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FA機器の補助金は金額要件だけでは決まらない|オーダーメイド性の判定と申請前に潰す5つの穴

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FA機器の補助金は金額要件だけでは決まらない|オーダーメイド性の判定と申請前に潰す5つの穴

FA機器の導入に省力化補助金は使える?対象から外れる5つの落とし穴と制度の選び分け

「センサや制御盤、PLCを入れ替えて工程を自動化したい。省力化の補助金が使えるらしいので調べている」——製造業の設備更新でよくあるご相談です。ただ、FA機器は工作機械や配膳ロボットのような「1台で完結する完成設備」とは性質が違います。制御・計測・搬送といった機能を担う部品の集合体で、単体では汎用品として扱われやすいという特徴があります。

この違いを踏まえずに申請準備を進めると、要件そのものは満たしているのに対象から外れる、という結果になりがちです。この記事では、従業員十数名から数十名規模の製造業を想定して、FA機器の投資が補助金の対象から外れやすい5つのポイントと、投資の目的別にどの制度を見るべきかを整理します。

結論:FA機器は「単体で買う」と対象から外れやすい

FA機器の導入で最初に候補になるのは、中小企業省力化投資補助金(一般型)です。人手不足の現場に合わせて設備やシステムを組む投資を支援する制度で、補助上限は最大1億円です。

ただし、この制度が対象にしているのは「オーダーメイド性のある設備」です。参照している社内資料では、対象設備の要件が次のように整理されています。

  • 省力化に資する汎用設備を複数組み合わせることで、より高い省力化効果や付加価値を生み出す場合
  • 事業者の導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合

逆に、単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外とされています。FA機器はまさに汎用設備に分類されやすい領域なので、「センサを何個買うか」ではなく「どの工程を、どの機器の組み合わせで作り替えるか」を示せるかどうかが分かれ目になります。

落とし穴1:単価50万円以上の機械装置を入れれば通ると考えている

中小企業省力化投資補助金(一般型)には、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れる、という設備投資要件があります。この金額要件は分かりやすいため、ここだけを見て「うちのサーボモータ一式は超えているから大丈夫」と判断してしまうケースがあります。

しかし社内資料では、この要件を満たしていてもそれだけでは足りず、複数設備の組み合わせ等でオーダーメイド性を示す事業計画が必要である、と明記されています。金額要件は入り口の条件であって、対象性の判定はその先にあります。見積書の合計金額ではなく、事業計画の中身で判断される制度だと考えてください。

落とし穴2:制御盤・PLC・センサを1台だけ入れ替える計画になっている

老朽化した制御盤の更新や、PLCの世代交代だけを内容にした計画は、省力化そのものより設備の維持更新に見えてしまいます。制度の主題はあくまで現場の省力化と生産性向上なので、更新のみでは説明が弱くなります。

実務でよく効くのは、機器単位ではなく工程単位で切ることです。たとえば「投入・加工・検査・搬送・記録」のうち、どの工程で誰の手が何時間空くのかを先に決めてから、そこに必要なセンサ・制御機器・搬送機構・上位ソフトを組み合わせる、という順番で組み立てます。この組み合わせと構成の変更こそが、先ほどのオーダーメイド性の要件に直接つながります。

落とし穴3:ソフトと機械装置の切り分けをしていない

FA化の計画には、生産管理システムや稼働監視のソフトウェアがほぼ必ず絡みます。ここで、投資の主役がどちらなのかを整理しないまま進めると、制度選びを間違えます。

ソフトウェアやクラウドの導入が主役であれば、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が候補です。補助上限は通常枠450万円、インボイス枠350万円、複数者連携デジタル化・AI導入枠3,000万円で、事務局に登録されたIT導入支援事業者の支援を受けて申請することが前提になります。対象ツールも登録品が前提で、PC・タブレット等のハード単体購入は対象外です。

一方、現場に据える機械装置が主役で、ソフトがその制御・可視化のために一体で入るのであれば、省力化投資補助金側で機械装置・システム構築費として組む形が自然です。同じ「工場のDX」という言葉でも、経費の重心がどちらにあるかで見る制度が変わります。

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補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

落とし穴4:カタログ注文型を単独で申請しようとしている

中小企業省力化投資補助金には、カタログに登録された省力化製品から選んで導入するカタログ注文型もあります。無人搬送車や検品・仕分システムなど、既製品でそのまま使える機器が対象で、即効性を重視する場合の選択肢です。

ただしこの型には、中小企業等が販売事業者と共同で申請するという前提があり、単独申請は原則できません。商社や機器メーカーから見積を取る段階で、その相手が申請に加われるのかを確認しておかないと、後から申請体制を組み直すことになります。また、労働生産性(付加価値÷従業員数)を年平均成長率3.0%以上向上させる計画が必要で、計画未達時の減額規定もあります。

なお、カタログ注文型の補助上限は従業員規模や賃上げ計画の有無によって変わります。金額を前提に投資計画を組む場合は、申請しようとしている回の公募要領で必ず最新の区分を確認してください。

