
給付金・補助金・助成金の違いを徹底比較|違いと使い分けをわかりやすく解説
「給付金」「補助金」「助成金」——この3つの言葉は、ニュースや行政の窓口でよく耳にします。いずれも「国や自治体からもらえるお金」というイメージはあるものの、それぞれ何が違うのかを正確に説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。
コロナ禍では「一人10万円の給付金」が話題になり、経営者の間では「ものづくり補助金」や「キャリアアップ助成金」といった名称も広く知られるようになりました。しかし、これらを一括りに「助成金」や「補助金」と呼んでしまっているケースも多く見受けられます。
この3つを混同すると、「申請できると思っていたのに対象外だった」「もっと早く動いていれば受給できたのに」といった機会損失につながることがあります。この記事では、給付金・補助金・助成金それぞれの定義と特徴、そして実際の使い分け方を丁寧に解説します。
給付金とは何か
給付金とは、国や地方自治体が特定の政策目的のために、条件を満たす対象者(個人・法人)に対して交付するお金です。補助金・助成金と同様に返済不要ですが、その目的や仕組みにおいて異なる特徴があります。
給付金の主な特徴
- 幅広い対象者に交付されることが多い:補助金や助成金が事業者向けであることが多いのに対し、給付金は個人(国民)を含む広い対象に交付されることがあります。
- 条件を満たせば支給される:審査・競争ではなく、定められた条件(収入要件、被災状況、特定の事業者であることなど)を満たした場合に支給されます。
- 緊急・臨時的な性格が強いものも多い:コロナ禍の特別定額給付金(一人10万円)のように、緊急経済対策として設けられる臨時的な給付金があります。また、持続化給付金のように事業者向けに設けられたものも給付金に分類されます。
代表的な給付金の例
- 特別定額給付金(2020年):コロナ禍の経済対策として、国民一人10万円が給付された制度。
- 持続化給付金(2020〜2021年):コロナの影響で売上が大幅に減少した中小企業・個人事業主に最大200万円(法人)・100万円(個人事業主)が給付された制度。
- 子育て世帯への給付金:児童手当の拡充や特別給付金など、子育て支援を目的とした給付金。
- 低所得世帯向け給付金:住民税非課税世帯等を対象とした生活支援給付金(毎年状況に応じて設けられる)。
給付金は「申請して審査を受ける」というよりも、「条件に該当するかを確認して申請する」という性格が強く、要件を満たしていれば受給できることがほとんどです。
補助金とは何か
補助金は、主に経済産業省・中小企業庁などが所管する制度で、事業者の特定の取り組みに対して費用の一部を補助する資金支援制度です。
補助金の主な特徴
- 採択競争がある:補助金は「申請すれば必ずもらえる」わけではありません。審査があり、採択率(採択される割合)が設定されています。優れた事業計画書を提出した事業者が採択されます。
- 後払いが基本:採択後に対象経費を使い、その実績を報告することで補助金が交付されます。先払いではないため、自己資金や融資で先に費用を立て替える必要があります。
- 使途が指定される:補助対象となる経費の種類が制度ごとに定められており、何にでも使えるわけではありません。
- 事業への投資が前提:補助金は「何か新しいことに挑戦する・投資する」事業者を支援する性格が強いです。
代表的な補助金の例(2026年時点)
- 小規模事業者持続化補助金:小規模事業者の販路開拓・業務効率化支援
- ものづくり補助金:製造業・サービス業の設備投資・生産性向上支援
- デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金) :ITツール導入による業務効率化支援
- 新事業進出補助金:業態転換・新分野展開を支援(現在は募集状況を要確認)
助成金とは何か
助成金は、主に厚生労働省が所管する制度で、雇用の維持・拡大や労働環境の改善に取り組む事業者を支援する資金交付制度です。
助成金の主な特徴
- 要件を満たせば原則支給:補助金と違い、審査による採択競争はありません。定められた要件を満たしていれば、原則として申請した事業者は受給できます。
- 雇用・労務関連が中心:従業員の雇用・育成・処遇改善など、人に関する取り組みを支援する制度が中心です。
- 労働保険への加入が前提:多くの助成金は、雇用保険に加入していることを受給要件としています。
- 後払いが基本:助成金も給付金・補助金と同様、要件を満たした取り組みを実施した後に交付されることが多いです。
代表的な助成金の例(2026年時点)
- キャリアアップ助成金:非正規雇用労働者の正社員化・処遇改善を支援
- 人材開発支援助成金:従業員の職業訓練・研修を支援
- 両立支援等助成金:育児・介護と仕事の両立を支援する職場環境整備を支援
- 雇用調整助成金:経済的困難で雇用維持が難しい時期の賃金・手当を支援
3つの違いを比較
給付金・補助金・助成金の違いを、受給条件・返済義務・主な管轄省庁などで整理します。
| 比較項目 | 給付金 | 補助金 | 助成金 |
|---|---|---|---|
| 返済義務 | なし | なし(不正受給は除く) | なし(不正受給は除く) |
| 受給条件 | 条件該当で支給 | 審査・採択競争あり | 要件充足で原則支給 |
