
起業直後に補助金は使える?開業前・1期目・雇用後の時期と準備を解説
起業の準備を進めていると、「補助金はいつから使えるのか」が気になる方は多いと思います。結論から言うと、開業前に申請できる国の設備投資系の補助金は限られており、使いにくいのが実情です。この記事では、開業前・開業後1期目・従業員を雇った後の3段階に分けて、どの段階で何が必要になるのかを整理します。
結論:開業前は補助金より自己資金と融資で開業資金を考える
開業資金は、まず自己資金と融資を組み合わせて考えるのが基本です。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、交付決定前の発注や契約が対象外とされています(執筆時点の情報)。そのため、補助金を開業資金の前提に置くのは避けたほうが安全です。
ステージ1:開業前に考えること
開業前の段階では、補助金の申請そのものより、事業計画と資金計画を固めることが先になります。どの設備が必要か、いくら必要かを見積もりで整理しておくと、後の判断がしやすくなります。
ただし、見積もりを取ったからといって、すぐに発注や契約をしてはいけません。補助金を後から使いたい場合は、交付決定前の発注や契約が対象外になるため、順番を間違えないことが大切です。また、事業計画は申請者自身が作成する必要があり、外部に丸投げすると不採択や取消の対象になります。
資金の組み方は、自己資金と融資を組み合わせて考えるのが一般的です。資金計画の組み立てに不安がある場合は、税理士や中小企業診断士などの専門家に相談すると安心です。
💬 執筆者の三浦から一言
補助金は、制度名が同じでも枠や従業員規模によって扱いが変わります。人から聞いた話を一般論のまま信じるより、申請したい枠の名前で公募要領を開き、該当する一文を読み比べるのが近道です。迷ったときは、制度名と枠名を添えて事務局に問い合わせると、確認の手間が減ります。
ステージ2:開業後〜1期目の決算まで
開業直後は、補助金の対象になるかどうかを条件ごとに確認する段階です。売上や実績がまだ少ない時期は、制度の条件に合うかを事前に見極めることが重要になります。
新事業進出枠は1期分の決算が必要
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の新事業進出枠は、創業後1年に満たない事業者は対象外です。申請には1期分の決算書が必要とされているため、1期目はまず事業を回して実績を作ることが、次の選択肢の前提になります。
省力化投資補助金は従業員0名だと対象外になりやすい
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、従業員0名が「対象外になりやすい例」として挙げられています。また、汎用の機械を1台買うだけでは対象になりにくく、複数の設備を組み合わせるなどして省力化の効果を計画で示す必要があります。
制度は改定されることがあるため、申請前に最新の公募要領や事務局(Jグランツ・各事務局サイト)で必ず確認してください。上記は執筆時点の情報です。
ステージ3:従業員を雇った後に検討できる枠
従業員を雇うと、中小企業省力化投資補助金(一般型)や、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠などを検討しやすくなります。ただし、従業員がいることは要件の一つにすぎず、雇えば必ず使えるという制度ではありません。
革新的新製品・サービス枠は、新製品・新サービスの開発を伴う投資が対象です。単なる設備の導入や、既存の製品・サービスの生産プロセス改善は、この枠では対象外とされています。新事業進出枠についても、1期分の決算が必要という点はステージ2と同じく確認が必要です。
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、賃上げ目標が要件で、未達の場合は返還が発生しうるため、無理のない計画を立てることが大切です。3〜5年の事業計画で生産性を伸ばす見通しを示す必要もあります。
ステージ別チェックリスト
開業前
- 事業計画と資金計画を作り、自己資金と融資の組み合わせを確認する
- 必要な設備は見積もりで整理し、発注や契約は補助金の確認後に行う
- 相談先(税理士・中小企業診断士など)を決めておく
開業〜1期目決算
- 新事業進出枠に1期分の決算が必要かを確認する
- 従業員0名が対象外になりやすい制度があるかを確認する
- 省力化の効果を、複数の設備の組み合わせなどで説明できるかを考える
従業員を雇った後
- 賃上げ目標を達成できる計画かを確認する
- 新製品・新サービスの開発を伴う投資かを確認する
- 3〜5年の事業計画で生産性を伸ばせるかを検討する
よくある質問
開業直後でも補助金は申請できますか
制度によります。新事業進出枠は創業後1年に満たない事業者は対象外とされているため、開業直後の申請は難しい場合が多いです。まずは制度ごとの条件を確認してください。
従業員がいなくても準備はできますか
準備は可能です。ただし中小企業省力化投資補助金(一般型)は、従業員0名が対象外になりやすい例として挙げられているため、雇用の予定も含めて計画を立てておくと安心です。
見積もりを取った後に発注してもいいですか
補助金を使う予定があるなら、交付決定の前に発注や契約をしないことが大切です。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、交付決定前の発注や契約は対象外とされています。制度ごとの扱いは、事務局の案内で必ず確認してください。
制度は改定されることがあるため、申請前に最新の公募要領や事務局(Jグランツ・各事務局サイト)で必ず確認してください。
まとめ
起業したら使える補助金は、開業前・1期目・従業員を雇った後の段階で変わります。開業前は自己資金と融資を組み合わせた資金計画を優先し、1期目は決算の積み上げを意識し、従業員を雇った後に制度の条件を一つずつ確認する、という流れで考えると整理しやすくなります。気になる制度がある場合は、最新の公募要領を確認したうえで、専門家に相談してみてください。
【無料相談のご案内】
弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























