
以下は動画の概要を記事風に説明したものです。詳細は是非動画をご覧ください。
価格設定は経営の命!アンカリング効果で売上とブランド価値を高める方法
はじめに
「価格は経営そのものだ」——これは京セラ創業者・稲盛和夫氏の言葉です。
実際、価格設定ひとつで商品の売れ行きや企業イメージは大きく変わります。価格戦略を誤れば、「安いだけの会社」というレッテルを貼られ、逆に上手く活用すれば、高級感やお得感を自在に演出できます。
今回は、その中でもマーケティング心理学で重要な**「アンカリング効果」**にスポットを当てて、価格戦略の実践的な考え方をご紹介します。
1. アンカリング効果とは?
アンカリングとは、船の錨(アンカー)のように最初に提示された情報が、その後の判断基準として固定されてしまう心理効果のことです。
たとえば、テレビショッピングでよく見る
「通常価格98,000円のところ…本日限り25,000円!」
というパターン。
最初に「98,000円」という高い数字を見せられることで、25,000円がとても安く感じられます。
2. 日常に溢れるアンカリングの事例
メーカー希望小売価格
家電や車など、多くの商品に「メーカー希望小売価格」が設定されています。これも事実上のアンカーです。
医療機器の例
MRIの定価は6億円。しかし、値引き後の販売価格は2億円。
「6億円→2億円」だと大幅値引きに感じますが、最初から「2億円です」と言われたら、ただ高額なだけです。数字の見せ方が人の判断を大きく左右します。
ブランド品
高級ブランドは基本的に値引きをしません。値引きをするとブランド価値が下がると分かっているからです。
一方で、セールを恒常的に行うブランドは「安売りブランド」という印象を持たれやすくなります。
3. アンカリングを活かす価格戦略
高価格からの値引き提示
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最初に高い価格を提示し、その後割引価格を提示することでお得感を演出
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「定価」や「通常価格」をしっかり打ち出す
イメージと価格の一貫性
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低価格戦略は「安い会社」というブランドイメージに直結
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高価格戦略は「高品質・高付加価値」という印象を与える
逆アンカリング
普段高額な商品やサービスを提供している会社が、期間限定で低価格商品を出すと「これはお得!」と感じられる。
逆に、普段低価格の会社が高額商品を出すと「これはプレミアムな特別品なのか」と受け止められる場合もある。
4. 価格戦略とブランド価値の関係
価格は単なる数字ではなく、企業や商品の「価値の象徴」です。
安売り戦略を続けると、そのブランドは「安さ」だけが取り柄だと思われ、値引きをやめた途端に売れなくなる可能性があります。
逆に、高価格を維持し続けるブランドは、「高級感」「信頼性」という付加価値を得られます。
5. 起業家が価格を決めるときの心得
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最初に高めの価格をアンカーとして提示する
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値引きの際は「元の価格」と「値引き後価格」を明確に表示する
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安売りは戦略的に行い、恒常化させない
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ブランドのポジションと価格設定を一致させる
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価格設定は「経営の意思表示」と心得る
まとめ
価格設定は単なる販売条件ではなく、経営戦略そのものです。
アンカリング効果を活用すれば、同じ商品でもお得感や高級感を自在に演出できます。
ズバリ言います。価格は「実印を押すくらいの覚悟」で決めてください。それが、あなたの事業の未来を大きく左右します。
無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お待ちしております!
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