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コラム

土木会社の補助金は決算日から逆算|ICT施工・測量DX投資が受注側で効く時期

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土木会社のICT施工・測量DX投資は補助金と経営事項審査の2つの時計で決まります

ICT建機や測量機、点群処理ソフトの見積を取り始めると、最初に調べるのは「この機器は補助金の対象になるのか」だと思います。ただ、公共工事を発注者から直接請け負っている土木会社の場合、投資の時期を決めているのは補助金の日程だけではありません。建設業法にもとづく経営事項審査は、事業年度終了の日を基準にして数字を見ます。同じ機器でも、どちらの期の決算に載るかで、受注側で効き始める時期が1年ずれることがあります。

この記事では、補助金の対象判定だけで投資時期を決めたときに起きやすい4つのずれと、見積を依頼する前に決めておきたい3項目を整理します。以下は2026年8月時点の情報です。

土木会社の設備投資には、動いている時計が2つあります

1つめは補助金の時計です。公募の締切、採択発表、交付決定と進み、そこから補助事業の実施期間が始まります。2つめは受注側の時計です。公共性のある施設または工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならないと建設業法第27条の23第1項が定めています。これが経営事項審査で、同条第2項では経営状況と、経営規模・技術的能力その他の客観的事項を数値で評価するとされています。

この2つは別々の基準日で動きます。補助金は交付決定日から実施期間を数え、経営事項審査は事業年度終了の日を基準にします。設備の導入は1回でも、効き方は2本立てです。

落とし穴1:補助金の日程だけで決めると、設備が載る決算期が1年ずれます

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠の第1回公募は、2026年6月29日に公募が始まり、締切は2026年9月30日18時、採択発表は2026年12月頃とされています。補助事業実施期間は交付決定日から10か月以内(ただし採択発表日から12か月以内)です。交付決定前の発注・契約・購入は補助対象外ですので、機器が現場に入るのは早くても翌年の前半になります。

ここで決算月を重ねてみてください。3月決算の会社であれば、この流れで導入した機器が貸借対照表に載るのは翌期の決算です。経営事項審査は事業年度終了の日を基準にしますので、導入が1か月ずれるかどうかで、審査に反映される期が1年変わることがあります。期をまたぐ前提で組んでおけば、想定外の空白は生まれません。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

審査する側にいたころに感じていたのは、締切から採択発表までの過ごし方で、その後の段取りが変わるということです。第1回公募は2026年9月30日18時が締切で、採択発表は12月頃とされています。交付決定を待つ間は発注できませんが、受注側で必要になる書類の棚卸しは、この時期に進められます。手が空く期間だと考えないほうが、後が軽くなります。

落とし穴2:経営事項審査で数える項目を見ないまま、機器の構成を決めています

建設業法施行規則第18条の3第1項は、経営事項審査の客観的事項を、経営規模と技術的能力に加えて8つ挙げています。建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況、建設業の営業継続の状況、法令遵守の状況、建設業の経理に関する状況、研究開発の状況、防災活動への貢献の状況、建設機械の保有状況、国または国際標準化機構が定めた規格による認証または登録の状況です。

このうち土木会社の設備投資に直接かかわるのが、7号の建設機械の保有状況です。ただし、どの機種が数えられるかは国土交通大臣が定める審査の項目及び基準によりますので、導入を検討しているICT建機や測量機がそこに含まれるかは、許可行政庁が公表している資料で確認してください。補助金の対象経費に入ることと、経営事項審査で数えられることは別の判定です。片方だけを見て構成を決めると、もう片方で数えられない買い方になることがあります。

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補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

落とし穴3:1年7月を有効期間とだけ覚えて、契約日から逆算していません

建設業法施行規則第18条の2は、経営事項審査を受けなければならない建設業者について、当該建設工事の発注者と請負契約を締結する日の1年7月前の日の直後の事業年度終了の日以降に、経営事項審査を受けていなければならないと定めています。実務では1年7月という数字だけが独り歩きしがちですが、条文が起点にしているのは契約を締結する日です。

