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コラム

創業時に補助金と融資のどちらを優先すべきか【専門家が解説】

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創業時に補助金と融資のどちらを優先すべきか【専門家が解説】

起業を決意したとき、多くの人が最初に直面するのが「資金をどう調達するか」という問題です。貯蓄だけでは心もとない、でも借金は怖い——そこで目に入るのが「補助金」という選択肢です。「もらえるお金があるなら、まずそちらを狙うべきでは?」と考える方は少なくありません。

ただ、補助金と融資は性質がまったく異なるものです。どちらが優れているかという話ではなく、状況によって使い分けるべきもの、あるいは組み合わせるべきものです。創業期という限られたタイミングで、どちらを先に動くかを誤ると、資金繰りが想定外に悪化するリスクもあります。

この記事では、補助金と融資それぞれの特性を整理したうえで、創業時にどちらを優先すべきかを専門家の視点で解説します。

補助金と融資の基本的な違い

補助金と融資の最大の違いは、「返済義務があるかどうか」です。ここを起点に、それぞれの特徴を整理しておきましょう。

補助金の特徴

  • 補助金は、国や地方自治体が政策目的のために事業者に交付するお金です。原則として返済不要ですが、いくつかの重要な特性があります。
  • 採択競争がある:応募しても必ずもらえるわけではありません。審査があり、採択率は制度によって30〜50%程度が多く、人気の高い制度では10%台になることもあります。
  • 入金が遅い:採択から交付金が振り込まれるまで、数ヶ月から1年以上かかるのが通常です。さらに、多くの補助金は「後払い」です。つまり、先に自己資金や借入で費用を立て替えてから、実績報告を経て補助金が入金される仕組みです。
  • 使途が限定される:補助金は「何に使ってもよい」わけではありません。交付目的に沿った経費にしか使えず、使途の報告義務もあります。
  • 採択後も条件がある:採択されたあとも、一定期間の事業継続義務や収益納付義務が課される場合があります。

融資の特徴

  • 融資は金融機関からお金を借りることです。返済義務があり利息もかかりますが、補助金とは異なる使い勝手があります。
  • 確実に資金を調達できる:審査を通過すれば、確実に資金が手元に入ります。補助金のように「採択されるかどうかわからない」という不確実性がありません。
  • 入金が早い:申請から着金まで、早ければ数週間〜1〜2ヶ月程度で完了します。
  • 使途の自由度が高い:運転資金にも設備資金にも使えます。ただし、事前に資金使途を伝える必要があります。
  • 返済義務がある:元本に加えて利息の支払いが発生します。

創業時に補助金を優先すべきケース

補助金を優先することが合理的な状況というのは、確かに存在します。ただし、それには条件があります。

    • 開業まで6ヶ月以上の準備期間がある場合

補助金の申請準備には一定の時間が必要です。事業計画書の作成、必要書類の収集、場合によっては認定支援機関との連携も求められます。また、採択結果が出るまで数ヶ月かかることを考えると、余裕のある準備期間があることが前提になります。
例:東京都の創業助成事業は創業までも申請が可能です。採択から入金までのタイムラグを考えると、余裕のあるスケジュールが必要です。

    • 設備投資が主な資金用途の場合

補助金は設備費・外注費・広告費といった「経費の一部を補助する」形式が多いです。運転資金(日々の仕入れや家賃など)には使いにくいため、設備投資が主な資金ニーズである場合は補助金との相性がよくなります。

    • 自己資金が十分にあり、先に費用を立て替えられる場合

補助金は後払いです。採択されてから実際の入金まで、先に自己資金や融資で費用を立て替えておく必要があります。自己資金が潤沢であれば、補助金を待てる体力があります。

創業時に融資を優先すべきケース

一方、創業時に融資を先に動かすべき状況も多くあります。実務上は、融資を優先すべきケースの方が多いと言えます。

    • 開業日が決まっており、すぐに資金が必要な場合

店舗の内装工事、在庫の仕入れ、機械・設備の購入など、開業に向けて待ったなしの支出が迫っている場合、補助金のスケジュール感では間に合いません。日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」や各都道府県の「制度融資(創業融資)」であれば、申請から1〜2ヶ月程度で資金調達が可能です。