落とし穴5:見積の段階で発注を進めてしまう

FA機器は、盤の製作や特注治具の手配に時間がかかるため、納期を優先して先に発注をかけたくなる領域です。ここが最後の、そして最も取り返しがつかない落とし穴になります。

補助金では、交付決定前の発注・契約・購入は対象外とされています。採択されたかどうかではなく、交付決定の前かどうかで判定されるため、「採択の連絡が来たので発注した」というケースでも対象外になり得ます。納期の見通しは早めに取りつつ、契約行為そのものは交付決定を待つ、という進め方が必要です。制度ごとに取り扱いが異なる部分もあるため、対象制度の公募要領で確認しておいてください。

FA機器の投資で候補になる制度の選び分け

ここまでの内容を、投資の目的別に整理すると次のようになります。

投資の主題 候補になる制度 要点
既存工程の省力化・自動化(オーダーメイド構成) 中小企業省力化投資補助金(一般型) 補助上限は最大1億円。単価50万円税抜以上の機械装置が必要で、汎用設備の単体導入は対象外
既製の省力化機器を即効性重視で導入 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型) 販売事業者との共同申請が前提。労働生産性を年平均3.0%以上向上させる計画が必要
新製品・新サービスの開発を伴う設備投資 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠 単なる設備・システム導入や既存製品の生産プロセス改善は対象外。補助率は中小企業者2分の1
生産管理・稼働監視などITツールの導入 デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) 通常枠450万円。登録されたIT導入支援事業者の支援が前提

迷いやすいのは、一般型と革新的新製品・サービス枠の境目です。革新的新製品・サービス枠は新製品・新サービスの開発を支援する枠で、単なる設備・システム導入や、既存製品・サービスの生産プロセス改善は対象外とされています。FA化によって今までできなかった加工や精度を実現し、それを新しい製品として出すのであれば同枠、いまの製品をより少ない人手で作れるようにするのであれば省力化一般型、という切り分けになります。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

補助金は上限額から調べ始める方が多いのですが、FA機器の投資では先に下限を見たほうが早く判断できます。革新的新製品・サービス枠は補助下限100万円、新事業進出枠は750万円で、補助率2分の1なら新事業進出枠は補助対象経費が1,500万円ないと下限に届きません。上限側の数字も最大の従業員規模に大幅賃上げ特例を適用したときの最大値ですので、自社の規模で読み直してみてください。

申請前に確認しておきたい要件

制度の当たりがついたら、投資内容とは別に、計画側の要件を確認します。中小企業省力化投資補助金(一般型)では、3〜5年の事業計画で労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画が必要です。賃上げ目標も要件で、未達の場合は達成率に応じて返還が発生しうる設計になっています。

また、社内資料では対象外になりやすい例として、みなし大企業に該当する場合、直近3年の課税所得年平均が15億円超の場合、実態が確認できない場合、従業員0名の場合、外部任せで主体性がない場合が挙げられています。とくに最後の点は、事業計画を支援会社に丸投げした申請で問題になりやすい部分です。

よくある質問

中古のFA機器でも対象になりますか

制度ごとに取り扱いが異なるため、対象制度の公募要領で確認が必要です。いずれの制度でも、金額や新旧よりも「その投資でどの工程がどれだけ省力化されるか」を説明できるかどうかが判断の中心になります。

複数の補助金を組み合わせて申請できますか

国・公的制度との二重受給は対象外とされています。同じ事業計画・同じ経費を複数の補助金に計上することはできません。投資の内容を工程ごとに分けて、それぞれ別の事業として整理できるかどうかが検討の出発点になります。

スケジュールはどれくらい見ておけばよいですか

制度によって公募回次が異なります。参考として、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募は2026年6月29日から10月30日18時までが申請締切で、採択発表は2027年1月頃とされています(2026年8月時点)。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要なため、アカウント取得の期間も見込んでおいてください。

まとめ

FA機器の導入で省力化補助金を使えるかどうかは、機器の種類ではなく計画の組み方で決まります。押さえるべきは次の5点です。

  • 単価50万円税抜以上という金額要件は入り口にすぎず、オーダーメイド性の説明が別に要る
  • 機器単体の更新ではなく、工程単位で複数機器を組み合わせた構成にする
  • ソフトが主役ならデジタル化・AI導入補助金、機械装置が主役なら省力化投資補助金と切り分ける
  • カタログ注文型は販売事業者との共同申請が前提で、単独申請は原則できない
  • 交付決定前の発注・契約・購入は対象外。納期優先で先に契約しない

本記事の数字・要件は2026年8月時点の情報です。補助金は公募回ごとに要件が変わるため、申請前には必ず該当する回の公募要領をご確認ください。自社のFA化計画がどの制度に乗るのか、投資の切り分けから相談したい場合は、お気軽にお問い合わせください。

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弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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