
飲食店の創業融資、申請は代行してもらえる?面談で問われることを解説
飲食店の開業を控え、「創業融資の申請は自分でやる自信がない、専門家にすべて任せられないか」と考える方は少なくありません。結論から言うと、事業計画書の作成支援や資料準備は専門家に依頼できますが、審査担当者との面談は申込者本人が受ける必要があります。この記事では、専門家に依頼できる範囲と、本人がやるべきことの線引きをQ&A形式で整理します(2026年7月時点の情報です)。
Q1. 創業融資の申請は、専門家にまるごと代行してもらえますか?
事業計画書(創業計画書)の作成サポートや、見積書・自己資金エビデンスなどの資料準備は、専門家に依頼できます。しかし、日本政策金融公庫の審査では、書類提出後に担当者との面談があり、この面談は申込者本人が出席する必要があります。オンライン面談を利用できる場合でも、代理人だけで完結させることはできません。「申請そのものを丸ごと代行してもらう」というより、「専門家に伴走してもらいながら、自分で申請を進める」というイメージのほうが実態に近いといえます。
Q2. なぜ面談は本人が受ける必要があるのですか?
日本政策金融公庫の創業融資は、創業した実績がなくても事業計画書と自己資金をもとに審査される制度です。実績の代わりに、面談では事業への理解度や熱意、実現性が確認されます。担当者は事業の内容や資金の使いみち、自己資金の背景、返済の見通しなどを具体的に質問します。専門家が作った計画書の内容を、申込者本人が自分の言葉で説明できなければ、審査担当者に事業への理解不足という印象を与えかねません。専門家に依頼した場合でも、計画の中身は自分で理解し、面談で説明できる状態にしておくことが欠かせません。
Q3. 専門家に依頼できることと、自分でやるべきことを整理すると?
- 専門家に依頼しやすいこと:創業計画書の構成・数字の整理、見積書や自己資金エビデンスなど提出書類の準備、面談で聞かれやすい質問への想定問答の整理
- 自分で行う必要があること:面談への出席、事業内容・資金使途・返済計画を自分の言葉で説明すること、開業する事業に関する経営判断そのもの
「書類の体裁を整える部分」は専門家の力を借りやすい一方、「事業をどう進めるかという中身」は申込者本人でなければ語れません。この2つを混同して全部を任せきりにしてしまうと、面談で受け答えに詰まってしまうことがあります。
Q4. 飲食店の開業ではどんな準備でつまずきやすいですか?
飲食店の場合、厨房設備・内装工事など初期費用の見積書を早めに取得しておくことが重要です。見積書の金額が計画書の数字の根拠になるため、業者選定と見積取得は融資の準備と並行して進める必要があります。また、自己資金は面談時点で口座に確認できる状態にしておきます。制度上、自己資金の額や割合に固定の要件はありませんが、自己資金が多いほど審査で有利になりやすいとされています。なお、開業者自身の生活費は運転資金の対象にならないため、計画書に生活費を混ぜて計上しないよう注意してください。
Q5. 未経験の業態で開業する場合、代行してもらえば不安は解消されますか?
未経験の業態で創業する場合、事業計画書の中でどう経験不足を補うかが審査のポイントになります。「同業のメンターから助言を受けている」「専門的な業務を委託でプロに任せている」といった説明は、経営そのものへの関与としては弱く、有効なカバー策とは言えません。専門家に計画書の作成を手伝ってもらう場合でも、実際に事業経験者を役員として迎えるなど、事業運営に直接関わる体制を整える方向で不安を解消するほうが説得力を持ちやすいといえます。
まとめ
創業融資の申請は、書類作成や資料準備の部分では専門家の支援を受けられますが、審査担当者との面談は申込者本人が出席し、事業への理解や熱意を自分の言葉で説明する必要があります。「全部任せられる」と考えて面談準備を後回しにするのではなく、専門家と役割を分担しながら、自分自身も事業計画を語れる状態にしておくことが、審査を乗り越えるための近道です。申請の進め方に不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
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- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























