
個人事業主とは?会社員から目指す“ひとり起業”の第一歩
こんにちは、起業アドバイザーの中野裕哲です。
「1年後に会社を辞めて独立したい」「自分の力で仕事をしてみたい」。そんな夢を描く方にとって、最も身近で現実的な起業形態が「個人事業主」です。
今回は、「個人事業主とは何か?」をわかりやすく解説しながら、仕組みやメリット・注意点、開業の流れまで丁寧にお伝えします。
個人事業主とは何か?
ズバリ言います。個人事業主とは、「自分の名前」で事業を行う人のことです。会社を設立せず、個人として税務署に開業届を出すことで、正式に事業を始めることができます。
たとえば、こんな職種が個人事業主として活躍しています:
- フリーランスのデザイナー、エンジニア
- ネットショップ運営者
- カフェや小売店の経営者
- 士業(税理士・行政書士など)
法人(株式会社など)と違い、設立の手続きがシンプルで、初期費用もほとんどかかりません。
開業のステップ
個人事業主になるためには、以下の流れで手続きを行います:
- 開業届を税務署に提出(無料)
- 青色申告承認申請書を同時提出(節税の第一歩!)
- 銀行口座の開設(屋号付きがおすすめ)
- 名刺・請求書・HPなど営業ツールの準備
- 必要に応じて保険・年金の切り替え
※屋号(ビジネスネーム)は自由に付けられます。会社名のように使えます。
また、開業時には自分のビジネスが「何を売り」「誰に提供し」「どうやって届けるか」というビジネスモデルの整理も大切です。事業計画書を作ることで、自分の考えを可視化できますし、資金調達時にも役立ちます。
メリットと魅力
個人事業主には、次のようなメリットがあります:
- 開業が簡単で費用が安い
- 経費計上や青色申告による節税が可能
- 仕事の自由度が高い(働く場所・時間を選べる)
- 副業としても始められる
さらに、開業後すぐに大きな成果を上げることが難しくても、自分のペースで事業を育てていけるのが魅力。大企業のような承認フローもなく、自分の判断でスピーディーに動けるのもポイントです。
注意点とデメリット
もちろん注意点もあります。特に以下の点は押さえておきましょう:
- 社会保険が国民健康保険・国民年金等になる(独立の場合)
- 収入が不安定になりやすい
- 取引先や金融機関の信用度は法人よりやや低め
- 損益はすべて本人に帰属する(責任が大きい)
また、個人事業主は信用調査の対象になることもあります。大きな契約を結ぶ際には、事業実績や財務内容の説明が求められることもあるため、帳簿付けや確定申告をきちんと行うことが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1:個人事業主とフリーランスは同じですか?
A:厳密には「個人事業主」は税務上の区分、「フリーランス」は働き方のスタイルを指します。多くの場合、重なっています。
Q2:副業でも個人事業主になれますか?
A:はい、可能です。本業を続けながら副業として開業する方も多くいます。
Q3:開業届を出すタイミングは?
A:事業を始めた日から1カ月以内が基本です。
Q4:開業後に法人化できますか?
A:もちろん可能です。個人事業主で始めて、売上や取引先が増えた段階で法人化する方は多いです。
Q5:失敗しないために何から始めれば?
A:まずは「事業計画書」の作成と「開業準備資金の積立」から始めましょう。準備こそ成功のカギです!
補足:成功する個人事業主に共通する習慣とは?
起業には「特別な才能」が必要と思われがちですが、実は成功している個人事業主には共通する“習慣”があります。
- 数字に強くなる努力をしている 売上・経費・利益。これらの数字を日々把握することが、事業を継続させるカギになります。難しい会計知識は不要ですが、家計簿をつけるような感覚で事業のお金を管理することが大切です。
- 小さなPDCAをまわしている 「試して→見直して→改善する」この繰り返しが成長の源です。たとえば「ブログを週1回書く」「DMの反応率を見て次回に活かす」など、小さな改善が売上アップにつながるのです。
- お客様の声を素直に受け止めている 成功している個人事業主ほど、お客様の声を真摯に受け止めます。良い評価だけでなく、厳しい指摘も次の改善点として歓迎する姿勢が、リピーターや紹介につながっていきます。
- 孤独にならないようにしている 個人事業は自由な反面、孤独にもなりやすいです。定期的に同業者や専門家とつながったり、勉強会に参加することで、視野が広がり、モチベーションの維持にもなります。
あなたも、こうした習慣をひとつずつ取り入れていけば、必ず成長を実感できますよ。
まとめ:一歩を踏み出すあなたへ
ズバリ言います。
個人事業主は、会社員から独立を目指す最初のステージとして、非常に優れた選択肢です。
大きな初期費用もいらず、手続きもシンプル。それでいて、「自分の力で稼ぐ」実感を味わえる、貴重な経験ができるのです。
まずは副業から始めてみるのも立派な第一歩。本格的な起業の前に、自分のビジネススキルを試してみてはいかがでしょうか。
そして、将来的に法人化したり、事業をスケールアップしていく道も開けていきます。どんな小さな一歩でも、踏み出す勇気が次の成長につながります。
あなたの夢の実現を、心から応援しています!
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























