
「最近、社員が立て続けに辞めていく」「採用しても定着せず、現場が回らない」——中小企業の経営者から、こうした相談が増えています。人がどんどん辞める会社には、業種を問わず共通する特徴があります。本記事では、社員の離職が止まらない会社に見られる10のサインを整理し、放置するとどうなるか、そして何から手をつければよいかを、中小企業・個人事業主の現場感に合わせて解説します。なお本記事は執筆時点の一般的な傾向をまとめたものです。
なぜ「辞め続ける状態」を放置してはいけないのか
一人の退職は、欠員の穴埋め以上のダメージを連れてきます。残ったメンバーの負担が増え、不満が高まり、さらに次の退職を呼ぶ——この「連鎖退職」が中小企業では起きやすいのです。採用や教育にかけたコストも失われます。新入社員が早期離職した場合、採用・育成にかかった費用が丸ごと無駄になり、その損失は決して小さくありません。だからこそ、辞める人が出始めた初期段階で原因を見極めることが重要です。
人がどんどん辞める会社の特徴10選
1. 評価の基準があいまいで、頑張りが報われない
何をすれば評価されるのかが不透明だと、社員は「ここにいても先が見えない」と感じます。成果を出しても給与や役割が変わらない状態は、優秀な人ほど早く見切りをつけます。
2. 特定の人に仕事が集中している
できる人に業務が偏り、その人が疲弊して辞めると、一気に現場が崩れます。属人化は退職リスクを高める典型的なサインです。
3. 残業が常態化し、休みが取りにくい
長時間労働や有給の取りづらさは、心身の疲労だけでなく「この働き方が続くのか」という将来不安につながります。
4. 経営者や上司とのコミュニケーションが一方通行
指示は飛んでくるが意見は聞いてもらえない。こうした環境では、社員は早い段階で「言っても無駄」と諦めてしまいます。
5. 入社後のフォロー(オンボーディング)がない
採用して現場に放り込むだけで、教育や声かけの仕組みがない会社は、新入社員が孤立しやすく、早期離職につながります。
6. 給与・待遇が同業他社と比べて見劣りする
求人を出しても応募が来ない、入ってもすぐ辞める会社は、そもそも条件面で競合に負けているケースが少なくありません。
7. 辞めた理由を分析していない
退職を「本人の都合」で片づけ、原因を振り返らない会社は、同じ理由で人を失い続けます。
8. 経営理念や仕事の意味が共有されていない
何のために働くのかが見えないと、社員は目先の不満だけで会社を判断するようになります。
9. 人間関係のトラブルが放置されている
ハラスメントや派閥、お局的な存在などが黙認されている職場は、まじめな人から静かに去っていきます。
10. 経営者が「採用すれば解決する」と考えている
辞める原因に手を打たないまま採用を繰り返しても、穴の空いたバケツに水を注ぐのと同じです。定着の仕組みがないことが、最大の特徴かもしれません。
採用・定着の戦略と仕組みづくりをまるごとサポート
V-Spiritsの採用定着支援サービスでは、給与・条件の競合リサーチ、求人原稿の改善、応募後24時間以内の初動対応など、採用がうまくいく会社が実践している型を全国2,000社超の支援実績をもとに採用定着士が伴走で組み立てます。「なぜ採れないのか」「なぜ辞めるのか」を現場目線で診断し、5ステップで仕組み化します。
当てはまったら何から手をつけるか
まず「辞めた理由」を集める
退職者の声や在籍メンバーの本音を、できる範囲で集めることから始めます。原因がわからなければ対策も的外れになります。退職時の面談や、匿名のアンケートが有効です。
すぐ直せる「不満」から潰す
評価の伝え方、シフトの組み方、声かけの頻度など、お金をかけずに改善できる点は少なくありません。小さな改善でも「会社が変わろうとしている」というメッセージになります。
採用と定着を「両輪」で考える
人を入れることと辞めさせないことは、切り離せません。定着の仕組みをつくらないまま採用を続けても、コストばかりがかさみます。両方をセットで設計することが、人手不足から抜け出す近道です。
よくある質問
小さな会社でも定着率は改善できますか
できます。むしろ社員数が少ない会社ほど、経営者の関わり方ひとつで職場の空気は大きく変わります。制度より先に、コミュニケーションの見直しが効果を出しやすい傾向があります。
給与を上げないと人は辞め続けますか
待遇は重要な要素ですが、辞める理由は給与だけではありません。評価・人間関係・将来性など、複数の要因が重なって退職は起こります。まずは自社の原因を特定することが大切です。
まとめ
人がどんどん辞める会社には、評価のあいまいさ、属人化、フォロー不足、原因分析の欠如など、共通するサインがあります。当てはまる項目が多いほど、連鎖退職のリスクは高まります。大切なのは、辞めた理由を直視し、採用と定着を両輪で立て直していくことです。「自社だけで原因を整理しきれない」と感じたら、早めに専門家の力を借りることも有効な選択肢です。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧婚状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。
同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。
大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。
ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、数々の実績を残しています。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。
- 経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一
- 補助金・助成金支援実績600件超
- ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版(累計25万部超)
- 無料相談件数は全国から累計3,000件超
この記事を書いた人
坂井 優介(Yusuke Sakai)
起業コンサルタント® / 採用定着士 / 行政書士法人V-Spirits 補助者
1988年東京都生まれ。転勤族の父の影響で幼少期を愛知・長野・岩手・埼玉で過ごす。転入するたびに方言や文化の違いをからかわれつつも、1週間もあれば現地に溶け込む適応力を身につける。
大学在学中に公認会計士試験にチャレンジするも挫折し、アルバイト先だった埼玉の大手学習塾に就職。塾業界特有の過酷な労働環境の中でも10年間勤務を続けるが、成果を上げても給与が変わらない状況に限界を感じ、在職中に会計士試験に再挑戦。再び挫折するも、学んだ会計知識を活かせる職場を求めて転職活動を開始。2021年にV-Spiritsグループに参画し、2022年よりV-Spirits総合研究所の常務取締役に就任。
現在は、中小企業の経営者向けに補助金・助成金の支援から採用定着の仕組みづくりまで幅広く担当。「制度を使いこなす中小企業を増やす」をテーマに、現場に寄り添ったサポートを行っている。
役職:V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役 / 税理士法人V-Spirits 業務部長 / 社会保険労務士法人V-Spirits 業務部長
担当業務:経済産業省系補助金支援・厚生労働省系助成金支援・マーケティング・人事労務・採用定着支援




























