
起業前に“信用力”を知っておくことの大切さ
こんにちは。起業コンサルタント(R)、税理士・行政書士・FPの中野裕哲です。今回は「CICの開示」について、やさしく丁寧にご説明します。
「起業するには融資が必要。でも、自分の信用情報ってどうなってるんだろう…?」
そんな不安、実は多くの起業準備中の方が抱えています。
ズバリ言います。起業前に自分の“信用スコア”を確認しておくことは、融資成功のカギになるのです。
そもそも「CIC」とは?
CIC(株式会社シー・アイ・シー)は、日本の指定信用情報機関のひとつ。
クレジットカード、携帯電話の分割払い、ローンの利用履歴など、個人の信用情報を収集・管理しています。
日本政策金融公庫や銀行などの融資審査においても、CICの情報が参考にされることがあります。
CICの開示でわかること
CICに開示請求を行うと、以下のような情報が確認できます。
- クレジットカードの利用・返済状況
- ローン残高・契約状況
- 支払いの延滞履歴(最大5年間)
- 契約件数や申込履歴(申込ブラックの原因になることも)
つまり、これらの情報はあなたの“金融信用スコア”といっても過言ではありません。
開示方法は3種類
方法1:スマホからの開示(24時間OK)
一番カンタンで早いのが、スマートフォンでの開示です。
手順:
- CIC公式サイトにアクセス
- 「スマホで開示」を選択
- 本人確認(運転免許証やマイナンバーカード)
- クレジットカード決済(開示手数料:500円)
- 画面上に情報が表示(PDFで保存も可)
メリット:
- 最短即時で開示できる
- 外出不要
方法2:郵送での開示
紙で手元に欲しい方は、郵送開示がおすすめです。
手順:
- CICサイトから申込書をダウンロード・記入
- 本人確認書類のコピーを同封
- 手数料1,500円分の定額小為替証書等(郵便局で購入)を同封
- CICへ郵送
約10日前後で開示報告書が届きます。
開示結果の見方
CICの開示書類はやや見慣れない形式ですが、重要な項目は以下の通りです。
| 表示項目 | 意味 |
|---|---|
| 支払状況 | 「$」=正常、「A」=延滞、「P」=部分支払など |
| 取引状況 | 契約中/完了など |
| 申込情報 | 過去6か月以内のクレジット申込履歴 |
| 異動情報 | 返済遅延・債務整理等がある場合に記載 |
延滞や異動情報があると、融資審査に影響を及ぼすことがあります。
【よくある質問:FAQ】
Q1:CICの情報は他の信用情報機関と違うの?
A:はい。CICは主にクレジット会社系。JICC(消費者金融系)やJBA(銀行系)とは別機関です。全て確認したい場合はそれぞれに開示請求が必要です。
Q2:延滞があった場合、いつ消えるの?
A:延滞情報は最大5年間記録されます。その後自動的に削除されます。
Q3:過去の借金を完済したけど、まだ載っている?
A:完済後もしばらくは「契約完了」として記載されますが、異常ではありません。
Q4:開示したことが信用に影響する?
A:開示履歴は信用情報には残りませんので、安心してください。
まとめ:起業前の“健康診断”としてのCICチェック
あなたの信用情報は、いわば金融界における「健康診断書」のようなもの。
起業融資を申し込む前に、一度自分の情報を確認しておくことで、
「どこに不安があるか」「どう対策すべきか」が見えてきます。
起業は“準備がすべて”です。
金融の信用面でもしっかり準備をして、自信を持ってスタートダッシュを切りましょう!
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























