今回は、【創業融資、銀行はどこをチェックしているか】について解説していきます。
誰しも創業融資を申込む時、不安やドキドキした気持ちがあるのではないでしょうか。これからという時に銀行から「No!」を突き付けられてしまった場合、事業計画の変更を余儀なくされます。そのような事が起きないよう以下のポイントをチェックしてみてください。
①行う事業について、詳細をきちんと説明ができる。
まずは、自身で行おうとしている事業を第三者である銀行にわかりやすく又は具体的に説明ができるかが大事なポイントです。
例えば、「コンサルティング事業」を行います。と説明しても、何を・誰に・どのようにが全く伝わりません。相手は、顧客から話を聞いて上司(最低2人以上)に報告して取り上げるかどうかを判断しています。銀行では、「とりあえず」という言葉は存在しません。やるかやらないかの2択ですので、ファーストインプレッションできちんと説明ができないと取り上げてもらうる確率は低くなります。
また、自身の経験から「強み」や他社との差別化などをきちんと説明できる事もプラス要素の一つです。
②販売先・仕入れ先等は具体的に決まっているか。
ここでは、事業開始後に売上は上がるのだろうか?それとも、売上が上がるまでにどの程度の時間を要するのか?を判断する材料として必須です。
融資する立場としては、1番大事な事は返済履行がきちんとなされることです。銀行もボランティアではないので、いつ上がるかわからない売上を返済原資として承認することはできません。(創業時はそのような計画もあるので最大1年の据置が付随しているのが一般的です。)企業によって様々ではありますが、基本的には1年以内に売上の見通しが立つことを銀行側に提示ができる計画が好ましいです。
③自己開示
銀行は新規取引企業と今後どのような取引をできるのかに重きをおいて考えています。「創業融資を取り上げたからおしまい」とは考えていません。その際に、銀行が気になっているのは個人情報です。具体的には、預貯金・金融資産・不動産の所有・その他家族状況などです。創業融資を取り上げることにより、個人の預金取引や、住宅ローン借換、資産運用と複合取引ができるのではないか?という目線で考えています。もしかしたら、企業側は創業融資をしてくれればそれで良いと思うかもしれませんが、融資は創業融資だけではありません。追加融資を依頼するケースも出てくるので、銀行との取引深耕という側面を大事にすることは今後に繋がることと考えられます。
④他の銀行に相談はしているのか。
銀行では、「メイン先」・「準メイン先」といった形で企業における銀行の立ち位置があります。目安は、融資金額や預金金額の一番多い銀行が「メイン」、次に多いのが「準メイン」といった形になります。創業時は銀行取引もほぼないので、あまり関係がないと思われがちですが、銀行は他の銀行がお断りした案件についてはより慎重に考える傾向があります。なぜなら、断るにもきちんとした理由があるからです。まれに近隣の銀行〇つ回って全部断られましたので来ました。というお客様もいました。残念ながらもうこの段階ではどこの銀行も前向きに取り上げるという事は難しくなります。
ですので、上記①~③についての事業計画等はきちんと策定してから銀行に相談に行くことをお勧めします。
⑤創業融資を申請するタイミング
最後に、創業融資を申請するタイミングをお話しします。タイミングは様々で、創業当初に申請する企業、6ヵ月後に申請する企業、1年が経過する前に申請する企業と様々です。ここでは2つの注意点を。
1つ目は、売上目途が立っていない場合については、創業してすぐのタイミングをお勧めします。理由は、事業計画書を基に審査が進んでいくので、足元の売上はさほど重要視されません。6ヶ月~1年が経過しようとしている時にも目途が立っていない場合については見方がガラッと変わるので要注意です。
2つ目は、創業当初から売上の目途が立っており今後取引量の増加が見込める企業の場合について。この場合には、主に銀行からの創業融資と日本政策金融公庫との協調融資で行い、融資金額は限度額いっぱいでの申請をお勧めします。過去にあった事例ですが、創業後売上が毎期倍増。大変喜ばしいですが足元では、人件費や仕入れや外注費などの支払が先行しあっという間にキャッシュフローがショートしてしまいました。融資申請は難航しましたが、なんとか希望通りに融資実行。銀行は創業から3年以内の追加融資審査は慎重になります。このような場合は、新しい「決算書」ができた段階ですぐに相談をしてみることをお勧めします。このように銀行融資はタイミングを逃してしまうと希望に添えないケースが発生します。
以上5つが、銀行が創業融資を取り上げるかどうかの視点となります。きちんと把握しておきたい部分ですね。
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