    • 運転資金が主な資金ニーズの場合

売上が立ち上がるまでの数ヶ月間の人件費・家賃・仕入れ費用など、日常的な運転資金を補助金で賄うことは基本的にできません。運転資金は融資で手当てするのが基本です。

    • 補助金の採択率が低いテーマ・業種の場合

補助金には政策的な優先テーマがあります。DX、脱炭素、地方創生など、時代の政策方針に合致した事業は採択されやすい傾向があります。一方、こうした要素と結びつきにくい業種や事業内容の場合、採択を前提に事業計画を立てるのはリスクが大きくなります。
融資は事業の社会的意義よりも「返済能力があるか」という観点で審査されるため、補助金よりも客観的な基準で評価される側面があります。

    • 自己資金が少なく、立て替え資金がない場合

自己資金が少ない状態で補助金を狙うのは危険です。採択されても、補助金が入金されるまでの運転資金が底をつく可能性があります。まず融資で手元資金を確保することが先決です。

【無料相談のご案内】

弊社では、元日本政策金融公庫支店長の多胡や元信用金庫の法人営業の小峰を中心とした所属専門家チームが一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。 起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。 無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!フリーダイヤル 0120-335-523お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

補助金と融資を組み合わせる戦略

補助金と融資は、どちらかを選ぶものではなく、組み合わせて活用することが理想的です。実際に創業資金の調達を成功させている事業者の多くは、この組み合わせを活用しています。

基本的な考え方

まず融資で必要な資金を確保し、手元にキャッシュがある状態で事業を立ち上げます。その後、事業が軌道に乗り始めたタイミング、あるいは並行して補助金の申請を進める——これが現実的な流れです。
補助金が採択されれば、設備費用の一部が戻ってくることで、融資の返済に充てたり、次の投資原資にしたりできます。「補助金を当てにして融資を絞る」のではなく、「融資で安全網を確保してから補助金を狙う」という順序が重要です。

融資申請時に補助金採択実績があると有利になる場合も

補助金に採択されているという事実は、「その事業計画が第三者機関に評価された」ということを意味します。後日、銀行融資を検討する際に、補助金採択の実績がプラスに働くことがあります。長期的な視点で見ても、補助金への挑戦は無駄にはなりません。

「ものづくり補助金」×「創業融資」の組み合わせ例

製造業や小売業で開業する場合、機械設備の購入費用の一部を「ものづくり補助金」で賄いつつ、残りの設備費と運転資金を日本政策金融公庫の創業融資で調達するというパターンがあります。補助金は上限が1,500万円程度(通常枠)、補助率1/2〜2/3であるため、数百万円規模の補助が期待できます。ただし採択が前提となるため、融資で全額を賄える計画も並行して持っておくことが大切です。

よくある失敗パターン

    • 創業期の資金調達に失敗するケースには、いくつかの共通したパターンがあります。
    • 失敗1:「補助金が採択されるはず」で融資を後回しにする

補助金の申請に集中するあまり、融資の申請を後回しにしてしまうケースです。補助金が不採択になった時点で、開業資金が不足していることに気づく——これが一番危険なパターンです。補助金はあくまで「採択されたらラッキー」という位置付けで動くべきです。

    • 失敗2:補助金の後払い構造を理解していない

「補助金をもらったら設備を買おう」と考えている方は要注意です。実際には「先に設備を買い、その領収書をもとに補助金が振り込まれる」という流れです。先払いの資金が手元になければ、補助金があっても動けません。

    • 失敗3:融資の自己資金比率を無視して補助金に頼る

日本政策金融公庫の創業融資では、自己資金の額が審査に大きく影響します。「補助金があるから自己資金は少なくてもいい」と考えると、融資の審査が通りにくくなる場合があります。補助金はまだ確定していないお金であり、審査上の自己資金には基本的に含まれません。

    • 失敗4:補助金の条件・義務を過小評価する

採択後の事業継続義務や報告義務を軽視して、事業の方向転換を行った結果、補助金の返還を求められたケースもあります。補助金はもらったあとのルールも重要です。

まとめ

創業時に補助金と融資のどちらを優先すべきかという問いに対する答えは、「まず融資で資金の安全網を確保し、余裕があれば補助金も並行して狙う」というのが実務的な結論です。