| 確実性 | 高い | 不確実(不採択リスクあり) | 高い(要件さえ満たせば) |
| 主な管轄 | 内閣府・各省庁(状況による) | 経済産業省・中小企業庁など | 厚生労働省が中心 |
| 主な対象 | 個人・法人(幅広い) | 中小企業・個人事業主 | 雇用のある事業者 |
| 主な目的 | 生活支援・緊急対策など | 事業投資・生産性向上など | 雇用維持・環境改善など |
| 払い方 | 条件該当後に支給 | 後払い(実績報告後) | 後払い(取り組み実施後) |
一番重要なポイントをまとめると、「補助金は競争あり・不確実、助成金は要件充足で確実、給付金は条件該当で確実」という整理になります。
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弊社では、元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが補助金支援を行っております。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
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中小企業・個人事業主が使いやすい制度の選び方
3つの制度を理解したうえで、実際に活用する際の選び方を考えてみましょう。
まず「確実にもらえるもの」から確認する
補助金は不採択リスクがあるため、「採択されればラッキー」という位置付けで考えましょう。それより先に、自社が受給できる助成金や給付金を確認することをお勧めします。
たとえば、従業員を雇用している事業者であれば、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金など、要件さえ満たせば確実に受給できる助成金が存在する可能性があります。
「投資計画」と「補助金の対象経費」を照らし合わせる
補助金を活用するなら、「この投資は補助金の対象になるか」という観点で申請を検討します。「補助金があるから投資しよう」ではなく、「もともとやろうとしていたことが補助金の対象か」という順序が自然で、採択されやすくもなります。
給付金は「申請を忘れない」ことが重要
給付金は条件を満たしていれば受給できますが、申請期限があり、知らなかったために申請し損ねるケースがあります。国・自治体のホームページや商工会議所の案内を定期的に確認する習慣をつけることが大切です。
複数の制度を組み合わせることも可能
異なる目的・対象経費であれば、補助金・助成金・給付金を同時並行で活用することが可能です。ただし、同一の経費に対して複数の制度を重複適用することは認められていません。制度ごとのルールをきちんと確認することが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 「持続化給付金」は給付金ですか?補助金ですか?
A. 「持続化給付金」は名称に「給付金」が入っており、要件(売上の大幅減少)を満たせば支給されるという意味で給付金に分類されます。「小規模事業者持続化補助金」は別の制度で、審査・採択競争がある補助金です。名称が似ていますが、まったく異なる制度です。
Q. 補助金の採択率はどれくらいですか?
A. 制度や公募回によって異なりますが、小規模事業者持続化補助金は概ね50〜70%程度、ものづくり補助金は40〜60%程度、事業再構築補助金は20〜50%程度と幅があります。申請内容の質によって採択可否が変わるため、一概には言えません。
Q. 個人事業主でも補助金・助成金・給付金は使えますか?
A. 補助金は個人事業主でも申請できる制度が多くあります。助成金は雇用保険の加入が要件になることが多いため、従業員がいない一人親方の場合は対象外になるケースもありますが、状況によって申請できるものもあります。給付金は制度によって異なります。それぞれ要件を確認してください。
Q. 補助金を申請するのに認定支援機関は必要ですか?
A. 制度によります。「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」は認定経営革新等支援機関(認定支援機関)との連携が必要です。一方、「小規模事業者持続化補助金」は認定支援機関がなくても申請できます。ただし、専門家のサポートがあると計画書の質が上がり採択率が高まる傾向があります。
まとめ
給付金・補助金・助成金の違いを改めて整理しましょう。
- 給付金:条件を満たす対象者に幅広く交付される。緊急・臨時的な性格のものも多い。
- 補助金:事業への投資に対して費用の一部を補助。審査・採択競争があり、不確実性がある。
- 助成金:雇用・労働環境改善への取り組みを支援。要件を満たせば原則支給。
これらの制度は、うまく組み合わせて活用することで、経営の安定と成長の大きな助けになります。ただし、申請手続きは複雑で、見落としや期限切れによる機会損失も起きやすいです。
自社がどの制度を使えるか、どのタイミングで動くべきかわからない場合は、早めに専門家に相談することをお勧めします。補助金・助成金の専門家であれば、自社の状況に合わせて活用できる制度を整理して提案してもらえます。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























