
起業家が心がけたい「自信」と「不安」のバランスとは?──揺れ動く心を資産に変える実践マインド
起業を志すとき、多くの人は「自信」と「不安」という二つの感情のせめぎ合いを経験します。どちらか一方に偏ると、判断を誤ったり、続ける力が弱まったりすることも。ここでは、自信と不安のバランスの取り方を「気づき・対策・習慣」の3段階で整理し、あなたのマインドをより強く、より柔軟に育むヒントをお伝えします。
① 自信とは何か、不安とは何か?
❖ 自信とは:
心理学では、「コア・コンフィデンス理論」という考え方があり、スキルと意欲が信念と掛け合わさることで成果につながるとされています。信念とは、自分にはできるという根拠ある確信です。
❖ 不安とは:不確実性を前に芽生える自然な警戒心
起業には常に資金・集客・事業継続の不確実性がつきまとうため、不安はむしろ正常な反応です。その不安が冷静に分析されず大きくなると、意思決定が止まるリスクにもなります。
② なぜバランスが必要か?
■自信だけでは盲目につながる
過度な自信は現実を軽視し、計画や準備をおろそかにしがちです。市場の変化や失敗のリスクを過小評価する恐れがあります。
■不安だけでは動きが止まる
逆に不安ばかり抱えていると、リスク回避に集中しすぎて行動できなくなり、チャンスを逃してしまうことも。不安なだけでは、事業を前に進める原動力になりません。
③ 自信と不安をバランスよく持つための3ステップ
Step 1:不安を「見える化」する
不安はぼんやりしているほど怖さが増します。まずは「書き出す・整理する・誰かに話す」ことで、自分の不安の正体を明らかにしましょう。不安の中身が分かると、対策も具体化できます。
Step 2:小さな成功体験を重ね、自信を育てる
「やってみる」→「振り返る」→「次へ進む」というサイクルを繰り返すことで、自信は自然に育ちます。スモールスタートや副業スタートを取り入れるのも有効です。
Step 3:支え合える関係をつくる
起業家は孤独感やプレッシャーを抱えやすいものです。信頼できる仲間やメンター、同じく起業を目指す人との繋がりを持つことで、不安を共有し、安心できる場が生まれます。
④ 実践的な「心の設計図」
バランス要素 | 事例・工夫例 |
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不安の明示化 | 不安リストを書き出し、友人や相談相手と確認する |
小さな挑戦設計 | 副業で週1件の行動、ミニ企画を2週間単位で実施 |
成果の見える化 | スキルアップ、売上などを振り返りノートに記録 |
心理的セルフケア | 定期的な休息、睡眠確保、趣味時間の確保 |
関係性の担保 | 振り返り会を月1回、同じ志を持つ仲間と実施、専門家のサポート |
⑤ 不安や焦りに対処するホットライン
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不安を感じたら:まずは書き出して第三者に話す
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自信が揺らいだら:過去の小さな成果を振り返り「できた証拠」を目に見える形にする
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悩むときは:専門家に相談、話すだけで気持ちが楽になる
■最後に:自信と不安のバランスは“あなたらしい起業マインド”
自信だけに頼ると盲点が見えづらくなり、不安だけだと前に進めずに立ち止まってしまいます。大事なのは「不安を見極め、行動に転換できる自信」と、不安が警鐘として機能する設計を心がけることです。
ここまで紹介したステップは、あなたのマインドを強く、柔軟に育てるヒントになります。どうバランスをとればいいか迷ったら、お気軽にご相談ください。感情を味方につけて、あなたらしい起業の第一歩を応援します。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。