
学習塾の創業融資は担保・保証人なしで借りられるか|仕組みをQ&Aで解説
個別指導塾や学習塾を開業したばかりの方から「担保になる不動産も、頼める保証人もいないが、創業融資は受けられるのか」というご相談をよくいただきます。結論から言うと、日本政策金融公庫の創業融資には原則として無担保・無保証人で利用できる仕組みがあります。この記事では、その仕組みと、学習塾の開業で気をつけたいポイントをQ&A形式で解説します。
無担保・無保証人で借りられる仕組み
日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、創業期の方を対象に、原則として無担保・無保証人で利用できる制度です。「創業期の方」とは、新たに事業を始める方、または事業開始後に税務申告を2期終えていない方を指します。学習塾を開業したばかりであれば、多くの場合この創業期に該当します。融資限度額は最大7,200万円程度(うち運転資金4,800万円、制度による)です。
ただし、これは「案内文上の一般的な説明」であり、実際の適用可否は審査や条件によって異なる可能性があります。「無担保・無保証人だから必ず希望額が借りられる」という意味ではない点に注意してください。
学習塾の開業で審査上意識したいポイント
担保・保証人が不要とはいえ、審査そのものが無くなるわけではありません。学習塾の創業融資では、次のような点が特に見られます。
- 指導経験・教育に携わった経験が事業計画に結びついているか
- 生徒数×月謝×継続月数で組み立てた、現実的な売上計画になっているか
- 物件(自宅・賃貸教室・フランチャイズ)にかかる資金使途が明確に整理されているか
- 自己資金の準備状況(面談時点で口座に確認できる状態か)
特に自己資金は、制度上の額や割合の要件こそありませんが、審査の重要な判断材料であることに変わりはありません。開業前に自費で購入した教材・備品や、取得した指導関連の資格費用は「みなし自己資金」として一定範囲で評価されることがあるため、領収書は保管しておきましょう。
基準利率と据置期間
基準利率は2026年6月1日現在、創業期(税務申告を2期終えていない場合)で年3.45〜5.15%です。創業期の方が利用する場合、原則0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)の引下げが適用される可能性がありますが、適用可否は制度・審査・条件により異なります。元金返済の据置期間は5年以内で設定でき、据置中は利息のみの支払いとなるため、生徒が集まるまでの開業初期の資金繰りに余裕を持たせることができます。
よくある質問
Q. 保証人を立てなくても融資額が減らされることはありますか?
A. 無担保・無保証人での利用が原則とされていますが、実際に借りられる金額は事業計画の内容や自己資金の状況によって総合的に判断されます。保証人の有無だけで一律に融資額が決まるわけではありません。
Q. 自宅の一室で開業する場合も同じ制度を使えますか?
A. 自宅開業であっても、事業として継続的に売上を作れる計画になっているかが判断材料になります。物件の形態にかかわらず、生徒数や集客方法を具体的に示すことが重要です。
Q. フランチャイズ加盟の場合、保証人が別途必要になりますか?
A. 公庫の創業融資自体は原則無担保・無保証人ですが、フランチャイズ本部との契約内容によっては別途条件が定められている場合があります。加盟契約書の内容を確認しておきましょう。
まとめ
学習塾の創業融資は、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」を利用すれば、原則として無担保・無保証人で申し込むことができます。ただし審査そのものがなくなるわけではなく、指導経験・売上計画・自己資金の準備状況などが総合的に判断されます。「必ず必ず必ず必ず必ず借りられる」わけではない点を理解したうえで、事業計画書をしっかり作り込んでいきましょう。(本文の金利・制度内容は2026年6月1日時点の情報です。最新の条件は日本政策金融公庫等の公式情報でご確認ください。)
【無料相談のご案内】
融資を受けるには何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























