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コラム

テーブルオーダーの補助金は台数では決まらない|1台あたりの単価と従業員数で変わる4制度の入口

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テーブルオーダーシステムに補助金を使うとき、卓数の前に数えておく2つの数字

テーブルオーダーシステムの見積を取り始めた飲食店から最初に出てくるのは「何台まで補助が出ますか」という質問です。ところが補助金の側は端末の台数を数えていません。見ているのは1台あたりの単価と、常時使用する従業員数の2つです。この2つが決まると、総額をいくら積み上げても入口の開く制度と開かない制度が先に決まります。卓数から見積を組む前に確認しておきたい数字の線を、2026年8月時点の制度で整理します。

テーブルオーダーの見積は卓数で決まる。それでも制度は総額を見ていません

テーブルオーダーシステムは、レジや券売機と違って導入台数を自分で決められない設備です。卓ごとに端末を置く設計なので、40席・20卓の店なら20台前後、これが3店舗になれば60台前後と、席数と店舗数がそのまま台数に置き換わります。見積の総額は卓数に比例して膨らみ、1店舗なら100万円台だったものが、複数店舗の一斉導入では数百万円の規模になります。

ここで「総額が大きくなったのだから上限額の大きい制度に乗るはずだ」と考えると判断がずれます。機械装置等の1つあたりの単価に条件を置いている制度があり、事業者の従業員数で上限額そのものが動く制度もあるためです。台数を増やして総額を押し上げても、単価の条件は満たせず、従業員数も変わりません。卓数から積み上げた総額は、見積書の金額としては意味がありますが、制度を選ぶ材料としては弱いということです。

数字の線その1:1つあたり50万円(税抜)という単価の条件

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、補助上限が1億円と大きい制度ですが、設備投資の条件として「単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れること」を求めています。テーブルオーダーの端末は1台あたり数万円のことが多く、20台並べても1台あたりの単価は上がりません。総額が100万円を超えていても、この条件だけを理由に外れる可能性があります。

さらにこの制度は、対象になる設備に「オーダーメイド性」を求めています。省力化に資する汎用設備を複数組み合わせてより高い省力化効果を生み出す場合や、導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合であれば、汎用設備でもオーダーメイド設備とみなされます。逆に、単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外です。端末だけを人数分そろえる計画は、この後者に読まれやすい形になります。

厨房側の表示機器、注文を集約するサーバー、既存の会計システムとの連携開発まで含めて構成が組まれ、店舗ごとに機器の数や機能が変わるのであれば、前者の説明が立ちます。

数字の線その2:常時使用する従業員数で上限が動く

中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)は、カタログに登録された省力化製品を選んで導入する制度で、販売事業者と共同で申請する形をとります。この制度の補助上限は、2026年3月19日の改定以降、従業員規模別に決められています。公式サイトの記載では、従業員5名以下が200万円、6名から20名が500万円、21名以上が1,000万円で、賃上げ要件を達成した場合はそれぞれ300万円、750万円、1,500万円です。補助率は1/2以下とされています。

ここが多店舗の事業者に効いてきます。店舗を増やすほど台数は増えますが、同時に従業員数も増えるため、上限額の枠は上に動きます。逆に1店舗で少人数の運営をしている店は、上限も200万円の枠から始まります。台数の話をする前に従業員数を数えておくと、届く上限額が先に分かります。

ただしこの制度は、カタログに登録された製品の導入が前提です。導入したい製品がカタログにあるかどうかで、そもそもこの入口に立てるかが変わります。労働生産性を年平均3.0パーセント以上向上させる計画も求められ、賃上げ目標が未達の場合は減額の対象になります。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

ハードではなくソフト側から入る場合

テーブルオーダーの費用は、端末というハードだけで構成されているわけではありません。注文画面のソフトウェア、初期設定、月々のクラウド利用料が同じ見積書に並びます。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、このソフト側から入る制度です。補助上限は通常枠が450万円、インボイス枠が350万円で、複数者連携デジタル化・AI導入枠は3,000万円とされています。

