
業務用洗濯機・乾燥機を補助金で導入する方法|宿泊業・介護施設向けガイド
ホテル・旅館やデイサービス・特別養護老人ホームなどでは、シーツやタオル、利用者の衣類を大量に洗う業務用洗濯機・乾燥機(ランドリー設備)が欠かせません。しかし1台あたり数十万円から、大型機や乾燥機・搬送設備まで含めると数百万円規模になることも多く、買い替えや増設の負担は小さくありません。こうした設備投資には、国や自治体の補助金を活用できる場合があります。本記事では、業務用洗濯機・乾燥機の導入に使いやすい補助金の種類、対象になる経費の考え方、申請の流れと採択のポイントを、起業直後の事業者や中小企業の方にもわかりやすく整理します。
※補助金は制度改正・公募回ごとの変更が多い分野です。本記事は執筆時点(2026年6月)の一般的な考え方をまとめたものであり、補助上限額・補助率・対象要件などの最終確認は必ず各補助金の公式公募要領で行ってください。
なぜ業務用洗濯機・乾燥機の導入に補助金が向くのか
業務用ランドリー設備は、単なる「家電の買い替え」ではなく、現場の人手不足対策・生産性向上の投資と位置づけられる点がポイントです。宿泊業や介護施設では、洗濯・乾燥・たたみ・搬送といったリネン業務に多くの人手と時間がかかっています。自動投入機能付きの洗濯機や大容量乾燥機、連続運転に対応した設備を導入すれば、スタッフがほかのケア業務や接客に時間を回せるようになります。
このように「省力化・省人化」「労働時間の削減」という効果を説明できる設備投資は、近年の補助金が重視する方向性と一致しているため、対象として認められやすい傾向があります。逆に、効果の説明がない単純な同等品への買い替えは対象外になりやすいので注意が必要です。
業務用洗濯機・乾燥機に使える主な補助金
中小企業省力化投資補助金
人手不足の解消と労働生産性の向上を目的に、省力化につながる設備・システムの導入を支援する制度です。あらかじめ登録された製品から選ぶ「カタログ注文型」と、現場に合わせてオーダーメイドで設備を組む「一般型」の2種類があります。自動投入や搬送の自動化などで、洗濯から乾燥までの工程を省人化できるランドリー設備は、この補助金の趣旨に合致しやすい投資です。
ただ、2026年6月現在洗濯機と乾燥機はカタログに登録されていません。そのため活用するなら省力化補助金一般型を狙っていく必要があります。省力化補助金一般型は従業員数や申請の方法によっては最大1億円の補助がでます。設備導入前に申請する必要があるためご注意ください。
申請にあたっては、導入によってどれだけの労働時間が削減できるか(省力化効果)を数値で示すことが求められます。補助上限額や補助率は公募回によって変わるため、最新の公募要領で確認してください。
新事業進出・ものづくり補助金(2026年度統合)
2026年度から、これまで別々だった「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」が統合され、新たな枠組みで運用される予定です。技術的に新しい製品・サービスの開発や、既存事業とは異なる新分野・高付加価値事業への進出に伴う設備投資を支援する制度です。たとえば、自施設のリネン管理にとどまらず、地域の他施設向けにクリーニング・リネンサプライの新サービスを始める、コインランドリー事業を併設するといった「新規性のある取り組み」と組み合わせる場合に検討できます。単なる設備更新は対象外である点は省力化投資補助金と同様です。
自治体・業種別の補助制度
介護施設の場合は、各都道府県・市区町村が実施する介護テクノロジー(介護ロボット・ICT)導入支援事業の対象になる設備がないかも確認しましょう。見守りや移乗支援が中心の制度が多いものの、自治体によって対象範囲は異なります。また、高効率な乾燥機への切り替えは省エネ関連の補助金・自治体の設備投資補助の対象になることもあります。「業種名+設備名+補助金」「自治体名+設備投資+補助金」で検索し、地域の制度を取りこぼさないことが大切です。
補助金の対象になる経費・ならない経費
多くの補助金では、設備本体の購入費が中心的な対象経費になります。設置工事費や付帯設備費が対象になるかは制度ごとに異なるため、公募要領で確認しましょう。一方で、汎用的なパソコンや事務用品、消耗品(洗剤など)は原則として対象外です。中古設備は対象外、または条件付きとされることが多く、原則は新品導入が前提と考えておくのが安全です。
採否を分けるのは、金額そのものよりも「なぜこの設備が必要で、導入後にどんな効果が生まれるか」の説明です。省力化投資補助金なら労働時間の削減効果、ものづくり・新事業進出系なら取り組みの新規性と付加価値を、事業計画書のなかで具体的な数値とともに示すことが採択への近道になります。
申請の流れと採択のポイント
補助金申請のおおまかな流れは次のとおりです。
- 自施設の課題と目的に合う補助金を選ぶ(省力化が主目的か、新サービス展開かで使う制度が変わる)
- 事業計画書を作成する(導入設備・費用・省力化効果や新規性を数値で記載)
- GビズIDを取得し、電子申請システムで公募期間内に申請する
- 採択・交付決定の通知を受けてから設備を発注・契約する
- 導入後に実績報告を行い、検査を経て補助金が支払われる
特に重要なのが「交付決定前に発注しない」というルールです。採択前に契約・購入した設備は補助対象外になるのが原則で、フライング発注は失敗の典型例です。また、補助金の多くは設備代を立て替えてから後日入金される「精算払い(後払い)」のため、入金までのつなぎ資金をどう確保するかも事前に計画しておく必要があります。資金繰りに不安がある場合は、日本政策金融公庫などの融資と組み合わせて準備するのも一つの方法です。
よくある質問(FAQ)
Q. 中古の業務用洗濯機でも補助金は使えますか?
原則として新品が対象です。制度によっては中古を一部認める例もありますが、対象外とされることが多いため、公募要領での確認が必須です。
Q. 古くなった洗濯機の単純な買い替えでも申請できますか?
同等品への単なる更新は対象外になりやすいです。自動化による省力化効果や、新サービスにつながる新規性を説明できる場合に対象として検討できます。
Q. 申請してからお金が入るまでどのくらいかかりますか?
公募・審査・導入・実績報告を経るため、入金までは数か月以上かかるのが一般的です。後払いを前提に、つなぎ資金や融資の活用を含めて資金計画を立てましょう。
まとめ
業務用洗濯機・乾燥機の導入は、「人手不足対策・省力化の投資」として補助金の対象になりやすいテーマです。省力化を主目的にするなら中小企業省力化投資補助金、新サービスや新分野進出と組み合わせるなら新事業進出・ものづくり補助金、地域や業種特有の制度も含めて、自施設の目的に合う補助金を選ぶことが第一歩になります。対象経費や上限額は公募回ごとに変わるため、必ず最新の公募要領を確認し、事業計画書で「効果」を数値で示すことが採択のカギです。どの補助金が自施設に合うか、どう書けば通りやすいか迷う場合は、補助金支援の専門家に早めに相談することをおすすめします。
【無料相談のご案内】
弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