設備投資でこれが効くのは、「新しい機器を入れた期の数字で受けた審査を、いつ結ぶ契約に使いたいのか」という順序で考えたときです。狙う工事の入札時期が先に決まっているなら、そこから逆算してどの期の決算で審査を受けるかが決まります。決算月の変更は税務上の判断を伴いますので、検討が必要になった場合は税理士に相談してください。

落とし穴4:補助事業の実施期間と、事業年度経過後の提出期限が重なっています

建設業法第11条第2項は、許可に係る建設業者は毎事業年度終了の時における書類を、毎事業年度経過後4月以内に提出しなければならないと定めています。3月決算であれば7月末が期限です。一方、補助事業の実施期間は交付決定日から10か月以内ですので、実績報告や支払いの整理がこの時期に重なることがあります。どちらも数字を扱う作業で、社内で担当する人も重なるです。実施期間の後半をどの月に置くかは交付決定の時期で決まりますが、社内の割り振りは先に決められます。

投資の重心で、候補になる制度は入れ替わります

制度を選ぶときは、上限額の大きさではなく、投資の重心がどこにあるかで見てください。2026年度に本文で扱える主な候補は次のとおりです。

  • 中小企業省力化投資補助金(一般型):補助上限1億円。単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れることが前提で、対象はオーダーメイド性のある設備です。汎用設備を複数組み合わせる場合や、導入環境に応じて構成が変わる場合が該当し、汎用設備の単体導入は対象外です。労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画が求められ、賃上げ目標が未達なら返還が発生しうる設計です。
  • デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金):補助上限は通常枠450万円、インボイス枠350万円、複数者連携デジタル化・AI導入枠3,000万円。事務局に登録されたIT導入支援事業者の支援を受けて申請する前提で、対象ツールも登録品です。クラウド利用料は最大2年分が対象経費に含まれます。
  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠:補助下限100万円。補助上限は従業員規模別で、5人以下750万円、6〜20人1,000万円、21〜50人1,500万円、51人以上2,500万円(大幅賃上げ特例の適用時は各850万円、1,250万円、2,500万円、3,500万円)です。補助率は中小企業者2分の1、小規模企業者等は3分の2。新製品・新サービスの開発を伴わない単なる導入は対象外です。

見積を依頼する前に決めておきたい3項目

  1. 狙う契約の時期:どの発注時期の工事に間に合わせたいのかを先に置きます。施行規則第18条の2が契約日を起点にしている以上、ここが決まらないと審査を受ける期も決まりません。
  2. 設備を載せる決算期:補助金の日程で自然に決まる期と、受注側で載せたい期が一致しているかを確認します。ずれる場合は、ずれる前提で社内の説明を作っておきます。
  3. 機器とソフトの割り振り:機械装置が主軸なのか、ソフトとクラウドが主軸なのかで、候補になる制度が入れ替わります。見積を分けて出してもらうと、後の比較が楽になります。

よくある質問

Q. 測量機やソフトだけの投資でも補助金の対象になりますか。

A. 制度によって判定が分かれます。中小企業省力化投資補助金(一般型)はオーダーメイド性が求められるため、汎用設備を1台入れるだけでは対象になりません。ソフトとクラウドが重心なら、デジタル化・AI導入補助金のほうが制度設計に合います。

Q. 補助金で導入した機器は、経営事項審査でそのまま数えられますか。

A. 建設機械の保有状況は施行規則第18条の3第1項第7号の客観的事項に含まれますが、対象になる機種は国土交通大臣が定める審査の項目及び基準によります。導入予定の機器が該当するかは、許可行政庁の公表資料で確認してください。

まとめ

土木会社のICT施工・測量DX投資は、補助金の対象判定で終わる話ではありません。交付決定から実施期間へ進む補助金の時計と、事業年度終了の日を基準にする経営事項審査の時計を並べ、どの期に設備を載せるかを先に決めてください。次にやることは、狙う契約の時期を1つ決めて、そこから決算期をさかのぼることです。申請前に公募要領と許可行政庁の公表資料で最新の内容を確認してください。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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