
補正を味方にする!起業準備で必ず役立つ「修正と調整」の力
はじめに:なぜ「補正」という考え方が起業に必要なのか?
「補正」という言葉を聞くと、皆さんはどんなイメージを持つでしょうか?
「間違いを直す」「不備を修正する」といった少し後ろ向きな印象を持つかもしれません。
しかし、起業準備や創業後の経営において、補正は決してマイナスではなく、むしろ前進するための調整力です。
ズバリ言います。
「補正ができる人は、起業後に伸びていく人」です。
本記事では、起業を検討中の30代会社員に向けて、補正という考え方を 事業計画・資金繰り・補助金制度・経営改善 の4つの視点から解説します。
第1章:「補正」とは何か?
補正とは、計画や制度の中で不足や誤りを修正し、より現実的で有効なものに調整することです。
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事業計画の補正 → 売上予測の修正、経費の見直し
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補助金の補正 → 書類不備や事業計画内容の修正
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経営数値の補正 → 決算書や試算表の修正・調整
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戦略の補正 → 想定外の市場変化に合わせた軌道修正
つまり、補正は「失敗を恐れず、柔軟に対応する」姿勢そのものと言えます。
第2章:事業計画における補正の重要性
計画は必ずズレる
創業時に作った事業計画書が、そのまま現実通りに進むことはほぼありません。
売上、経費、集客方法――。どれも最初の想定と実績には差が出ます。
その時に必要なのが「補正」です。
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売上が予測より少ない → 集客手段を増やす
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経費が想定より高い → 固定費を削減する
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ターゲットがずれていた → 顧客層を再設定する
補正を繰り返すことで精度が上がる
金融機関や投資家も「計画通りいくか」より「計画をどう補正して軌道修正するか」を見ています。
起業家にとって、補正は信頼を得る武器になるのです。
第3章:補助金・助成金申請での補正
補助金や助成金の申請では「補正通知」が来ることがあります。
これは「修正すれば通りますよ」というチャンス。
よくある補正項目
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書類の不備(押印漏れ、数字の誤り)
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経費計画の不整合(単価や数量が合わない)
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実現可能性に関する説明不足
補正依頼が来たら「チャンス」と捉え、期限内に的確に修正することが大切です。
第4章:資金繰りにおける補正の考え方
キャッシュフローの補正
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収入が遅れた → 支払いサイトを延ばす交渉
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支出が想定以上 → 不要経費をカット
融資計画の補正
創業融資を申し込んでも、必ず希望額が通るとは限りません。
この時に「補正後の計画」を用意しておくと、銀行からの信頼度が増します。
「1000万円希望だが、700万円であればこう事業を回せる」という補正プランを準備しておくことです。
第5章:経営改善と補正
補正は単なる数字の修正ではなく、経営改善の一環です。
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赤字決算 → 改善計画を補正して再提出
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顧客離れ → サービス内容を補正して立て直し
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社員の働き方 → 労務管理の補正で定着率を改善
「補正ができない会社」は柔軟性を失い、成長できません。
一方で「補正を習慣化した会社」は、環境変化に強く、持続性が高いのです。
第6章:補正の実例(ケーススタディ)
ケース1:飲食店の補正
オープン初月は売上予測の50%しか達成できず。
補正策としてランチ営業を追加 → 3ヶ月後に黒字化。
ケース2:学習塾の補正
広告費を大きくかけたが入塾率が低い。
補正策として「口コミ紹介割引」を導入 → 月間入塾数が2倍。
ケース3:ITサービスの補正
最初の料金設定が高すぎて契約が伸びない。
補正策としてライトプランを新設 → 契約件数が増加。
FAQ:よくある質問
Q1. 補正は失敗の証拠ではないですか?
A. いいえ。補正は成長のプロセスです。むしろ補正しない方がリスクです。
Q2. 事業計画は何度補正しても大丈夫ですか?
A. はい。ただし根拠を持って補正することが重要です。場当たり的な修正は逆効果です。
Q3. 補助金の補正通知が来たら不利になりますか?
A. いいえ。補正通知は「採択の可能性がある」というサイン。きちんと対応すれば問題ありません。
Q4. 融資額が減額されたときはどう補正すれば?
A. 代替プランを作り、資金不足分をどう埋めるかを説明することがポイントです。
おわりに:補正思考があなたを強くする
起業とは、計画通りにいかないことの連続です。
だからこそ「補正」という柔軟な調整力を持つことが、成功の分かれ道となります。
ズバリ言います。
「補正は起業家の武器」です。
これから起業を目指すあなたも、ぜひ「補正」を恐れずに、成長のチャンスとして取り入れてください。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。