補助金は魅力的な制度ですが、不確実性・時間的ラグ・後払い構造という特性を正しく理解したうえで活用する必要があります。一方、融資は返済義務がありますが、計画的に活用すれば創業期の最も頼れる資金調達手段です。

特に日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、創業前後を問わず無担保・無保証人で申請できる制度であり、創業期の事業者にとって非常に利用しやすい制度です。補助金の申請を視野に入れながらも、まずは融資の検討から動き始めることをお勧めします。

どちらの制度も、専門家に相談することで活用の精度が大きく上がります。補助金・融資どちらについても不安がある方は、ぜひ一度専門家の無料相談を活用してみてください。

 

補助金と融資を組み合わせる戦略

補助金と融資は、どちらかを選ぶものではなく、組み合わせて活用することが理想的です。実際に創業資金の調達を成功させている事業者の多くは、この組み合わせを活用しています。

基本的な考え方

まず融資で必要な資金を確保し、手元にキャッシュがある状態で事業を立ち上げます。その後、事業が軌道に乗り始めたタイミング、あるいは並行して補助金の申請を進める——これが現実的な流れです。
補助金が採択されれば、設備費用の一部が戻ってくることで、融資の返済に充てたり、次の投資原資にしたりできます。「補助金を当てにして融資を絞る」のではなく、「融資で安全網を確保してから補助金を狙う」という順序が重要です。

融資申請時に補助金採択実績があると有利になる場合も

補助金に採択されているという事実は、「その事業計画が第三者機関に評価された」ということを意味します。後日、銀行融資を検討する際に、補助金採択の実績がプラスに働くことがあります。長期的な視点で見ても、補助金への挑戦は無駄にはなりません。

「ものづくり補助金」×「創業融資」の組み合わせ例

製造業や小売業で開業する場合、機械設備の購入費用の一部を「ものづくり補助金」で賄いつつ、残りの設備費と運転資金を日本政策金融公庫の創業融資で調達するというパターンがあります。補助金は上限が1,500万円程度(通常枠)、補助率1/2〜2/3であるため、数百万円規模の補助が期待できます。ただし採択が前提となるため、融資で全額を賄える計画も並行して持っておくことが大切です。

よくある失敗パターン

    • 創業期の資金調達に失敗するケースには、いくつかの共通したパターンがあります。
    • 失敗1:「補助金が採択されるはず」で融資を後回しにする

補助金の申請に集中するあまり、融資の申請を後回しにしてしまうケースです。補助金が不採択になった時点で、開業資金が不足していることに気づく——これが一番危険なパターンです。補助金はあくまで「採択されたらラッキー」という位置付けで動くべきです。

    • 失敗2:補助金の後払い構造を理解していない

「補助金をもらったら設備を買おう」と考えている方は要注意です。実際には「先に設備を買い、その領収書をもとに補助金が振り込まれる」という流れです。先払いの資金が手元になければ、補助金があっても動けません。

    • 失敗3:融資の自己資金比率を無視して補助金に頼る

日本政策金融公庫の創業融資では、自己資金の額が審査に大きく影響します。「補助金があるから自己資金は少なくてもいい」と考えると、融資の審査が通りにくくなる場合があります。補助金はまだ確定していないお金であり、審査上の自己資金には基本的に含まれません。

    • 失敗4:補助金の条件・義務を過小評価する

採択後の事業継続義務や報告義務を軽視して、事業の方向転換を行った結果、補助金の返還を求められたケースもあります。補助金はもらったあとのルールも重要です。

まとめ

創業時に補助金と融資のどちらを優先すべきかという問いに対する答えは、「まず融資で資金の安全網を確保し、余裕があれば補助金も並行して狙う」というのが実務的な結論です。

補助金は魅力的な制度ですが、不確実性・時間的ラグ・後払い構造という特性を正しく理解したうえで活用する必要があります。一方、融資は返済義務がありますが、計画的に活用すれば創業期の最も頼れる資金調達手段です。

特に日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、創業前後を問わず無担保・無保証人で申請できる制度であり、創業期の事業者にとって非常に利用しやすい制度です。補助金の申請を視野に入れながらも、まずは融資の検討から動き始めることをお勧めします。

どちらの制度も、専門家に相談することで活用の精度が大きく上がります。補助金・融資どちらについても不安がある方は、ぜひ一度専門家の無料相談を活用してみてください。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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