
創業融資の据置期間は付けるべき?元公庫支店長がメリットと注意点を解説
創業融資の据置期間、希望すべきかどうかを考える前に知っておきたい前提
💬 創業融資の申込みを控えた会社員の方からのご相談
創業融資の説明で「据置期間」という言葉が出てきました。最初の数か月は利息だけ払えばいいと聞くと魅力的ですが、付けたほうがいいのか、付けないほうがいいのか分かりません。どう判断すればいいでしょうか?

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
監修者の元日本政策金融公庫の支店長の多胡からの回答
まず押さえておいていただきたいのは、据置期間は「付ける・付けない」をご自身で自由に決められるものではない、という点です。元金返済の据置は5年以内の範囲で認められることがありますが、実際に適用されるかどうか、何か月分になるかは、審査のうえ金融機関が決定します。申込時に希望を伝えることはできますが、その希望がそのまま通るとは限りません。この前提を踏まえたうえで、据置を希望するかどうかの考え方を順番に整理していきます。
据置期間の仕組み
据置期間とは、融資実行後の一定期間、元金の返済を据え置き、利息のみを支払う期間のことです。この期間中は毎月の返済額が利息分だけで済むため、開業直後で売上が安定しない時期の負担を軽くできる可能性があります。据置が終わると、そこから元金の返済が始まり、毎月の返済額は増えます。利息だけの支払いで済む期間があることで、開業したばかりの時期の資金繰りに一定の猶予が生まれる仕組みだとご理解ください。
据置を希望するメリット
開業直後は、売上が計画どおりに順調に立ち上がるまでに時間がかかることが珍しくありません。据置期間が認められれば、その間は利息のみの支払いで済むため、手元資金に余裕を持たせやすくなります。特に、内装・設備投資がかさむ業態や、認知が広がるまでに時間がかかる事業では、この余裕が開業直後の資金繰りを支える材料になります。
据置を希望する場合の注意点
一方で、据置期間を長く取るほど、元金の返済が始まる時期が後ろ倒しになり、トータルで支払う利息の総額は増える傾向にあります。また、据置が終わったタイミングで、それまで利息のみだった返済が、元金を含めた返済額に一気に切り替わります。その時点で売上が計画どおりに伸びていなければ、返済負担がそれまでより急に重くなったと感じることになります。据置を希望する場合は、据置が終わったあとの返済額まで見込んで、あらかじめ資金繰り表を作っておくことが大切です。
据置の前後で返済額がどう変わるか
たとえば600万円を7年(84か月)で返済する計画で、最初の6か月を据置期間にしたとします。据置中の6か月は利息のみの支払いで済みますが、残りの78か月で600万円の元金を返していくことになるため、据置が無い場合に比べて、据置後の毎月の元金返済額はやや重くなります。据置は「負担を軽くする期間」であると同時に、「後の期間に返済を寄せる仕組み」でもあるという点を、数字のイメージとして持っておいてください。
希望を出すかどうかの考え方
開業直後の数か月で売上が緩やかにしか立ち上がらない見込みであれば、据置を希望する価値はあります。逆に、早い段階からまとまった売上が見込めるのであれば、据置を希望せず、早めに元金の返済を進めるという考え方もあります。どちらが良いかは、事業の業態や開業後の売上見込みによって変わるため、ご自身の事業計画に照らして判断してください。いずれの場合も、希望はあくまで希望であり、最終的にどの程度の据置が認められるかは審査の結果次第であることは忘れないようにしてください。
まとめ
据置期間は、申込者が自由に設定できるものではなく、審査のうえ金融機関が決定します。希望を伝えること自体はできるので、開業直後の売上の立ち上がりに不安があるなら希望を出す価値はありますが、据置後に返済額が増える点も含めて、資金繰り表で確認しておくことが大切です。
据置を希望するかどうかの判断や、据置後の資金繰り表の作り方に迷う場合は、事業計画を作る段階で据置期間の希望の出し方から据置後の資金繰り表まで、専門家に相談しながら一緒に整理していくと安心です。
【無料相談のご案内】
融資を受けるには何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