対象になるのは、ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、設定・研修・マニュアル作成・保守サポートといった導入関連費です。インボイス対応に必要なツールについては、タブレットなどのハードやレジ・券売機も類型により上限を設けたうえで対象に含まれます。ただし事務局に登録されたITツールであること、登録された支援事業者の支援を受けて申請することが前提です。クラウド利用料が2年分までという点は月額課金で長く使う仕組みでは効いてくるので、3年目以降は自己負担として残る前提で資金計画を組むことになります。

1店舗・少人数で運営している場合

小規模事業者持続化補助金は、補助率2/3、補助上限50万円が基本で、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされ、両方の要件を満たすと最大250万円になります。赤字事業者が賃金引上げ特例を使う場合の補助率は3/4です。機械装置等費や、機器のリース・レンタル料を含む借料が経費区分として用意されています。

この制度で先に確認するのは、対象になる小規模事業者の範囲です。飲食店は宿泊業・娯楽業には当たらないため、商業・サービス業の区分で判定され、常時使用する従業員は5人以下となります。会社役員・個人事業主本人・同居の親族従業員などは人数に数えません。店舗が増えて従業員を抱えるようになると、この制度の入口からは外れていきます。

第20回公募は申請受付開始が2026年11月5日、締切が2026年12月15日17時です。商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)の受付締切は2026年12月4日で、この日を過ぎた発行依頼は理由を問わず受け付けられません。申請にはGビズIDプライムのアカウントが要ります。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

事務局で申請書を見ていた立場から言うと、「テーブルオーダーシステム一式」という商品名のまま出てくる見積が目立ちます。制度の側にその商品名の区分はなく、代わりに置かれているのが汎用品かどうかという線です。汎用品は基本的に補助金の対象になりません。見積を受け取ったら、商品名ではなく制度側の区分に並べ替えるところから始めてみてください。

多店舗でまとめて入れるときに動く数字

複数店舗に一斉導入する計画では、2つの数字が同時に動きます。従業員数が増えるぶん上限額の枠は上がり、店舗ごとに卓数も既存システムも違うため、機器の数や機能が変わるという説明も立てやすくなります。一方で端末1台あたりの単価は店舗数を増やしても変わらないので、端末以外に何を組み込むかが分かれ目になります。全店の注文データを集約する基盤や既存の会計システムとの連携は、端末とは別の単価で見積が出ます。

なお、どの制度でも交付決定の前に発注・契約・支払を済ませると対象外になります。改装や繁忙期に合わせて先に発注する動きが起きやすい設備なので、発注の時期は制度側の日程に合わせて決めることになります。

見積を受け取ってから決める4項目

  • 常時使用する従業員数を数える:カタログ注文型の上限額の枠(200万円・500万円・1,000万円)と、小規模事業者持続化補助金の対象範囲(商業・サービス業は5人以下)がここで決まります。
  • 見積を単価順に並べ替える:1つあたり50万円(税抜)以上の機械装置等が構成のなかにあるかどうかで、省力化投資補助金(一般型)の入口が開くかが変わります。
  • ハードとソフトの金額比を出す:ソフトウェアとクラウド利用料が大きい構成なら、デジタル化・AI導入補助金の側から組む選択肢が出てきます。
  • 製品がカタログに登録されているかを販売店に確認する:登録があればカタログ注文型、なければ一般型やほかの制度という順で検討が進みます。

この4項目は、見積書と従業員名簿があればその日のうちに確認できます。制度の一覧を眺めるより先にここを埋めておくと、販売店との打ち合わせで話が早くなります。

まとめ

テーブルオーダーシステムの補助金は、端末を何台入れるかではなく、1台あたりの単価と常時使用する従業員数の2つで入口が決まります。台数を積み上げて総額を大きくしても、単価の条件は満たせず、上限額の枠も動きません。卓数から見積を組む前にこの2つを確認しておくと、選べる制度と選べない制度が早い段階で分かれます。

本記事の数字は2026年8月時点で公表されている情報にもとづきます。補助率・上限額・公募日程は公募回ごとに改定されるため、申請の前に各制度の最新の公募要領で確認してください。制度の選び方や事業計画の組み立てで迷う場合は、専門家に相談しながら進める方法もあります。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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