談することで、申請の失敗や制度のミスマッチを防ぎやすくなります。なお、補助金の要件や上限額は制度改正で変わるため、申請前には必ず最新の公募要領をご確認ください。

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弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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